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カテゴリ:5-1・試験(グレード)
ヤマハグレード試験の6級になると、私だけでなく、全体的に試験官も、「次は5級(プロのための)だから」と思い、厳しめに?に(実際は妥当?)判定をします。
きっと、A~Eの中で「C」がつく方も結構いるんじゃないかと思います。 6級、中学2年生、すご~く上手な受験者に逢いました。 エレクトーンはレパートリーに「級」が表示されていますが、ピアノの場合、有名どころでいえば「エリーゼのために」あたりでしょうか。ソナチネアルバムのやさしいあたりとか、まあ、線引きはあいまいです。が、そんな感じのレベルです。 線引きが曖昧という事は、「これが弾けたら6級」ではなく「6級としてふさわしい演奏」ととらえていいのかな?とも思います。 エリーゼなんかは相当有名なので、低学年でがんばって発表会で演奏することもありますから、弾けたらよいというものではないんですが・・ 話は戻って、 受験者はとても上手でした。しっかり、カデンツも理解していて、きちんと勉強していることが伝わりました。 初見も即興演奏も聴奏も。 曲の演奏も、しっかり強弱表示も守り、まさに楽譜を厳密に守り、「そうそう、そこでリタルダンド」と楽譜も目に浮かびます♪ 厳密に再現しています。 しかし、どの曲を弾いても、なぜか同じように聞こえてしまう。 正確なのに。 「~の踊り」も「悲しみの~」も同じように表現しています。 同じ曲を聴いているような・・ でも、忠実に楽譜の注意事項を守っている。 講評、なんて伝えようか??なんて悩みつつ、 「全体的にとても丁寧に素晴らしく勉強されています。でも、曲にはタイトルがあるように、もっと、その曲をイメージした方が、聴いている人にも伝わりますよ」 みたいなコメントをしました。 ペアの年配の(ベテラン?)の先生も同じように感じていたようで、 「とても上手に表現されていたけど、たとえば、あんまり上手に弾けていないけど、なんか伝わるものがある!という演奏をする人もいます。そんな事も感じて・・」 とコメントされていました。 すごく、評価に悩みましたが、ペアの試験官と相談して、今後の期待を込めて 表現力に「C」をつけました。(他はすべて文句なくAでした) 本人にとったら、完璧に演奏したはず。 とても上手でしたので、試験官2名もコメントに気合を入れて本人に伝えました。 でも、全部同じに聞こえてしまう。難しい評価づけでした・・・。 楽譜の再現は完璧。しかし・・・ 本人は結果を受け取ってどんな思いをしたかな? 表現の意味を担当の先生と相談しているかな?と・・逆に、「なんでC???」と憤慨しているかも?? よく、「コンクール」の総評で、「花が無い」なんてコメントを見ることもあります。 しかしその子はなかなか完璧な演奏をしている。 発表会(演奏会)でかなり雑な演奏をしている。だけど、なぜか息をのんで演奏をきいてしまう。あとで思い返しても、その、雑めな子の演奏が思い出される。 本人はしっかり丁寧に演奏しているのに、相手には全く伝わっていない。ということ、あります。 それは、体をグルングルンして、ノッていますよ♪とアピールする事ではなくて・・ 深いといえば深い話ですが・・結局音楽「弾けりゃいいってもんじゃないよね」という事につきるのかな?と思います。 そういう表現力をつけるのは、今日からつけよう!と思ってもつくものではないし、はじめの一歩から、「音楽を楽しむ」経験を積むのは大切なのかな?と思いいます。 一言で言える解決策なんて、きっとないですよね~♪ 結構、初期のレッスンで、ついついおざなりになりがちな、 読み聞かせをするように、 「この曲って、どんな気持ちがする??」 の、一見無駄にみえる、時間のかかる作業、かなり!大切なのかな?と思った出来事でした♪ 限られたレッスン時間。 やりたい(やらねば)課題は盛りだくさん。 今月は、指の形を直そう、今月中にこのテキストは終わらせて・・など、目標は沢山。 ついつい、ハード面メインにレッスンしてしまう事は当然で・・・ うっかり?忘れてしまいそうなソフト面。 大切にしてレッスンしたいな♪と思う出来事でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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