面白さ抜群!!ジョン・ウエインの「拳銃の町」
これはジョン・ウエイン初期の作品だが、これが滅法オモシロイ。牛泥棒にまつわる話だが、お馴染みの決闘シーンあり、乱闘あり、女同士の恋の鞘当てあり、いかさまポーカーありと西部劇の面白さがたっぷりだ。もちろん、長身のウエインが肩をゆすって歩く独特のスタイルは初期の頃から完成していたようだ。B級作品でも、こんなオモシロイ作品が作れるという良い見本と言えよう。まさに”掘り出し物”の逸品である。開巻早々のセリフに愉快な会話があったので紹介しよう。主人公ロックリン(ジョン・ウエイン)が駅馬車の馭者台に乗り込み、老いぼれ馭者デイブと対話するシーンだ。駅馬車を走らせながら、デイブが聞く。「女を甘やかさない主義か?」「そうだ。女はもう沢山だ」と、ロックリン。「わしも同じだ。女ってのは面倒だからな。(馬にピシリと鞭を当て)酒も女も空気の如しだ。なければ困るが、あっても困る」苦笑いするロックリン。デイブ、ピシッと鞭を鳴らし、ウイスキーの小瓶を出して飲み、「女に乾杯!」ピシッと馬を打つ。勢よいよく走り出す馬。跳ねる馬車の中で転げまわっている女二人。ほくそ笑む男性諸氏は多いだろうが、今の時代、女性陣からはこう云われそうだ。「男って面倒なものよ。なければ困るけど、あっても困るわ」と・・・。拳銃の町この映画、戦後アメリカ映画が再び公開された時の最初の西部劇であることを付け加えておこう。