サンク・オ・ピエ4月5月のコースの詳細です
19か月熟成のパルマ産のピオ・トジーニ社の生ハムです。 薄く切って、サラダと一緒に盛り付けます。 この生ハムは、今では少なくなった伝統的製法で作られています。何が違うかというと、エアコンや冷蔵庫を使わないんです。生ハムは豚のもも肉を塩漬けにして熟成させて作るんですが、夏を超えるときにある程度高温にさらされることで熟成が進みます。最近は、肉が痛むの避けるためにエアコンを使うところがほとんどなんですが、エアコンを使うとフィルターの影響で熟成庫についている蔵付きの乳酸菌や酵母などが弱ってしまいます。生ハムつくりの歴史は千年以上と言われていますが、冷蔵庫やエアコンができたのはたかだか百年もたっていません。つまり冷蔵庫やエアコンなどなくても生ハムは作られてきたわけです。本来は冷蔵庫などない時代にいかに肉を保存するかということでできた保存食なんですからね。肉に蔵付きの乳酸菌や酵母がついて肉を雑菌から守るとともに発酵の力で熟成を進めてくれます。乳酸菌の雑菌駆除力は物凄いんです。伝統的な発酵食品の多くは乳酸菌が主役です。ヨーグルト、ぬか漬け、鮒寿司、サラミヤチョリソーなどですね。実は生ハムも発酵食品なのにせっかくの蔵付きの菌をエアコンなどで台無しにしてしまうわけです。そうすると、さらに肉が傷みやすくなりますから、さらにエアコンを利かせて温度を下げるという悪循環で、結果的にただの塩っぱい干し肉みたいなってしまうわけです。実際安物の生ハムは、肉の生臭みがあって旨味に乏しく塩っぱいだけです。この生ハムの味を知るとその違いがよくわかりますよ!Prosciuttp di PARMA,19mois,Pio Tosini avec salade vertピオ・トジーニ社の19か月熟成パルマプロシュート、サラダ添えに合わせるワインMuscadet de Savre et maine sur lie Clos Cirmernais 2010 Pepierミュスカデ・ド・セヴレ・エ・メーヌ・シュル・リー、クロ・コルメレイ、ペピエール ミュスカデとしては、かなり異端なワインです。澱の上で熟成させるシュル・リー製法がワインの旨味を増し、それをさらに樽熟成することでコクを増します。独特の旨味のある味わいが乳酸発酵の旨味があるピオ・トジーニの生ハムにぴったりです。 エスカルゴです。かなり久しぶりですね。エスカルゴは、もともとブドウの木にたかって葉を食い荒らす害虫なんです。特にブルゴーニュ地方で被害が多く、駆除するんですがブルゴーニュは内陸で海に遠いですから普段貝類など食べる機会が少ないですから、駆除したエスカルゴを「食ってみるべー」と始まった料理だといわれてます。エスカルゴにはいくつか種類があるのですが、今回使うブルゴーニュ種は繁殖力が弱く絶滅危惧種で希少品なんですが、実はエスカルゴの王と呼ばれていて味では一番なんです。このエスカルゴは正真正銘のブルゴーニュ種でしかも冷凍ものなので、缶詰のエスカルゴのようにへなへなに柔らかいのではなく、コリっとした感じも魅力です。ニンニクとパセリを合わせたバターで焼くのが一般的ですが、私の場合はアンチョビをたっぷり入れます。塩分は全部アンチョビというくらいです。ココットにエスカルゴとクルトンとパン粉を入れてブルギニヨンバターをたっぷりと入れてオーブンで焼き上げます。Escargots de Bourgogne “Herix pomatia”en cocotte a la bourguignonneブルゴーニュ・エスカルゴ(ヘリックス・ポマティア種)のブルゴーニュ風ココット焼きに合わせるワインBourgogne Passe-tout-grain ROSE 2011 domaine Alain Jeanniardブルゴーニュ・パス・トゥー・グラン・ロゼ、ドメーヌ・アラン・ジャニャール ブルゴーニュのエスカルゴにはやはりブルゴーニュワイン、それも珍しいロゼです。法律の変更でパス・トゥー・グラン・ロゼは、Cteaux Bourguignon Roseコトー・ブルギニヨン・ロゼに代わりましたので今は無きアペラシオンです。ピノノワールとガメイの混醸です。力強くも柔らかい味わいがエスカルゴやニンニクの風味にマッチします。 イカ墨のリゾットです。上にかかっている金色の粉はボッタルガ。イタリアのサルディニア島産のカラスミです。ボラの卵を塩漬けして乾燥熟成したものですね。黄金のキャビアともいわれていて値段もキロ2万円くらいする高級珍味です。ホタルイカは一匹ずつ目玉と軟骨とクチバシを取ってあります。こうすると格段に食感がよくなるんですね。スペインのハライス・デ・ラ・ベラ産のスモークパプリカとオレガノ、ガーリックオリーヴオイルと少しのシェリーヴィネガーと塩で味付けしてあります。