グシャグシャ

[レビュー（書籍）] カテゴリの記事

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  「分身」 東野 圭吾

  二人の女性がそれぞれ自分にそっくりな相手がいる事を知り、それぞれ別々に出生の秘密を探る。二人それぞれのシーンが交互に描かれていて、物語が並行して進んでいきます。ただ、「分身」という題からもテーマについてはわかってしまうため、半分くらい読むとなんとなくラストが想像できてしまいます。ラストシーンは長くひっぱられていなかったので良かったです。おすすめする方　：レモン好きな方おすすめしない方：自分を憎んでいる方５段階評価：★★

  2007/12/05

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  「4TEEN 」 石田 衣良

  中学二年生の多感な４人組が　その年代の視線でまだ見ぬ大人の世界を覗く物語。八つの短編集です。金持ちだけど難病にかかっていて長く生きる事ができない少年や親を亡くしてから親の気持ちに気がつく少年、ある夫婦のＤＶに立ち入る少年、過食と拒食で苦しむ少女を支援する少年。大人への階段を一歩ずつ上って行く姿が新鮮です。もうとっくの昔に忘れ去っているかもしれませんが、たぶん・・・いや　絶対に自分達大人は彼らの延長線上にいるはず。地味ですが少年達が消え行く命に真正面から取り組んだ「大華火の夜に」が良かったですおすすめする方　：１５歳の頃の自分が何を考えていたか思い出せない方おすすめしない方：１４歳以下の方５段階評価：★★★★

  2007/12/04

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  「BG、あるいは死せるカイニス」 石持 浅海

  生まれた時は女性で子供を出産した後に一部の人間が男性化する不思議な世界。そんな世界のある高校での連続殺人事件。その背景には人工的な「ＢＧ」（優秀な男性化）が絡んでいた。女性しか生まれないという設定ですので　事件は女子高が舞台ですのでおやぢ世代には少し読みにくいです。（汗）作品の雰囲気は恩田さんっぽく感じました。また優秀な女性のみが男性化できて、女性はそれに憧れていて、レイプは女性が男性に対して行う・・・といった設定は女性には少し不愉快かもしれません。ただし、特異な世界ゆえの犯行動機や計算されつくしたセリフなど、よく練られた良質のミステリとして楽しむ事が出来ます。どうでもいいような事ですが「男性は４人に１人で、１人の男性が２・３人の妻に通っている」という設定ですが・・・例えば結婚＆出産平均年齢が２５歳で平均寿命が７５歳としても出産後しか男性化しないのであれば　計算があわないような気がします。おすすめする方　：男性化したい女性な方おすすめしない方：男性が女性より優秀だというのは受け入れられない方５段階評価：★★★★

  2007/12/01

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  「深追い」 横山 秀夫

  表題作を含め警察を題材にした７編の短編集。「深追い」　好意を持っていた女性の主人が亡くなった事を知った警官が心配で通うが・・・。「又聞き」　子供の頃　大学生の命と引き換えに命を助けられた主人公がその時の真相を探る。「引き継ぎ」父が追いかけていた一人の伝説的な泥棒と出合った刑事の物語。「訳あり」　キャリアの汚点を始末するために動いた警官が得たものは・・・。「締め出し」少年係の警官がある殺人の犯人が過去に自分と関わりのある相手だと知る。「仕返し」　警官３名がホームレスの病死に関与した事を知った一人の警官と子供の物語。「人ごと」　会計課担当が相続問題で揉めた一人の独居老人の心を読み取る。どれも心理描写が細かく、心に残る物語でした。同じ作者の「半落ち」が短編になったような作品集です。当たり前の話ですが警察も一人の人間であり　弱さ・狡さ・欲を持っており、それらが丁寧に描かれています。おすすめする方　：心の奥底を描いた作品が好きな方おすすめしない方：警察に後ろめたさを感じる方５段階評価：★★★★★

