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席亭の囲碁日記

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2009/04/11
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テーマ:囲碁全般(743)
カテゴリ:【碁】プロ棋戦
 基本的には普及活動の問題で、とにかくもっともっと普及させなければならない。特にこどもと女性に対するアプローチに力を入れるべき。
 また日本棋院の普及活動の重要課題は、普及活動そのものよりも、普及活動を支える人材の育成にもっと注目し力を注ぐべき。(教える人を育てるのが棋院の仕事)旧来の支部活動の世話役や学校の囲碁部顧問などは高齢化が進んでおり、既に壊滅状態のところもある。比較的状況のよいところでも10年も持たないところがほとんどというのが私見。このままでは大都市圏でしか組織的継続的普及活動ができなくなるのではと懸念している。


 プロ棋士に関して問題なのは2点。
1)国内棋戦は長い伝統と世界最高峰の賞金を誇るが、そのトップを争う日本(所属)棋士は世界戦ではあまり活躍できず、その権威は疑わざるを得ない。世界戦での勝ち星ランキング(中韓棋士ばかり)と、世界賞金ランキング(上位のほとんどは日本棋士)との間にはねじれが生じており、それをどう説明するのか、あるいは解消してゆくのか?
2)一度入段すればトーナメントプロとして引退を強要されることがないため、長年大幅な負け越しを続けているような棋士も存在する。負けても一定の手合料は入ることから、もはや勝つ意欲もないのに収入のために参加しているのではと疑いたくなるような事例もある。勝利を目指して腕を磨き、ファンを楽しませるような碁を打つことがトーナメントプロの使命であるとするならば、このような状態は健全ではない。

 1は深刻で、どう解決してゆくかは大問題だと思う。
 もはやファンも世界戦重視で、日本棋士よりも李昌鎬や李世ドル、古力など世界のトップ棋士に憧れや尊敬の念を抱いている人も多いのではないだろうか。最近入段した某若手プロは張栩と井山をのぞき国内棋士の棋譜は一切並べないそうだ。曰く弱い棋士の棋譜を並べても仕方がない、と。これは極端な例だが、国際棋戦での日本トップ棋士の負けっぷりを見れば、憧れることができないといわれても仕方がないものがあるのものがある。最近いろいろなところで見る、「国内棋戦を海外棋士にオープンにしろ」という議論はここから出てくるのだろう。
 しかし、二日制七番勝負は、日本の伝統や文化に根付いたものであるのである。最高の宿、最高の温泉、最高の料理に最高の景色。一般の人間が味わうことのできないような最高の空間が準備されそこで対局を行うというのは、棋士と棋譜たいする尊敬の念を抱いた日本独自の文化である。国際棋戦は良くも悪くも「試合」でしかない。七番勝負はそれ以上のものとして、大げさに言えば歴史的イベントとして演出されている。二日制のタイトル戦は日本人独特な優雅な囲碁の楽しみ方だといえる。
 だから、ただ碁が強いからといって日本の囲碁文化を理解しない外国人に二日制タイトル戦を食い荒らされるのはどうかと思う。外国棋士が参加するにしても、七番勝負の伝統や文化を理解し、それに憧れて参加するというのが好ましい。
 個人的には、「世界戦を複数回優賞経験のある棋士は、日本棋院棋への転籍を認める」というような形でのオープン化がよいのではないかと思っている。(絶対に実現しなさそうだが)日本に在住し、国内タイトル戦を重視のスケージュール(例えば名人戦を戦う棋士は秋開始のLG杯は出られないなど)で過ごすことが条件となる。随分高飛車な態度だが、日本の七番勝負は非常に値打ちのあるものだと信じているので、これくらいのことがあってもよいと思う。敢えて日本に移り住んでまで参加したいとう意気込みがあるのなら、七番勝負を移し核は充分にあると思う。李昌鎬や常コウが日本国内で碁を打つようになれば、日本の棋士も学ぶところは多いはずである。


 2に関しては、トーナメントプロは150名から200名ほどの規模が適正ではないかと思う。人数はともかく、実力じゃない棋士はトーナメントに参加できなくても仕方がない。トーナメントプロとレッスンプロの線を明確にすべきだろう。幾つか思いつくことを箇条書きにすると・・・

・もちろんシード枠(150~200)から漏れた棋士に再挑戦のチャンスは残す。シード枠下位者を含めた入れ替え戦を定期的に行う。入れ替え戦は、棋譜の水準はさほどではないかもしれないが、生々しい勝負の世界の厳しさを見られるのでコンテンツとしては面白く、工業としても成り立つかもしれない。
・新入段の棋士のレベルが常に高いとは限らないので、必用ならば入段10年目までシード権を与えるなどの救済措置は要検討。もちろん院生レベルがあがり、新入段が実力でシードを獲得できるバリバリの実力を持つことが理想。
・もしくは上記入れ替え戦を勝ち抜くことを入段条件にしてしまうのも一法。シード権を取れるから入段というのはわかりやすい。実力者が揃っているときは多く入段させられるという利点もある。
・参加棋士をしぼることで、賞金の高額化などが行われることになるだろうが、すべての余剰金を賞金に振り分けるのではなく幾分かは契約金として棋院本体に入れる。それらの資金でレッスンの仕事を用意してシード落ちの棋士にも一定の収入は約束されるようなシステムを作ることが必須。シード落ちした瞬間路頭に迷うというのでは棋士という職業そのものが魅力がなくなってしまうので最低限度の保障は必要だろう。





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最終更新日  2009/04/12 12:54:32 AM
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