人間の本質の3つの側面
神智学において、人間は本質のなかに3つの側面をもっている とされています。●「体」 ●「魂」 (心)●「霊」 (精神)人間は●「体」を通して、一時的に自分を事物と結びつける。●「魂」を通して、事物が与える印象を事物の中に保持する。●「霊」を通して、事物自身がみずから保持しているものが彼に啓示される。または●触覚、臭覚、味覚、聴覚、視覚の情報を流している対象●対象が与える印象(共感・反感、気に入る・気に入らない、欲望、嫌悪)●対象に対して得た認識内容。この対象の作用と在り方。私が花の咲いている庭園に訪れたとする。●花々は、私の目を通して、その色・形を私に伝える。これは私にとって事実となる。●私はその花を楽しみ、「美しい花だ」などの感情を持つ。事実は私の要件となる。●私は自分の感情によって、花々を自分自身の在り方と結びつける。1年後、ふたたび同じ庭園を訪れたとする。そこにあるのは別の花々だ。もう一度、喜びの感情がそれらを通して生じてくる。その喜びは私の中に存在しており、それを呼び起した対象(去年見た花々)はもはや存在していない。喜びの感情は私の存在と結びついて存在しているだけである。しかし去年私が花々について認識し、今年も再び認識するもの、それは、このような花々が生えている限りは存続するだろう。それは、私に開示されたものではあるが、私の喜びとは異なり、私の存在に依存していない。私の喜びの感情は私の中にある。花々の法則と本質は私の外に、世界の中にある。この意味で人間は「体」と「魂」と「霊」とから成っている。人間は星空を見上げる。魂が受ける感動は人間そのものだ。しかし彼が思想として霊において把握する星々の永遠の諸法則は、彼にではなく、星々自身に属している。●引用図書:『神智学』高橋巌 著/ちくま学芸文庫次回は『人間の本質を構成する要素』の予定です。by ちぃ