Precious love~2.男の気持ち~(9)
「花澄、よーく考えてみろ。いつも大好きな彼女が隣にいてだよ? キスしてその先、したくないヤツなんていると思う?」「…………」「高校生だし、興味ある年頃だし……。オレだって彼女がいたらやりてーよ!」 そう、笑い飛ばす。 わたし、絶句。 優也が……優也も……?「そんなん、郁己だってクラス中の男ども、みんな思ってるって!」 優也がそう付け加えた。「い、郁己も?」 うそ……。 あの郁己も……?「そうだろうね……」 深夏が静かに納得している。 そ……そう……。 やっぱり……逃れられないのかなぁ……。 全く興味がないって言ったらウソになるけど……。 ここまで露骨に言われると……。 期待されてるのかなーって。 わたし、竜也のこと苦しめてるのかなーって……。 そう思っちゃう。「何で? 花澄、したくないの?」 優也がわたしを見る。「えっ……」「竜也のこと、好きなんだろ?」「…………うん」「キスだけで満足してんの?」「………………」 わたし、何も言えなかった。 >>>つづく