  2007/11/29

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  「眩暈」 島田 荘司

  一人の男が書き残したとても現実の事と思えない日記。殺害された男女の上半身と下半身を組み合わせて両性具有を造ったとか核戦争後のような日常を迎えたとか・・・その謎を御手洗が解き明かす御手洗潔シリーズ作品。７００ページ弱の長編。精神錯乱状態で書いたと思われる日記を解き明かしていくわけだが、かなり無理がある感じがします。建物のトリックについては綾辻氏が書いた同様の作品を読んでいたため　特に驚きも無かったですが・・・その確認があまりにも強引な事に驚きました。作品も長いですが解説も長いです。おすすめする方　：くどい作品が好きな方おすすめしない方：ミステリ好きな方５段階評価：★★

  2007/11/28

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  「本所深川ふしぎ草紙」 宮部 みゆき

  深川本所の七不思議をテーマににした７つの作品からなる時代小説。 なんとなく安心して読める本です。今回は超能力でもなく　難解なミステリでもなく、事件は起こるのだが最後にはほのぼのする作品が多い。おすすめする方　：時代劇が苦手な方おすすめしない方：ほのぼのしたくない方５段階評価：★★★

  2007/11/25

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  「クワイエットルームにようこそ」 松尾 スズキ

  別れ話の後にアルコールと薬の過剰摂取で精神科病棟に担ぎ込まれた主人公が　そこで体験する異常な入院生活の物語。内容は精神科病棟がどんな場所かを多くの人が想像するような感じで　目新しい事はありません。舞台が精神科なのでなんとなく奥田英朗氏の「町長選挙」や「イン・ザ・プール」に出てくる伊良部先生（映画「イン・ザ・プール」はこの本の作者　松尾スズキ主演）が出てくるような気がしますが出てきません。クワイエットルームは他人に迷惑をかける人が隔離される部屋で、隔離されている姿はレクター博士のようなイメージだそうです。余談ですがレクター博士のフェイスマスクは皮製だと思っていましたが樹脂製だと最近知りました。この作品は芥川賞候補になったそうです・・・うーん　それはちょっと違和感あり。もちろん内田有紀主演で映画化されている事は知っていたので、どうしてもそのイメージで読んでしまいました。内容の良し悪しよりも映画で内田有紀が原作にどこまで迫る事ができているかが楽しみです。おすすめする方　：いつかは精神科の閉鎖病棟へ行くだろうって方おすすめしない方：想像力豊かな方５段階評価：★★

  2007/11/21

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  「予知夢」 東野 圭吾

  物理学科助教授　湯川が怪現象を伴った殺人事件を解き明かす「探偵ガリレオ」シリーズ第二弾。「夢想る（ゆめみる）」、「霊視る（みえる）」、「騒霊ぐ（さわぐ）」、「絞殺る（しめる）」、「予知る（しる）」の五つの短編。子供の頃から結婚相手として予言していた名前をもつ相手と出合う事で事件が起こる「夢想る（ゆめみる）」、彼女が殺された頃に彼女の霊を見てしまった「霊視る（みえる）」、ある事をきっかけに家がポルターガイストのように揺れる「騒霊ぐ（さわぐ）」、殺人事件の被害者の関係者全てに怪しいアリバイのある「絞殺る（しめる）」、同じ女性の自殺を二度観てしまう「予知る（しる）」・・・どれも少しオカルトっぽいミステリーです。実は「夢想る（ゆめみる）」と「騒霊ぐ（さわぐ）」については既にドラマで観ていました。１時間ドラマの所為か　原作より念入りに作られているようでドラマの方が良いです。そう考えれば原作はもう少し長めにしてじっくり書いて欲しいような気がします。おすすめする方　：結婚して後悔した人より結婚しなかった事に後悔した人の方が少ないと思う方おすすめしない方：予知夢を観た事がある方５段階評価：★★★

  2007/11/20

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  「袋小路の男」 絲山 秋子

  何年も想い続けながらも、ずっと平行線で良い関係を続ける男女を描く表題作。その表題作を二人称にした「小田切孝の言い分」と姪と手紙のやりとりをする男を描く「アーリオ　オーリオ」の３編。恋愛でもなく　友情でもなく不思議な男女関係を描いた表題作は川端康成文学賞をとったらしい。「小田切孝の言い分」とセットならそれもありな気がします。人間同士なんだから　二人の関係を何かの型にはめる必要は無い。個人的にはほのぼのとした姪との心の触れ合いを描いた「アーリオ　オーリオ」が良かったです。宇宙で距離を現す○光年ならぬ、手紙が届くまでの３光日という楽しい時間・・・メールではそんな時間は得られない事を思い出させます。おすすめする方　：不思議な関係の異性がいる方おすすめしない方：ペペロンチーノにチーズかける方５段階評価：★★★★

