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テーマ:男優たちの華麗な酒盛り(277)
カテゴリ:アメリカ ・ 西部劇
これは西部劇出身の巨匠ワイラーが、愛情を込めて発表した18年ぶりの西部劇である。南北戦争後の新たな西部の夜明け、東部と西部の男の対比、老家長二人の対立、男たちの壮烈な誇りをかけた生き様が描かれる。 「ローマの休日」(1953年)で甘く切ないロマンスを描いて、その名を世界に轟かせた巨匠ウイリアム・ワイラーが、その5年後に撮影したのが本作品だ。もともと西部劇監督として世に出た彼が「西部の男」(40年製作)以来、実に18年ぶりに手がけた西部劇なのだ。 牧場を経営するテリル少佐(チャールズ・ビックフォード)の娘パトリシア(キャロル・ベイカー)と結婚するために東部からやってきたジェームズ・マッケイ(グレゴリー・ペック)。いきなりテリル家と対立しているハナシー家の息子パックたちに追われ、全速でパトリシアを載せた馬車を走らせる。 「あの連中が追ってくるわ。もっと速く、速く突っ走るのよ!」 だが簡単に捕まって彼らに笑いものにされる。 なすがままのマッケイにパットはカンカンになって怒る。勇気のない臆病者と思ったのだ。 テリル家では牧童頭スティーブ(チャールトン・ヘストン)の敵意に満ちた視線に迎えられる。彼はパットに思いを寄せていたのだ。 船乗り出身の東部男と西部の無骨な牧童頭ーーー。二人の男の正反対の性格が浮き彫りにされる。当時のテキサスでは正義は力、男の勇気は力であった。だが、東部から来た男は『頭』と『良識』でこれに立ち向かっていく。 雄大な土地を舞台にワイラーは、父テリル少佐と同じく正義は力と信じるパトリシア、土地の水の権利を持つ女教師ジュリー(ジーン・シモンズ)、「水」をめぐりテリルと対立する老牧場主ルーファス・ハナシーなどの登場人物をリアルに描いている。 ここは保安官事務所のある町まで320キロ、力が法律なのである。水を巡っての銃撃戦が広大なキャニオンで始まる。 「これは老人二人の怨恨の戦いだ」 とマッケイはいうが、その通りに二人の老人の対決で幕を閉める。この壮烈な戦いの結末は・・・。 「ローマの休日」でコンビを組んだ巨匠とトップスターが情熱を傾けた”男の映画”である。 1958年 アメリカ・カラー 監督 ウイリアム・ワイラー 出演 グレゴリー・ペックキャロル・ベイカー チャールトン・ヘストン ジーン・シモンズ ブログランキング参加中 応援よろしくお願いします ↓ 人気blogランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.05.01 11:38:34
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