センター試験/「まじめの崩壊」by和田秀樹
今日と明日はセンター試験。3年前は雪だったのをすっかり忘れている。この時受けた本人はただいま合宿中(らしい)。本日の読書まじめの崩壊1980年代のなかばごろからな~んとなく感じていた日本の社会に関する違和感、これを和田秀樹さんが、わかりやすい章立てで語ってくれている。そうそう!とページをめくるたびに納得しながら読んだ。ある時期から日本人の気質が変化し、まじめでない人間が増えたという。1960年代後半から1970年代生まれが育った時代、教育現場での競争の排除、テレビの影響などが原因だと考えられるという。和田さんはそもそも日本人が「まじめ批判」をするようになったのは、団塊の世代が過ごした、反権力、反権威主義的な考え方が影響力を持った時代、また受験戦争批判、働きすぎはかっこ悪いとする風潮、などなどに始まっているのではとしている。子供の学力の低下、国際競争力の低下、メディアリテラシーの低下、拝金主義、高齢化社会の問題、医療現場の問題、年金など社会制度の問題、治安の問題。。「まじめ崩壊」はさまざまな分野で暗い影を落としている。和田さんが言うように、かつての日本は、それでもまじめな人が大多数を占めていたので、多少のまじめさへの揶揄は悪いことではなかったが、今は「まじめの崩壊」が起こっているのにも関わらず、まじめが揶揄される。マスコミがおバカな番組を垂れ流し続けたりするなどとんでもないことだ。和田さんは処方箋の一つとして、フィンランドの例を挙げている。フィンランドではテレビは討論番組、ニュース、ドキュメンタリーが人気で、親子でこれらを見て、話し合うことで、自分の考えを持ち、知的レベルも上がるという。中学生・高校生でも読めそうな内容なので、ぜひ中高生・大学生やその親たちにも読んで欲しい。【追記】昨今の極端な温暖化懐疑論や反原発運動に踊らされるのは、和田さんの言う最近増えた「シゾフレ人間」ではなかろうか。和田さん曰く、ある問題に関してマスコミが極端な意見を取り上げると、「シゾフレ人間」が過剰反応を起こし、それを更にマスコミが取り上げる・・・というサイクルに陥りやすいのだそうだ。いずれにしてもメディアリテラシー、教育の問題は根が深いですな。