  2007/11/19

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  「都庁爆破」高嶋 哲夫

  都庁が何者かによって爆破とともに占拠され、家族を人質にとられた元自衛官が知事や政府とともに戦う物語。ハード・シュミレーションだそうです。9・11、サリン、金融不安、日中関係、テロ特措法など現実のネタがてんこ盛りです。また強い都知事や自分の保守しか考えない鈍い政府なども・・・。ただ、話を大きく拡げたわりには基本的なストーリーはシンプルで小さく纏まっています。盛り上がりにもかけて気がついたら読み終えていて、重いテーマの割りに何も残らない。また登場人物の設定もいまいちです。きちんと書けば大作になったと思うので残念。最近「Ｍ８」という地震を扱った作品が文庫化されて本屋に多く並んでいたので気になった作家さんですが・・・これ以外の作品はどうなんでしょうね。おすすめする方　：東京在住もしくは勤務以外の方おすすめしない方：テロを計画している方５段階評価：★★

  2007/11/18

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  「極大射程」スティーヴン ハンター

  ベトナム戦争で数々の功績をあげながら、撃たれた事によって引退した元スナイパーに正義の名を語った仕事を依頼される。それが罠と知らずに仕事を受け、陰謀に巻き込まれてしまう。ちょっとしたミステリーにもなっており、長い物語だがすぐに読み終えてしまいました。クレバーでタフな主人公が極めて魅力的に描かれており、シリーズものなので他のも読んでみたい気にさせられました。既に映画化されているそうですのでそちらも楽しみです。おすすめする方　：銃が嫌いではない方おすすめしない方：盗聴器に痛い目にあった方５段階評価：★★★★

  2007/11/15

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  「夜明けの街で」 東野 圭吾

  親子三人で暮らす主人公が派遣社員と関係を持ってしまうが、彼女が１５年前　人を殺した犯人かもしれないという疑惑を持つ。感想を書きたくないくらい恐ろしい・・・妻帯者にとってあまりに恐ろしい一冊です。（汗）おすすめする方　：赤い糸が見つかった（と勘違いしている）方おすすめしない方：妻帯者な方、もしくは夫を疑っている方５段階評価：★★★

  2007/11/14

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  「元刑務官が明かす死刑のすべて」坂本 敏夫

  元刑務官が実体験をもとに死刑を執行した刑務官の気持ちや刑務官と囚人との癒着、様々な死刑囚の真実などを記した一冊。容易に想像できる事だが刑務官のストレスは凄まじい。執行の日までの死刑囚とのやりとりにも色々な思いを感じ、執行が決まってから執行のその時までの葛藤。特に死刑囚が心から改心している時など「こいつを死刑にするのはやめてくれ！」と心の奥で叫んでいる。この中でやはり死刑制度の存続について語られている。刑務所の容積や費用の問題にも触れられているが、最近１０年で執行されたのは約三十名・・・いくら人数を長期に累積したとしても横領や公費の無駄使いに比べるとその費用はしれたものだと思う。おすすめする方　：死刑賛成な方おすすめしない方：死刑囚な方５段階評価：★★★

  2007/11/13

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  「海の仙人」 絲山 秋子

  経済的に働く必要が無く、海に近い敦賀でのんびり一人暮らしをしている主人公のところへ「ファンタジー」という名前の神が現れる。不思議な物語なはずが妙に現実感があって、自分の生き方や周りの人の大切さを見つめざるを得ない作品。偶然　自分が読んだ作品だけなのかもしれないが、この作者の作品は常に登場人物が様々な土地へ動いている気がします。土地に執着せず、自分らしく生きる事がこの作者のモットーなのかもしれません。主人公がある女性から　結婚して別の土地で住む事を望まれても「自分らしく」生きる選択をする・・・「自分らしく」生きてなければ他人とも生きる事ができないんだよ・・・この作品にはそんなメッセージがこめられている様な気もします。おすすめする方　：敦賀が何県か知ってる方おすすめしない方：「電気が敦賀名物」と言われて納得できない方５段階評価：★★★★

