塩素とアトピー
私たちが毎日使っている水道水には「塩素」と呼ばれる殺菌のために入っています。日本の水道水は、浄水場で沈砂池―沈殿池―ろ過池―浄水池と進み、塩素消毒をされます。この「塩素消毒」が実は厄介なものなのです。日本の水道法では、各家庭の蛇口における「塩素濃度」は、0,1ppm以上と決まっています。世界でもこれは例を見ない基準で、下限があって上限がない基準となっています。ちなみに、世界を見ていきますと、スイスでは、0,1ppm以下、フランスは0、ドイツは使用禁止です。アメリカ軍が今、イラクに派兵されていますが、野戦基準が0,4ppmに設定されています。大阪などは、0,7~1ppmの大量の塩素が使われている時がしばしばあります。この量ですと、ビタミンB群が破壊され、皮膚がツッパルような感じがするのは無理がありません。皮膚が「塩素」によって壊されているのです。ですから、アトピーなどの皮膚疾患のある方は、「塩素」には注意が必要です。どんな注意が必要かと言いますと、飲み水だけではなく、「お風呂」と「シャワー」の方が問題だと思っています。水道の蛇口には今どこの家庭でも浄水器が普及してきていますが、「お風呂」「シャワー」となると対策が講じられてない気がします。「お風呂」や「シャワー」は「塩素」が入っている水道水です。アトピーなどの皮膚炎の方は、「一番風呂」は避けて頂いた方がいいと思います。「一番風呂」は残留塩素があり、昔から「お年よりは一番風呂はよくない」と言われた理由のひとつがここにあります。まして「シャワー」は塩素の毒をかぶっているようなものです。「経皮毒」と言う考え方があって、腕の内側を1とすると、頭皮からは3~4倍「塩素」の毒が入ることになり、結果として皮膚の異常として表われてきます。ピッツバーグ大学院教授のジュリアン・アンデルマン氏によると、「15分間のシャワーと入浴の間に呼吸によって吸収される揮発性汚染物質は、1リットルの水道水を飲んだときに摂取される量と同じだった」とあります。あと、「シャワー」は体を冷やします。冷えは血行不良を招き、酸素を細胞に供給することが出来ず、皮膚の新陳代謝を悪くします。どうしても、「一番風呂」に入るしかない時は、「塩素」はビタミンCと反応しますので、お風呂に入る前に、檸檬を輪切りにして2~3枚浮べてから入ることをお勧めします。そして「シャワー」は、残念ながら「塩素」を除去する装置、シャワーの頭の部分を交換し、「塩素」を取ってくれるものが市販でありますので、そういったものを付ける他ないのではと思います。欠点は、「塩素」を除去するフィルターが消耗品で、数ヶ月しもたないものがほとんどです。ですから、なるべく「シャワー」を使わず、お風呂にしっかりと入って、温まることが大切です。昭和30年代からおそらく「アトピー」と言う名前が出てきました。戦前にはなかった医学用語ですので、それ以前にあったかどうかは分かりませんが、「塩素」を水道水に使い出した戦後に「アトピー性皮膚炎」なる言葉が使われたのも意味がある気がします。「塩素」は殺菌のために使われます。と言うことは、私たちの腸に棲んでいる微生物にも少なからず、影響を及ぼすと考えられます。「水道水」を飲み、「お風呂」に入り、「シャワー」を浴びることが「アトピー」の原因の一つであれば恐いことです。