☆★☆「沃野の伝説」内田康夫著
食糧卸組合の理事・坂本が京浜島の海岸で水死体となって発見された。偶然にも浅見光彦の母・雪江が彼に電話した直後のこと。驚いた雪江は、光彦に事件の調査を言い渡す。同じ頃、長野県では巨額のヤミ米横領事件が発覚。行方をくらました容疑者の商社員・阿部が死んだ坂本と繋がりがあったことをつかんだ長野県警は「信濃のコロンボ」こと竹村岩男警部を出動させる。容疑者である阿部の娘・悦子は、父の行方を追って山形県酒田へヤミ米市場の実態を調査に行った浅見光彦も新潟から酒田へとたどりつく。二人は、阿部をよく知る老人・遠藤を訪ねるが彼はその後まもなく、砂丘で死体となって発見される。一方、竹村警部が捜査中の長野県でも、新たな犠牲者が・・・・。二人の名探偵が米市場を巡る巨大な闇に挑む。