  2007/11/08

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  「町長選挙」 奥田 英朗

  医者らしからぬちょっと変な精神科医　伊良部シリーズ。読売ジャイアンツ元オーナー 渡邉恒雄、ライブドア　元社長ホリエモン、女優 黒木瞳がモデルとなった３作品と離島で繰り広げられる町長選挙のドタバタを描く表題作の計４作品。主人公は相変わらず変な奴だし、看護婦は相変わらず無愛想だし・・・でも常に結果オーライです。ただ、なんとなくネタに困って当時話題となった人を出して書いてみましたという感じで、主人公の患者を巻き込んだ傍若無人ぶりが少なくなった気がします。おすすめする方　：頭を空っぽにしてみたい方おすすめしない方：４０歳を過ぎても無理に若作りしてる方５段階評価：★★

  2007/11/07

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  「水上のパッサカリア 」 海野 碧

  湖畔の小さな借家で女性と住む主人公が、過去に携わっていた「始末屋」（直接　手を汚さない一種の必殺仕事人）という仕事の後始末をするハードボイルドな物語。ミステリー大賞受賞作ですが、導入部はラブストーリーのような感じで途中からハードボイルドになります・・・どこがミステリなんだ？？？という感じ。また、ストーリーは悪くないのですが何故かかなり読みづらかったです。冗長かつ括弧書きの説明が多かったのと物語が進むポイントでいきなり過去の重要ではない情景が入ってきたりして集中を外される事が多かった事が原因かもしれません。おすすめする方　：犬好き方おすすめしない方：ハードボイルド苦手な方５段階評価：★★

  2007/11/06

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  「「少年A」この子を生んで……―父と母悔恨の手記」 「少年A」の父母

  神戸で起こった男児を殺害して生首を中学の校門に置くという恐るべき酒鬼薔薇聖斗事件。当時１４歳だった犯人の両親が少年の過去や事件当時の心境を纏めた一冊。手記は特に目新しいことの無い平凡な内容。犯罪を起こした少年はそれ以前にも日常生活で問題を起こすなど確かに気になる点はあったようだが　それも単なる個性であり、周りで観ている人々は彼が極めて特別だと事件が起こるまで感じていない。どこにでもいるような平凡な家庭で育った少年が起こした犯罪だからこそ恐ろしくもあるし、誰にも「自分や家族とは関係ない」とは言えない。親がもっと責任もって育てるべきだった、親ならもっと子供を理解すべきだった、親の育て方に問題があった・・・等　周りから言うのは簡単だがその立場になってみなければわからない事も多くあるはず。亡くなった子供達やその周りにいた人々にとっては極めて大きな不幸である事は間違いないが、犯人にとっても犯人の親にとっても不幸だったような気がする・・・かといって同情する気にはなれないのだが。解決や妥協のしようの無いこんな事件はあまりにも悲しすぎる。おすすめする方　：親な方おすすめしない方：猫好きな方５段階評価：★★★

  2007/11/02

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  「サウス・バウンド」 奥田 英朗

  過激派だったらしい父母と子供たちがわけあって東京から西表島に移り住む物語。東京の生活と西表島の生活の二部構成。型破りに見える父・クールな母・自由奔放な姉・少し優柔不断な自分・しっかりしている妹。型破りな父は税金を納める事や子供を学校に行かせる事を快く思わないトラブルメーカーで、家族は常に振り回されているのだが、その父に対して家族全員がある意味憧れのような尊敬のような気持ちを心の奥に持っている。父としての役割を果たす事や社会的立場よりも「自信を持って生きている父の姿」こそが家族にとって大切であり、その父を支える母が家族を纏めている。また両親が子供達をそれぞれ一人の人間として尊厳をもって扱う事により子供一人一人の自立を促す・・・簡単な事に思えるが今の日本では数少ない家族の形かもしれない。東京から西表島へ移住する前日に　祖母宅で迷う子供たちに対して電話をかけてきた母が淡々と「あなたたちがどちらを選ぼうとも明日は予定通り飛行機に乗る」と伝える部分が印象深かった。既に映画化されているので必ず観ます。ただたまたま読む前からそのキャストを知ってしまっているのが残念でした。おすすめする方　：汲み取りトイレを知ってる方おすすめしない方：都会に住む環境保護団体な方５段階評価：★★★★

