落雷疾風記 第1章 悪夢(ナイトメア) 続き1
最初はティクルの家に行き、ベルを鳴らした。「はぃ・・・・・・どちらさま・・・・・・?」「クローヴィスです。ティクルかい?すぐ家に来て!待ってるから!じゃっ!」一大事なときにゆっくりしてはいられない!次はオスカーだ。 ベルを鳴らす。「はい。オスカーです。」「クローヴィスです。オスカー、用があるからすぐ家に来て!」「でも、今朝食を・・・」「待ってるから!じゃっ!」たいてい言うことは決まっている。魔の5D(Demo,Douse,Datte,Dakara,Dakedo)のあとは、必ずといっていいほどに否定の言葉がくる。そういう時は無視して話し続けろと父から耳にたこができるほど言われている。続いてシュリー、ベルを鳴らす。「はい、シュリーですが・・・・・・」「クローヴィスです。話があるので、すぐ家に来てほしいのですが・・・・・・」「分かった。すぐ行きます。」「はい。お願いします。」さすがに話し辛かったが、彼女を前にすると、なぜか敬語になってしまう。まぁいいか。最後にジン。冗談が炸裂しそうで心配だが、とりあえずベルを鳴らそうとした瞬間・・・・・・(ドンッ! パリーン )何かが勢いよく起こった後、何かが割れた。そして勢いよく玄関のドアを開けて父母と問答になっていた。「俺は旅に出なきゃいけないんだよ!これからセルヴォイさんのところに行って、話がしたいんだ!」「あんな男の話を信じているのかい?!ジン。お前は武器屋の跡継ぎになってもらわなくてはいけないのだよ。」これはいけないと思ったので、止めに行こうとしたが・・・・・・「もういい!!」と言って、家から飛び出した。そして、思いっきり僕にぶつかった。「あぁ、クローヴィスか。すまないな。見苦しいところ見せちまって。」「いいや、もういいよ。ところで、僕の家に今すぐ来てほしいんだ!」「あぁ!喜んで行かしてもらうよ!もう俺には居場所がないからな!」こうして僕らは家に戻った。家には、もう全員そろっていた。「よく来た、ジン。お前を私は心から待っていたぞ!」と父が言うと、2階からヴァンスが降りてきて、椅子に座った。「皆さんそろいましたね。ここに皆さんを呼び寄せたのには、理由があります。あなたたちは、これから旅に出なくてはなりません。なぜかというと・・・・・・」皆の目線が、すべてヴァンスのところに合わせられた。「皆さんは、『ナイトメア』という名の者をご存知ですか?」皆はそろってうなずいた。「そのナイトメアが、復活したのです。つまり、ナイトメアを封印するか、倒すかのどちらかを行わなければなりません世界に一つしかない、このレヴェナーンを守るために。そうでしょう、セルヴォイさん。」「あぁ、そうなのだよ。この集落にはライトエルフ、ラレス、ロリヤック、ニクス、そしてニクセというすべての血統種族達が集まったところだ。まぁ、邪悪なもの以外はな。しかし、今言ったように、この世には邪悪なローレライ、デーモン、ディブク、デュアガー、そしてドモヴォイという血統種族もいるのだ。」「そう、そして今、ナイトメアが復活してしまったため、邪悪な血統種族達の活動が活発になる。」ティクルが、少し心配そうな顔になって、「つまり、もう一度封印さえすれば、私達は大丈夫ってこと?」「そういうことだ。しかし話は変わるが、なぜ君達を集めたと思う?」 その言葉を耳にしたとき緊張が走ったが、シュリーが少し口を挿んだ。「ナイトメアに襲われる夢を見たとすれば、その人たちはナイトメアに襲われる可能性がありますよね。つまり、ここにいる人達はナイトメアと何等かの関係があるからですか?」なかなか自分の意見を言えず、今まで身震いまでしていたが、今は少し落ち着いているようだ。「まさしくその通りです。つまり貴方達なら、何かナイトメアの弱点か何かを知ることができそうなのです。」「だから、旅に出ろと言うのですね。」僕が答えると、ヴァンスとセルヴォイがうなずいた。「しかし無理矢理行けとは言いません。もしかしたら死んでしまう可能性もあるので。」一瞬ゾッとした。まだまだこれから人生を歩むという年頃なのに、死ぬ可能性まであるという旅に出ろなど、もっての他だ。「この集落が滅びてもいいのであれば、行かなくても結構です。」「・・・・・・。」「俺は行くぞ。」ジンは立ち上がり、セルヴォイのほうを向いた。「自分が死のうと死なまいと、俺の勝手だろ。」「僕も行きます。」オスカーも立ち上がり、ジンの隣へと行った。「私達も行きます!」ティクルとシュリーも立った。「父さん、ごめん。僕も行く。」少し自信はないが、立ち上がる。「なら私も・・・」といって、ヴァンスも立った。途端に、ドアが勢いよく開いて、「みんな!僕達も忘れてもらっちゃあやだなぁ。」と、ニコニコしながらパウラーとレベッカが言った。「6人で行くより、なるべく大勢のほうがいいと思ったからね!」ナンシーとカリナが前へ出た。「やはり旅には音楽が必要でしょう。疲れを癒してくれますよ。」ロリヤックのウィルもいて、とても心強そうな仲間達が集まった。「これは皆さん。なぜここにいることがわかったのですか?」セルヴォイが尋ねると、ジンが皆の前へ出て、「昨日渡せなかった物があるのでね。それを渡すなら、皆そろったほうがいいと思って皆を呼び寄せたのだ。クローヴィス、僕達からの少し遅くなってしまったが、誕生日プレゼントだ。受け取っておくれ。」言い終わった後、ナンシーが少し長い物を取り出し、僕に手渡してくれた。「ありがとう!開けてもいいかい?」「えぇ。後の管理は任せるわ!」と言ってくれたので開けてみた、すると・・・・・・