呪怨・呪怨2(Vシネマ版)
akiさんに勧められて昼休みにメシ食いながら見ることになった呪怨シリーズ。まずはVシネマ版からと言う事で、2日かけて見終えた。本来ならここでストーリーを紹介するのだが、この作品には主題もストーリーも殆ど無い。この世に強い怨みを持って死んだ佐伯伽椰子が係わり合いをもつ人間に次々と呪いを伝播させていく、オムニバスストーリーだ。そのオムニバスの映像も、1話毎に「怖いシーン」みたいなのがあって、それを見せたいがためにストーリーを無理やり組み立てた感じで、必然性が無い。怖がらせ方も、マンネリと言うかお約束と言うか、「あ~この辺から急に出て来そう」とか「あ~後ろのドア『ギィ~』とか言って勝手に開きそう」とか、思ったとおりの展開で「あ~やっぱり~」と思いつつ「ビクッ」となってしまう。遊園地のお化け屋敷のような、怖がる事、怖がらせる事のみに特化した、ある意味潔いDVDだと言える。それと、初期のVシネ作品だけあって、作り自体はものすごくチープ。お約束の展開と相まって、本来怖いはずのシーンでも思わず笑いがこみ上げてくるほどだ。例えて言えば「8時だよ!全員集合!」のお化けコントみたいな・・・志村~後ろ後ろ~みたいなでもまぁ単純にお化け屋敷程度の怖さが体験したい、楽しみたい人にはオススメのDVDではないかと思った。しかし、怖さにのめり込めない、日本の恐怖映画として許せない所が一点。恐怖の対象である伽椰子とか俊雄とかが、チープすぎて肉感的過ぎるのだ。日本の恐怖映画の怖さの源は、精神的な恐怖にあると思うのだが、呪怨シリーズの場合、物理的にそこに存在しちゃうのだ。ハリウッドのホラー映画みたいに。しかも、伽椰子とか俊雄は、ジェイソンみたいにものすごい怪力や攻撃力、無敵の肉体を持っているわけでもなく、エミリーのように超能力的な特殊能力を持っている訳でもないので、何か伽椰子に襲われても金属バット1本持ってれば勝てそうな気がしてしまう。逆にそこが今までの日本製恐怖映画に無い魅力として評価されたのかもしれないが、それだったらもっとリアルな怖さを出して欲しかった感じ。その辺は来週見る予定の呪怨・呪怨2(劇場版)に期待したい。のりピーも出るしね。本日のBGM:「メランコリニスタ」YUKI 2005年