  2007/11/01

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  「探偵ガリレオ」 東野 圭吾

  物理学科助教授　湯川が怪現象を伴った殺人事件を解き明かすシリーズ第一作。 犯人を見つけるよりも警察では解けない怪現象の謎を解くのが主題となるユニークなミステリー作品。でも・・・警察の科学警察研究所で解明できることも多いような気もする。おすすめする方　：福山ファンな方おすすめしない方：柴咲ファンな方５段階評価：★★★

  2007/10/31

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  「憑神」　浅田 次郎

  婿入り先から出戻った主人公が偶然拝んだ祠で貧乏神・疫病神・死神にとり憑かれる物語。前半はコメディタッチでユニークだが、後半は幕末の武士の生き様が主となり、前後半のバランスに違和感を感じるとともにラストへの持っていき方が強引。主人公も前半はせこく、後半は義に熱い・・・キャラが一貫していないように思えた。全て同じスタイルであったならばいい作品になったように思う。おすすめする方　：「壬生義士伝」は重すぎた方おすすめしない方：不幸を他人になする男が嫌いな方５段階評価：★★★

  2007/10/30

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  「ゆれる」 西川 美和

  地元で家業を継ぎ親と共に住む兄と地元を離れてカメラマンとして活躍している弟。性格や生き方が全く異なる二人が母親の法事で久々に再会した時に、幼馴染の女性がつり橋から転落するという事件が起こる。作者が監督として製作した同名映画の小説家。兄弟という切れない絆と自分自身でも気がついていない心の底に潜む尊敬・妬み・羨望・思いやり等が描かれている作品。改めて肉親の意味を考えさせられます。映画の配役を知ってしまっていた・・・と言うより配役を知ってこの映画に興味を持ったのですが・・・ので、読みながら常にその配役が頭にあった事が残念でした。もちろん映画も観ます。おすすめする方　：兄弟姉妹の仲が良くない方おすすめしない方：高所恐怖症な方５段階評価：★★★★

  2007/10/27

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  「死刑、廃止せず」 石川　真介

  再婚しようと考えている女性を交えて小さな息子と三人で食事をしているレストランで息子が殺害されてしまう。犯罪の真実を知り復讐を決意する父の物語。物語の中で死刑の廃止と存続について考えさせられる部分が多いです。被害者の親族が復讐のために加害者となり葛藤するなど、自分が被害者になった場合や加害者になった場合の事も考えさせられます。ただ　人間関係を入り組ませて様々なネタふりを随所にちりばめているにも関わらず、それまでの内容を全て台無しにするようなラストでがっかりしました。おすすめする方　：死刑について考えた事がある方おすすめしない方：死刑反対な方５段階評価：★★

  2007/10/25

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  「×ゲーム」 山田 悠介

  小学校時代に一人の女の子に対して「×ゲーム」といういじめを行っていたメンバーが、久しぶりの同窓会をきっかけに悲惨な事件に遭遇する。内容は上の二行を読んで　だいたいわかると思います。いじめとストーカーは怖いです。おすすめする方　：郵便配達な方おすすめしない方：過去に根暗な女の子をいじめた事がある方５段階評価：★★★

  2007/10/24

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  「鹿男あをによし」 万城目 学

  奈良の女子高に臨時教師として就任した男性教師が、奈良の鹿から使命を与えられる不思議な物語。なんとなく少女漫画にありそうな気がするストーリーでした。脱力系ですが奈良という古都を舞台に神話や歴史を絡めながら謎ときもあり面白いです。おすすめする方　：関西な方おすすめしない方：鹿せんべいを食べた事がある方５段階評価：★★★

  2007/10/23

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  「無音潜航」 池上 司

  日本と韓国で発生した核廃棄物テロ。中国へ親善訪問していた潜水艦「さちしお」が帰国途中にテロになんらかの関係があるとみられる海難救助を行った事から中国と北朝鮮両国からねらわれることになる。潜水艦同士の争いを描いた作品で「沈黙の艦隊」を思いだすような迫力。ただしテロのその後はよくわからないし、登場人物を印象付けるように名前が出るがすぐ死んでしまったりといまいちまとまりが無い。また時間軸もわかりにくく出航してそんなに経っていないと思っていたら　何故かかなり時間が経って乗組員がへとへとになっていたり・・・。ネタとしては良かったがもっと物語を膨らませてほしかった。おすすめする方　：「沈黙の艦隊」ファンな方おすすめしない方：水餃子が嫌いな方５段階評価：★★★

