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テーマ:男優たちの華麗な酒盛り(277)
カテゴリ:フランス映画
この映画は当時35歳の新進監督アンリ・ヴェルヌイユが撮った作品である。市井の人々の生活と心をリアルにスクリーンに描き出して見せた。 吹きつける雨の中、永遠に続くかと思われる国道の闇を、疾走するトラックのヘッドライトの光が切り裂いていく。目的地は遠く同乗している女クロ(フランソワーズ・アルヌール)は次第に衰弱していく。ひたすら前方を見つめ、黙々とハンドルを握る男ジャン(ジャン・ギャバン)。 中年のトラック運転手ジャンはクリスマス・イブの夜、国道沿いの定宿”キャラバン”を2時間の仮眠のために訪れ、若い女中の”クロ”ことクロチルドと出会う。 国道を通る度にジャンはクロを訪ね、ある夜、ジャンがクロと二人きりになる。若い娘が男と二人きりだ。 「平気か?」とジャンが切り出すところから始まる会話だ。何もかも思い通りに行かない人生のやりきれなさ、クロのどこか投げやりな物言いが、ジャンには新鮮にさえ思える。 「二人きりでも平気か?・・・構やしねえよな、親子ほど年が違うんだ」 「気がつかなかったわ」 「そうさ・・・なぜ、見る?」 「迷惑なら見ないわよ。臆病ね」 「君が大胆で、ちょうどバランスが取れてる」 「10分間のバカンスはどう?」 「バカンス?いいこと云うね」 こうして二人は男と女の情炎の世界に入っていく。 家族を養うため、黙々と何十年も重労働に明け暮れてきたジャンだが、帰宅しても、貧乏暮らしに疲れきった妻と生意気盛りの娘は何のいたわりも示さない。 冷たい家族を捨ててジャンはクロと人生の再出発を考えるが、その矢先ジャンは失業、クロは失業した男に妊娠を告げられぬまま堕胎手術を受けるが・・・ 人生とは何か・・・を考えさせられる映画だ。 1955年 フランス・モノクロ 監督 アンリ・ヴェルヌイユ 出演 ジャン・ギャバン フラソワーズ・アルヌール ブログランキング参加中 応援よろしくお願いします ↓ 人気blogランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.05.02 22:10:40
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