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テーマ:本のある暮らし(3318)
カテゴリ:読書
ひさしぶりに 面白い本を読みました!と言える本でした。 大野更紗著「困っているひと」です。 面白い本――というのは、ちょっと語弊があるかもしれない。ご本人の難病発症とその病と闘う中での困難を書きつづられたノンフィクションだからです。 この大野さんは福島県ののどかな田舎町で育ち、東京の上智大学フランス語学科に入学。 学部在学中にビルマ(ミャンマー)難民に出会い
私も親や家族の発病と入院闘病 それに伴う看病の時期がけっこうありました。 いえね、親は年を取るしそれに伴い、老いた親の世話や看病なんかは 大抵人生にもれなくくっついてきます。 でね、普通に生活している時間から 看病で病院に通う生活になると、そのとたんに世界がガラッと一瞬にして変化する。
この大野さんの難病は本当に珍しく難しい病気で 病名が診断されるまで、あちこちの病院を渡り歩き その期間1年間! やっと病気が診断され、治療してくれる病院にたどり着くも その先に待っていたあれこれの苦難。 自分の経験した困難を きわめて冷静に分析的に しかもユーモアをもって表現しておられます。 この世の地獄とは、見ると体感するとでは、大違いであった。
この本は おととし2011年に出て 話題にもなったし、たくさん読まれた本のようです。 彼女は幾多の困難の中で 何度も挫折するし 人との難儀も経験するし、自殺願望におちいるし、でもきれいな恋愛にも出会うし、最後には生きることへの大肯定へと突き進む。 まあ、すばらしいです。 ぜひ一度お読みください。
ひとりの人間が、たった一日を生きることが、これほど大変なことか!
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最終更新日
2013年04月28日 12時40分52秒
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