  2007/10/22

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  「最後の命」 中村 文則

  ホームレスたちの強姦殺人を目撃した二人の小学生だが、同じトラウマを持っていても紙一重でまったく違った人生を歩んでしまう。この作者の作品に共通しているのは悪意、人間の心に闇と欲望がある事を当然の事として人間の真の姿を問い掛ける。誰もが主人公である二人の青年のどちらにもなりうる。またこの作品はミステリーの要素も入っており他の作品より少し読みやすいかもしれません。おすすめする方　：心に闇があって当然だろうって方おすすめしない方：自分の心に闇なんてい一切無いって方５段階評価：★★★

  2007/10/19

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  「どろ」 山本 甲士

  些細な事からはじまった市役所職員とペット葬儀屋による隣人同士の争いがやがて互いを破滅へと導いていく物語。読んでいて楽しい本ではありません。人間の浅はかさ、醜さを徹底的に表現した一冊です。でも実際の争いも客観的にみるとこんなものなんでしょう。最後の纏め方が良いです。おすすめする方　：隣人と仲が悪い方おすすめしない方：ハムスターを飼ってる方５段階評価：★★★

  2007/10/17

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  「今ここにいるぼくらは」 川端 裕人

  自然が好きな少年の小学校時代の物語。冒険・いじめ・文化祭・ほのかな恋心・探究心・嫉妬・友情・意地・・・少年時代の全てが綴ってあります。この作品を読むと死生観・無常・妬み・寂しさ・未来への希望など人生における多くの経験は子供時代に全て済ませていて、大人になってから新たな体験っていうのはないことに気がつきます。おすすめする方　：ダダが怖くない方おすすめしない方：宇宙人を信じない方５段階評価：★★★

  2007/10/15

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  「いつかパラソルの下で」 森 絵都

  かつて厳格であった父が亡くなり、思いがけず父の女性問題や生まれやその生き方を三人の兄妹が知る。またそのうちの一人で主人公である娘は、過去に拘った自分の生き方や人に対する考え方を見直していく。人は大なり小なり育った環境や過去の過ちや周りの人間に対して、自分の弱さを押し付けながら生きているが、そういった事や様々な人との繋がりを考え直す気にさせられる作品。少し内容が濃い部分もあって「あれっ？こんな作品を書く人だっけ？」と感じました。これはこれで悪くない・・・いや良い。「親はいつのまにか自分が親ではなくなって、一人の人間となった自分に気がつく」という部分が気に入りました。作者自身がそう感じた事があるのでしょうか。おすすめする方　：親と理解しあえない（かった）方おすすめしない方：イカが嫌いな方５段階評価：★★★★

  2007/10/12

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  「ミーナの行進」小川 洋子

  岡山生まれの少女が１年間預けられた芦屋の親類宅で聡明な少女と出会った時の物語。淡々と語られる長編童話といった感じでしょうか。可愛いイラストが随所に出てくるので電車の中で読んでると非常に恥かしい・・・というよりそもそもおやぢが読む本ではなかった気がします。おすすめする方　：「大古」という苗字が読める方おすすめしない方：コビトカバの糞を踏んだ事がある方５段階評価：★★★

  2007/10/11

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  「ダナエ」 藤原 伊織

  美術界、広告界で生きる男を描いた短編集。画廊で自分の代表作を破壊された画家、親が離婚の危機にあるアシスタントプロデューサー、過去の恋人が苦境に立たされているのを知ったＣＭ製作者を主人公にした三部から成る作品。短編集だがどれも背景が面白く物語にひき付けられると同時に終わってしまう・・・といった感じで少し物足りない長さだった。タイトルの「ダナエ」はギリシャ神話に出てくる父にアルゴス王、息子にペルセウスを持つ女性。おすすめする方　：キレのある男性が好きな方おすすめしない方：親が離婚の危機にある方５段階評価：★★★

