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テーマ:男優たちの華麗な酒盛り(277)
カテゴリ:アメリカ ・ スペクタクル
これは総製作費1350万ドルをかけ旧約聖書の世界を甦らせた大作だ。古代エジプトで奴隷として迫害、酷使されていたヘブライ人(のちのユダヤ人)を救った民族の英雄モーゼ。その受難の歴史を描いたものである。 映画はエジプトのファラオ(王)の後継をめぐって王子ラメシス(ユル・ブリンナー)とモーゼ(チャールトン・ヘストン)の葛藤から始まる。 ヘブライ人の子として生まれたモーゼは赤ん坊の時、籠に入れて河に流され、ファラオの娘ビシア(ニナ・フォック)に拾われて自分の子として育てられる。 自らをエジプト人の王族の子と信じて疑わなかったモーゼが、400年にわたりエジプト人の奴隷だったヘブライ人の子と知ったことから展開が大きく変わる。 エジプトを追放され、シナイ山で神の声を聞き救世主である神への忠誠を誓ったモーゼは、同胞たちの解放を目指し再びエジプトへ戻る。 「真夜中の神の呪いがエジプトを襲うだろう。ファラオから召使に至るまで長子を失うことになる」 モーゼの予言通り長子を亡くしたラメシスは妻のネフレテリ(アン・バクスター)にモーゼ殺害を唆され、大軍を率いて猛追する。 モーゼとヘブライ人たちは城門を出て”約束の土地”に向かう。何万、何十万という人々や牛、羊、ラクダなどを連れて砂塵に包まれて前進する。 やがて行く手を阻むように紅海が現れる、後には追いかけてくるエジプトの軍勢。進退極まったとき、岩の上に大手を拡げて立つモーゼが叫ぶ。 「恐れるな、落ち着いて神の救いを見よ!!」 モーゼの祈りによって海は真っ二つに割れて”陸地”となる。このスケール感は見るものを圧倒せずにはおかない。CGもなかった当時どうやってこのスペクタクル・シーンを生み出したのだろうか。海割れのシーンは次のようなトリックとされている。 一辺が80mほどの四角形の土地の中心に、幅約4m、深さ約2mの真っ直ぐな溝を掘り、その溝と平行に上部に大量の水を満たした長いタンクを置く。この水を奥から手前へ順次溝に流し込みながらその模様を撮影し、これを逆回転させれば映像では手前から海が裂けてゆくように見えるわけだ。こうした特撮は色々なシーンで使われている。 娯楽性豊かな壮大な歴史絵巻、デミルはこの映画に9年7ヶ月をかけたそうである。時代考証に3年、ロケ地選定とシナリオ執筆に3年、撮影に入る準備に3年、ロケに3ヶ月、セット撮影に4ヶ月だ。 1956年 アメリカ・カラー 監督 セシル・B・デミル 出演 チャールトン・ヘストン アン・バクスター ユル・ブリンナー ブログランキング参加中 応援よろしくお願いします ↓ 人気blogランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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