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カテゴリ:絵本
50周年を迎える福音館書店の「こどものとも」を記念した絵本展がわたしの住んでいる町で開かれています。夏休みとともに終わってしまうのですが、自分が子どものころに読んだ懐かしい絵本、息子と一緒に読んだ本たちの原画がたくさん展示してあって、それはそれは楽しい催しでした。わたしと息子は初日から行きました。
(ここから先、長くなるので、お急ぎのかたはパスしてください。。。ごめん) 入り口を入ると、「ぐりとぐらのかいすいよく」の原画が絵本まるごと並んでお出迎え。もう入った瞬間から絵本の海原に泳ぎだしていく感じです。 息子は早く先が見たくて「うおー」と走り出し、さっそく警備の人に「ぼく、ぼく。走らないで。騒がないで」と注意されてます。でもまあ、気持ちはわかるよ。 おまけに館員の方と何か話をしてるのでまた何かやったか!と急いで近づくと、絵に向かって「前にならえ」をさせられてます。・・・? 「うん、うん。じゃあこの位置ならさわれないか。ここから足元にテープを貼っておくから入っちゃだめだよ」とのことで、息子の手の長さが絵本展の侵入禁止ラインとなりました。。。 本当に珠玉の絵本展で、どの挿絵もすばらしく、絵を見る喜びをひさびさに感じました。 中でも、林明子さんの「あさえとちいさいいもうと」の挿絵、「三びきのこぶた」の山田三郎さんの絵、元永定正さんの「カニツンツン」、ばばばあちゃんの「あめふり(さとうわきこさん)」の原画などが心に残りました。 林明子さんの絵本といえば「はじめてのおつかい」や「魔女の宅急便」ですが、女の子が主人公の本が多く(多分)、実は今まであまり関心がなかったんです。ところが原画を見たら、切なくなるほど子どもの絵がかわいい。福音館のホームページに林さんのインタビューがあって「抱きしめたくなる子どもが描きたい」とあったんですが、まさにそのとおり。自分の子を抱きしめたときのにおいややわらかさを感じるような、母性のホルモンがぶわっと出るような絵なんです。印刷ではそういう繊細なニュアンスがどうしてもつぶれてしまうのが残念ですが、林さんは大好きな作家になりました。 山田三郎さんの「三びきのこぶた」もすごい迫力でした。線描が1本ではなくて細かい線をギザギザ重ねて書かれていて、絵にいのちを与えています。小道具などまで細密で絵のすみずみまで堪能しました。音楽でたとえていえば、絶対音感のある人の歌というかツボを押さえた肩もみというか。はずれた音って気持ち悪い感じがしますけど、そこでぴたっと決めると気持ちいー。そんな感じ。全然いい説明じゃないですよね。。。でも、とにかくすごいなと思いました。 元永定正さんの「カニツンツン」も原画の色のきれいさに感動しました。紙の質感も絵のごうちそうというか絵の具ののった感じがすごく気持ちよくって。印刷されると平板になってしまいますが、色が生きているんですよ。いっこいっこの形が生きてるみたいでした。息子があかちゃんのときの愛読の絵本なので、見入ってしまいました。 あと、ばばばあちゃんシリーズの「あめふり」の原画もよかったです。息子が好きなばばばあちゃん。まんが感覚で読んでるのですが、原画は細密な線描とやわらかい色合いが印象的で、見ごたえのある絵でした。イメージが変わった。 それから「へー」と驚きつつ納得したのが「あな」(和田誠絵・谷川俊太郎作)。和田さんの絵は色が塗られてなくて、色見本の番号が指定されてるだけなんです。ほかの作家さんが画家という感じなら、和田さんはデザイナーという感じ。 息子は「ふしぎなナイフ」が特に気に入ったようです。硬質で形が変わらないはずのナイフが溶けたり伸びたり、膨らんでくだけたり。それがすごく面白いといって、ときどき爆笑しながら見てるんです。 実はこの絵本展には3回行ったんですが、2回目はお友だち2人と行って、その男の子たちもこのナイフでうけてました。あと、子どもたちが楽しかった絵本は、「ゆうびんやさんのホネホネさん」「めっきらもっきらどおんどん」などでした。それに、息子が一番数を読んでいると思われる作家、長新太さんの「どろにんげん」も大注目。 絵本の閲覧コーナーも子どもたちに大人気でした。うちは美術館の近所で、自転車にサンダルばきで行ける距離にあります。全部読むまで通うというので、3回。もっと行きたかったけど。たっぷり遊ばせてもらいました。 もし、皆さんの町でも開催されたら、ぜひ行ってみて~!
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