ようやく観てきました。
昨日、ようやく映画「点の記」を観てきました。これまで耳にした感想は、「映像はきれいだけど」という枕言葉に続く、否定的なものが多かったので、やや身構えていたのですが、私としては文句なく面白かったです。やはり、リアリティが完璧でした。香川照之がかついでいる荷物、あれは中身が空でも、10kgはありますよね。それなのにわらじ履きで不安定な雪渓や急なガレ場をほんとうに投降している。映画だというのに、何度か本心からハラハラさせられました。原作にない挿話も、よくできていたと思います。千恵ねえのねえさんが指摘していた、役所広司が語る「地図を作る意味」も、胸にグッと来たなあ。「世界の中での自分の位置を知りたい」。あれれ、自分の心の中にも、ひょっとしてそういう部分があるかなあと、しばし問答しました。例の、長次郎を見送るときの、立ち位置の話は、まあ、自分が製作者でもあのように変えるだろうなあと思ったので、ちょっと残念でしたが、納得しました。それにしても、香川照之は、大げさかもしれないけど、10年に1人の役者ではないでしょうか。演技と自然さの境界を見事に測って着地してきますね。ということで、大大満足の映画鑑賞でした。