ユナイテッド93
あまりにも衝撃的だった、9.11のあの出来事。ハイジャックされ、墜落した4機の内、唯一目的地に達しなかったこの機を中心とした作品である。 あの日、映画を観て家に帰ったら、ニュースステーションでは奇妙な映像があった。飛行機がビルに突っ込んでいる…。 それから一晩、この最後のユナイテッド93の行方を見終えてから寝た。 その間の、管制官たち、乗客たちの様子が、あたかもドキュメンタリーのように描かれる。確かに、管制官の配役には「AS HIMESELF」とある、つまり本人役。 過剰な描写もなく、無理矢理なメロドラマ的演出もなく、できるだけ正確に伝えようと描いているからこそ胸に詰まる。言い知れぬ感情が沸き上がる。 先日、ヒースロー空港でも未遂事件があった。いつ自分がめぐりあうのか、分からない。 でも一体自分に何ができるかも分からない。ただ、もし不幸にも巻き込まれたなら、私は最後、誰に電話を入れるだろうか。そして何を伝えるだろうか…。