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テーマ:映画館で観た映画(8566)
カテゴリ:洋画(わ行)
原題:Never Let Me Go 監督:マーク・ロマネク 原作/製作総指揮:カズオ・イシグロ 出演:キャリー・マリガン アンドリュー・ガーフィールド キーラ・ナイトレイ シャーロット・ランプリング 映画『わたしを離さないで』 公式サイトはこちら。 (2011年春 日本公開) 第23回東京国際映画祭『わたしを離さないで』ページはこちら。 <Story> キャシー(キャリー・マリガン)、ルース(キーラ・ナイトレイ)、トミー(アンドリュー・ガーフィールド)の3人は、小さい頃からずっと一緒だった。 田園地帯にひっそりと佇む寄宿学校ヘールシャムで絵や詩の創作に励んだ日々。 しかし外界から完全に隔絶されたこの施設には幾つもの謎があり、キャシーたちは普通の人たちとは違う〈特別な存在〉としてこの世に生を受けたのだった。 18歳の時にヘールシャムを出た3人は、農場のコテージで共同生活を始める。 恋人同士となったルースとトミーを、複雑な思いで見つめるキャシー。 コテージを巣立って離ればなれになった彼女たちは、それぞれに定められた過酷な運命をまっとうしようと懸命に生きていく。 やがて訪れた再会の時、かけがえのない絆を確かめ合った3人に残された時間はあまりにも短かった……。 (TIFF公式サイトより) <感想> コンペ部門で一足遅く上映が発表になった本作。 キャリー・マリガン、キーラ・ナイトレイだってー! しかもカズオ・イシグロ原作。 この布陣ですので、観ない訳にはいきません。 なのでキッチリ押さえたく、これはプレリザーブかけました。 今回のプレは4本かけて1勝3敗(OP/CSは全敗)、その貴重な1勝がこれでした。 あらかじめ原作を読んでおきました。 結構長い。 正直、何の前情報もなくこの映画を鑑賞する方にとっては、 いきなりこの世界を目の前に提示された場合、全く受け付けないというケースは ありそうです。 もしも受け付けられなかった場合、この映画そのものをそれ以上鑑賞し続ける意欲がなくなる可能性があることを書いておきます。 そのくらい、この原作のワールドは奇怪と言ってもいいでしょう。 もしもこの状況が一般的であったならば、世界的に物議を醸し出す・・・ というか、 非難されるべきでしょうけど、それが何の問題もないように描かれていること自体が 問題かもしれません。 ・・・と、訳が分からない言葉でしか書けないというか、 本作、ネタばれは厳禁ですよね。 動画はあるんですが、日本語訳がついているものはほとんどネタばれしてますので、 英語版を。 設定の異常さにも関わらず、物語は淡々と、むしろファンタジックにすら思えるテイストで 進んでいきます。 キーラ主演の文芸映画のようです。 そして、この状況に反発することも、抗議することもなく、 自分の置かれた状況を受け入れていく人々。 どうして? と言いたくても、ヘールシャム時代からの一種の習慣として植えつけられている彼らにとっては、 それが自然なんですね。 悲しいことですが。 むしろ、この状況は問題ではなく、 その中で彼らがどう生きたか、どんな風に心境を語るのか。 そのことの方が重要なんだと感じました。 「魂はどんなものなのか」ということよりも、 「果たしてそこに魂はあったのか」としか評価されない彼らにとっては、 最後の拠り所となるものが、「わたしを離さないで」ということだったのではないでしょうか。 冒頭の説明文、ルーシーが生徒に説明する場面、最後のキャシーの独白などは、 この映画をわかりやすくする手引きとなっています。 全体として原作に忠実で、カズオ・イシグロの世界を十分に表現しています。 キャストもよかった。 キャリー・マリガンの抑えた演技。 彼女の子役が恐ろしく似ているのには驚きます。 キーラ演じるルースは、原作ではもっと嫌味な感じに思えたので、もう少し意地悪でも よかったかも。 アンドリュー・ガーフィールドは、私の描いていたトミーのイメージとはちょっと違ったけど、 このトミーもまたよかったです。 弱々しく微笑むところなどは、ちょっと哀しいくらい。 今日の評価 : ★★★★★ 5/5点 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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