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カテゴリ:アメリカ ・ スペクタクル
名匠キング・ヴィダーが壮大な映像で描き出したトルストイ文学の傑作、「戦争と平和」。ロシアに侵攻したナポレオン軍が無残に敗退ーーー。19世紀初頭の帝政ロシアの歴史を軸にあらゆる人間の魂を描く壮大な文芸作品の映画化である。 撮影はイタリア中のスタジオを使って行われ、エキストラに18000人のイタリア陸軍兵士が動員、馬は3千頭に及んだ。更に事故が多発した戦闘シーンでは、兵士に扮装させた医師約60人を緊急看護のためにエキストラとして紛れ込ませた。 だが、最も大変だったのはナポレオン軍が猛吹雪の中を敗走する場面で、このシーンは何と7月の猛暑の中で撮影された。石膏粉に浸したコーンフレークを送風機で吹き飛ばし、夏のローマのテベレ河畔を冬のロシアに変えたのである。 特筆すべきはナターシャ役のオードリー・ヘップバーンの愛らしさであろう。オードリーあっての「戦争と平和」と言えるだろう。 19世紀初頭、ナポレオン軍がロシアへ侵攻、ロシアの青年ピエール(ヘンリー・フォンダ)はナポレオンを信奉していた。ピエールと仲の良いロストフ伯爵家の娘ナターシャは戦争に憧れていた。 父ベズーホフ伯爵が死んで、莫大な財産を受け継いだピエールはヘレーネ(アニタ・エクバーグ)と結婚するが破綻、ナターシャへの思いを募らせる。出征していたピエールの親友アンドレイ公爵(メル・ファーラー)が帰国。 「彼女と踊る歓び、両手に春風を抱いた感じ、リラの花束か愛らしい子猫・・・次のターンで微笑んだなら結婚しよう」 アンドレイは踊るナターシャを見つめながら呟くのだ。ターンしてにっこり微笑むナターシャ。 アンドレイもナターシャに魅かれ二人は愛し合うが、アンドレイは再び前線に向かう。ナポレオン軍はモスクワを占領、だが焦土と化したモスクワに食量はなく、廃墟となっていた。迫る冬将軍にナポレオン軍は撤退を始める、まるで敗残兵のように。それまで耐えに耐えていたクルーゾフ将軍は反転攻勢に出るのだ。 「諸君全員の献身的な働きに感謝する、勝利は今成った。祖国も諸君を忘れないだろう。永遠なる栄誉を!!」 将軍は兵士たちに向かって叫ぶ。 (成し難いが大切なのは命を愛し、苦難の時も愛し続けることだ。なぜなら命がすべてだからである。命は神なり、命を愛すは、すなわち神を愛すことである)トルストイ「戦争と平和」 1956年製作 イタリア=アメリカ・カラー 監督 キング・ヴィダー 出演 オードリー・ヘプバーン ヘンリー・フォンダ メル・ファーラー ビットリオ・ガスマン ブログランキング参加中 応援よろしくお願いします ↓ 人気blogランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.05.22 22:08:58
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