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カテゴリ:BOOK・映画
沖で待つ 絲山秋子
06年の芥川賞受賞作の表題よりも、併録の『勤労感謝の日』の方が、リアルな女性像で、個人的には好きでした。 『袋小路の男』や『海の仙人』では、作者の独特の視線みたいなものが感じられたのだけれど、この1冊、特に『沖で待つ』は、雰囲気が軽くて、なぜこれが芥川賞?という印象でした。 エスケイプ/アブセント 絲山秋子 20年間地下活動をしてきた40代のおっさんが組織を抜け、転職前の1週間を京都で過ごす話。そもそも66年生れの活動家、というのがぴんとこず、過激派とかセクトといわれても正直よく分からなかったが、人と人との関わりとか、人生の深みみたいなものはよく感じられた。 さらっと読めた割りに、へんな話として記憶に残っている作品。 あかんべえ 宮部みゆき とてもかわいい話でした。 自分が犯した罪や抱えた悩みと同じものをもつオバケが見えるとしたら、私には一体、どんなオバケがみえるだろうか。 ぼけになりやすい人、なりにくい人 大友英一 4年位前、まだ祖父の痴呆が初期段階のときに、祖母が購入した本です。 脳の老化および血管の老化を抑える方法などの予防法や、「大友式ぼけ予測テスト10問」、「ぼけ予防10カ条」など、日常生活で気をつけておくべきポイントが解説してあります。 が、もちろん完璧なる解決法ではありません。解明されてないんですものね。 しかしながら、それによれば、平均寿命の女性のうち、死後脳内に出血や腫瘍が認められたのが70数%。 そのうち生前痴呆の症状が出なかったのは20数%だったとありました。 ぼけないで天寿を全うするにはどうしたらいいのかな?と真剣に考えてしまいます。 母方の祖母は「ぼけたくない」一心で脳トレばかりをやっていますが、四六時中脳トレというのも極端な話でしょう? 自分の脳が退化したとき、息子や嫁にオムツを替えてもらうほど、丸い人間になれている自信もないし。(そのときには自尊心なんてないのかもしれないけど。) この夏の帰省で、祖父の痴呆の進行を目の当たりにして、恐ろしくなりました。 5分に1回同じことを言ったり、朝の5時から部屋に来て「ご飯はまだかないな?」と何度も尋ねる祖父(私の子供たちにとっては曽祖父)を見て、子供心に得体の知れない恐怖を感じたようで、長男(5)は帰宅した今でも夜トイレに行くのを怖がり、昼間でも私の姿が見えないのを嫌がります。 美しく歳をとるのは難しい。脳が退化し、身体が老化していくものだと分かってはいても、なるべく避けたいと願わずにはいられません。 桜ハウス 藤堂志津子 年齢も正確もまったく違う4人の共同生活の数年間そしてそののちの話。 40歳を超えた自分というのを、ちょっと考えてみたりもした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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