未亡人・10年目は雨。
未亡人生活丸9年を迎え、ついに10年目に突入です。今日は、優しい雨。イチローは言いました。WBC準決勝、対アメリカ戦。「特別な感情がないことが、特別」同じ心境です。いつもと同じに朝が来て、いつもと同じに夜が来る。しいていえば、補習のはずだったアオイさんが、先生の風邪で家にいることが、特別なくらい。YOSHIKIさんは言いました。彼は、11歳の時にお父さんを、自殺で亡くしているそうです。「父の死を)乗り越えてはいない。常に戦いですよ。こういう傷は癒えない傷だと思う」私も、大事な人の死は「乗り越えるもの」ではないと、感じています。元どおりには、もう、戻れない。傷もある。もし、「その傷を消せる薬」がどこかにあっても、私は使わない。この傷も、彼が生きていた証。11歳。今のアオイさんと同じ年齢です。大きい分、色々と感じて、傷ついて、戦ってきたでしょう。****************************おしゃべりな2歳児で、「パパ、いってらっしゃい」と小さな手を振ったアオイさんが、もうすぐ12歳になります。パパのことは、もう、何も覚えていないと思います。忘れられることが怖くて、でも、彼の話をするのも嫌で、死んだことを受け入れられなかった私も、「忘れてしまって当然」と、今は思えます。私は、親を亡くした子どもではないから。アオイさんは、アオイさんのいいように、消化してけばいい。彼女にとって、愛すべき父であることは、よくわかっているから、それで大丈夫。********************************私たちも戦ってきたけど、彼も、よく見捨てずに見守ってくれたなぁと思います。ひとりで寂しいのも、先に逝くことが苦しかったのも悲しかったのも、彼だから。私たちは、見守ってくれる人も、沢山の仲間もいて、幸せ。皆さん、いつも、ありがとう。********************************ちょっと元気になった何年目かに、「10年。ひとりでやれたら花火あげよう」って思ったの(笑)「どうせすぐ再婚するんでしょ」みたいなことを義理両親に言われて、意地もあって(笑)絶対10年はひとりで頑張ってやる。って。ま、再婚はそんなに簡単なことでは、ないけどもね。来年には、丸10年。花火を上げるにはちょっと寒い時期だけど、そのくらいの気持ちで迎えられるように、また1年、頑張りたいと思います。*****************************いつか私が骨になって、彼と同じ場所で眠ることは出来なくても、同じ空から、同じ雨が降ります。