ファーストキス~3.親友の告白~(14)
「で? その後、どうした?」「どーしたって……どーもできねーから帰った」「マジ? もう1回しようとかなかったの?」「あの状況じゃできねーって!」 できるわけない。「そっかーそりゃ災難だったな」「マジでへこむ……花澄にどう接していい分かんねー」 できなかった今としては、そっちの不安でいっぱい。 花澄と会うのが怖い。「でもさーそれは花澄も一緒なんじゃねーの? てか、あいつ、相当動揺してるんじゃねー?」「多分……」「だからさーお前がへこんじゃダメなんだって!」「でもさー」「気持ちは分かるけど……でも、どうすることもできねーじゃん。できなかったんだから……今更どうこうできないだろ?」 優也のもっともな答え。「ぶっちゃけ、オレもそういう状況、あったらからさ……」 優也が声を潜ませて続けた。「はっ?」 今、何て……? そういう状況あったって……?「ちょっ……待て。どういう……?」「だからーキスじゃねーけど……お前よりひどいかも……」「はぁ?」「……オレ、初めてのとき、できなかったんだよ……」 優也がボソっと呟いた。「はぁ? 聞いてねーし!」 思わず大声になる。 初めてのときって……。 そんな話、知らねーよ。「ゆえるかよっ!」 耳元で優也の声も大きくなる。「おまっ……マジでゆってる?」「おお……」「……ありえねーだろ……」 >>>つづく