日本語能力
5歳の娘が幼稚園に行くようになって、約10日どんどん新しい語彙(ポルトガル語)が増え、友達から聞くのであろう、ブラジルっ子な言い回しを、感情たっぷり、ジェスチャーつきでやってみせる。 それはほほえましいが、反面、日本語はあまり使わなくなってきている。私が日本語で言っても、ポル語で返ってくるので、わざと、「え、なに?日本語じゃないとママィには良く分からないなー」と言ってみる。 すると、 「あのねー、うーんと、CAVALO(馬)って、日本語でなんていうのー?」(そのとき、ちょうど、幼稚園で見た子馬のアニメのストーリーを話していた。) 「うまだよ」 「あ、そう、あの、うまがねー、こうして、ぴょーんって、跳んだの、ふたつの(二頭のこと)、ひとつは白い、もうひとつは、あのー、ポルタ(ドア)の色、なんていうの?」 「茶色いやつ?」 「うん、茶色いのが、それで、ヒヒーんっていって、逃げていったの。」 と、なんだかたどたどしい日本語になってしまう。本人も、使いにくいようだ。日本語で言うときは、もどかしそうに少し考えてから、一生懸命文を作ろうとするが、結局、「うまが、行ったの、外に、」という風になって、「うまは外に行ったの?」と聞きなおしてみる。 たまに’日本のおばあちゃんちごっこ’というものになることがある。私が、実家の母役になったり、妹の役になったりして、「良く来たねー、」だの、「ちょっと、買い物に行ってこようか?」だの、そっくりに口真似をしながらやる。 次第に私まで調子に乗って、実家の愛犬バーディや、そのバーディをしかる父まで登場させて、父の声そっくりに「バーディ、いけない! ハウスッ!!」とやると、娘も喜んで、「バーディー、だめでしょ!ハウス、ハウス」と、日本語で’ごっこ’に入ってくるが、途中、次の話の展開を提案するときは、ポル語になってしまう。 「mae, pensa que voce estava tomando banho!」「ママ、お風呂に入ってたふりしてね!」 という風に。(このpensaの使い方もおかしいような気もするが、、) やはり、私一人と日本語で会話を続けるのにも、限界がある。これで、下の子が日本語で会話に加わるようになれば、また変わってくるのかもしれないが、下の子ともポル語で話していることが多い。だんなの日本語は怪しいし、我が家での日本語教育は難しくなってきている。 (だんなは日本語を話すが、シンプルなしゃべり言葉で、たとえば日本人に話すように、「そんな可能性はないでしょ」と言うと、もう、可能性の意味が分からなくて、結局、もっと簡単な日本語に置き換えるか、ポル語で言ってしまうことになる)