窮地のサムスンが次の一手を早めたために、日本企業が苦境に陥るのでは…
■「Galaxy Note 7」でやらかしたサムスンが、大型買収をまとめましたね。ちなみに「Galaxy Note 7」というのは、サムスンの新型主力スマホのことです。こちらが、置いてあるだけで発火するというクレームを頻発させ、250万台のリコールを余儀なくされました。ただでさえスマホ市場の鈍化とシェア低下に直面していた折、サムスンの北米でのブランド力は地獄の底まで叩き落された具合です。これは長引くぞーと言っていたところで、この大型買収のニュースですから、機先を制すかっこうになったのか好意的にとらえられています。■今回、サムスンはハーマンインターナショナルインダストリーズというメーカーを80億ドル(約8,636億円)で買収すると発表しました。ハーマンというのは、音響設備を中心に自動車部品を扱う会社です。近年、部品会社を買収し勢いのある会社で、いわゆるコネクテッドカー(自動運転車の前世代)の主力企業の一つになると考えられています。コネクテッドカーや自動運転車は、明らかに成長分野です。サムスンは、いい会社を買収したということです。■自動運転車といえば、アップルやグーグルも手掛けていますが、サムスンの場合は、最終製品を作るのではなく、あくまで部品供給者の立場でビジネス展開しようということらしい。だから、競合となるのは、パナソニックやパイオニアなどの日本企業が多い。ここでも、日本の電機メーカーの前にサムスンが立ちはだかるわけですな。「またサムスンか!」って言ってますよね、きっと。■サムスンがスマホでやらかしたのには、生産や品質に関する技術軽視があったのではないかと考えられています。今回は、アップルのアイフォン7が出るのにあわせようとするあまり、無理な機能をいれてしまったのだとか。これは極端な例ですが、それでも以前から、表面的な機能や品質だけを整えて、あとは販売力で売ってしまうので、長い時間を経た耐久性に難があると言われていました。特に日本製と比較した場合、5年後以降の性能に差が出るのだと。そういう面にはこりごりでしょうから、今回の大型買収は、まじめに技術に向き合おうという姿勢もあるのでしょう。だとすれば良いことです。しかし、企業文化を変えるのは難しいことですから、ハーマンとサムスンがうまく融合していけるのかは未知数ですけどね。ともかく、日本の部品メーカーがまた駆逐されないように頑張っていただきたいと願っております。【楽天ブックスならいつでも送料無料】「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語 [ 駒井俊雄 ]■株式会社クリエート・バリュー★経営者向けセミナー「ほんの小さな会社が世界トップ企業になる方法」11月19日(土)★大阪で毎月1回開催「戦略勉強会」★営業を会社の強みにする「営業コンサルティング」