そのままでも温めても美味しい。私の作るイカ墨ソースは見た目真っ黒ですが、90%以上はトマトソース(sauce provennsale)です。スペイン産のスミイカのスミ袋の冷凍品があってそれを使うとこのように真っ黒でイカ墨の旨味がきいたソースができます。イタリアンをやっている後輩が「この味は出せない」と悔しがる私の必殺技の一つです。このリゾットは美味いですよ!Risotte Cepia avec bottarga di muggine et calmar HOTARUイカ墨のリゾット、サルディニア島産ボッタルガとホタルイカ添えに合わせるワインSoave Classico 2015 Corte del Soleソアーヴェ・クラシコ、コルテ・デル・ソル イカ墨リゾットには、王道のソアーヴェ・クラシコです。旨味と酸味のバランスがよくイカ墨の旨味やボッタルガの風味、ホタルイカの肝の旨味とパルミジャーノチーズのアミノ酸的旨味などうまく引き受けてくれます。 メインは、桜肉。カナダ産の若馬のリブロースですね。ソース代わりにフォアグラバターをのせてあります。 フォアグラバターはフォアグラをテリーヌに作って柔らかく室温に戻したバターと裏ごしにしたフォアグラテリーヌを同量ずつ混ぜて作ります。せっかくなのでそれをテリーヌ型に入れて固めました。メインの画像を見るとフォアグラバター多いようですが、さっぱりした赤身肉なのでこのくらいたっぷりあったほうが美味いんです。フォアグラバターを肉やジャガイモにのせて食べてください。食べ終わった皿はパンで拭ってください。美味いですよ!Entrecote de Cheval de Canada avec beurre de foie grasカナダ産若馬のリブロースのステーキ、フォアグラバター添えに合わせるワインToscana Campo ai Ciliegi 2008 Boundonnoトスカーナ、カンポ・アイ・チリエジ、ボンドンノ 桜肉とも呼ばれる馬肉のステーキには、カンポ・アイ・チエリジ(桜の木がある畑)という名前のイタリア、トスカーナのワインです。シラー70%、メルロー20%、サンジョベーゼ10%で造られるしっかり目のミディアムボディー。華やかでスパイシーな味わいが、赤身肉と添えたフォアグラバターのコクに良くなじみます。 デザートは、Mousseglacee aux fraises,coulis de framboises Cake aux abricots Pave de chocolat au cointreau イチゴのムースグラッセ、キイチゴのソース、 杏子のケーキ 、コアントローの生チョコ、パヴェです。 ケーキは、パウンド生地に杏子のコンポートの缶詰と杏子のジャムを入れて焼き上げてあります。生チョコはベルギーのカレボー社のショコラにオレンジリキュールのコアントローをたっぷり使ってあります。イチゴのムースグラッセは冷凍したイチゴのムースです。生のイチゴも飾って、木苺のソースを使ってあります。見た目も春らしいでしょ? 合わせるこーひーはもちろんさかもとこーひーの4月5月のコース専用ブレンドです!イチゴや杏子など普通はこーひーには合いにくいのですが、そこはさかもとさんのいつもの超絶ブレンド技術で難しいデザートにもピッタリの味わい。-グアテマラ・ラリベルタッド -グアテマラ・エルインヘルト・ブルボン -コスタリカ・シンリミテスというシングルオリジンの大スターの豪華ブレンドです。特にブルボン!世界一高いコーヒー豆の一つですからね!先日シングルでいただきましたが、コーヒーの中でもビロ-ドのような飲み心地がある数少ない品種ですね。 もちろん、合わせるお酒もありますよ。Mousseglacee aux fraises,coulis de framboisesCake aux abricotsPave de chocolat au cointreauイチゴのムースグラッセ、キイチゴのソース杏子のケーキコアントローの生チョコ・パヴェに合わせるワインCordialor Liqueur,Armagnac,Infusions d’orange Maison Gelasコーディアル・リキュール、アルマニャック、アンフュージョン・ドランジュ(35%アルコール) アルマニャック・ブランデーにオレンジのフレーバーを柔らかく付けてある食後酒です。生チョコに使ったコアントローはコニャックベースのオレンジ・キュラソーですから、相性は間違いなし。また杏子のケーキともイチゴのムースグラッセとも楽しい組み合わせです。ストレートで舐めるようにちびりと飲みながら、デザートに合わせてみてください。 ご予約限定コースです。ホームページからご予約ください。