  2007/10/09

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  「幽霊人命救助隊」 高野 和明

  時代を超えて自殺した４人が、現代社会で幽霊となって自殺志願者を救っていく物語。タイトルや文体はユーモラスでシンプルですが内容は重いです。借金苦・いじめ・孤独・受験や出世の失敗など様々な悩みから自殺を考える人々やその周りの人に心のメガホンで呼びかけて、弁護士・精神科医に相談する事で簡単に解決できるとか　悩んでいる事がいかに馬鹿らしい事であるとか　家族にとって良いと考え自殺しても実は余計に家族に迷惑をかけるとか　周りと少しコミュニケーションとる事で心が軽くなるとか・・・色々な解決策を提案して救っていく。筆者は無意味なプライドと自尊心を持たない事が自分自身を生きにくくしており、自殺志願者の多くが鬱病によるものだと考えているように思えるがあながち外れてはいないのではないか。また物語で人を救っていく提案は筆者による自殺志願者への提案でもある。おすすめする方　：少しでも自殺を考えた事がある方おすすめしない方：幽霊になってしまった方５段階評価：★★★★

  2007/10/07

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  「木洩れ日に泳ぐ魚」 恩田 陸

  過去 恋愛感情のあった二人が、二人で旅行した際の記憶を探りながら一人の男の死の原因と自分達の内面を描く作品。ミステリーでよくある手法ですが　登場人物の関係がユニーク。緊迫感があります。まるで芝居を観ている様な作品なのでどういった役者さんが合うか読みながら考えてしまう・・・そんな作品です。実は竹内結子＆中村獅童の配役で面白いのではないかと考えましたが・・・ありえないですね。（笑）おすすめする方　：芝居好きな方おすすめしない方：生き別れた兄弟がいる方５段階評価：★★★★

  2007/10/02

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  「魔夢十夜」 小森 健太朗

  ある学校で一人の生徒が亡くなった事を発端にはじまった連続殺人事件を文芸部に入った主人公が調査をする物語。暗号解読・密室殺人　ミステリー好きな方や、オカルトやロマンありの学園物ですのでそういった系統（？）が好きな方も楽しめます。自分は暗号や密室に燃えるタイプではない事、事件が様々な偶然によって成り立っている事、密室といっても登場人物の素行が最初から明確ではない事、登場人物に感情移入できなかった事等であまり楽しめませんでした。それに加えてオカルトの要素が入ったことで「なんでもあり」的になった事もいまいちでした。ちなみに単独でも楽しめる作品ですが同氏の「ネヌウェンラーの密室」という作品の続編でもあるようです。おすすめする方　：オカルトミステリーが好きな方おすすめしない方：暗号に燃えない方５段階評価：★★

  2007/09/29

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  「てのひらの中の宇宙」 川端 裕人

  癌と戦う母親とそれを見守る家族。生き物や化石を通じて生と死に触れる子供たちを主に、父親と母親の視線で物語が描かれる。児童書のようなやわらかなタッチだが、生と死に真っ向から挑んでおり　ある意味ちょっとした哲学書ともいえる。自分が「無限」に恐れた遠い過去を思い出しました。おすすめする方　：亀が地球を支えていると思ってる方おすすめしない方：不老不死な方５段階評価：★★★★

  2007/09/27

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  「竹千代を盗め」 岩井 三四二

  軟禁状態となっている松平家の妻子を奪還するために雇われた甲賀忍者の物語。タイトルと装丁からドタバタな時代劇コメディかと思ったのですが、ドタバタな時代劇ってだけでコメディではなかったです。タイトルに出てくる「竹千代」も物語にはほとんど出てきませんし、盗まれたわけでもありません。おすすめする方　：時代劇が好きな方おすすめしない方：ドタバタが苦手な方５段階評価：★★

  2007/09/25

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  「ラスト・イニング」 あさの あつこ

  「バッテリー」のエピソード的な一冊・・・だそうです。「バッテリー」を読んでいる事を前提に書かれているのか、未読なため　登場人物の説明が不足した感じ。読み終わって他の書評とかみて初めて「バッテリー」を読んでいないとさっぱりわからなくて当然だった事を知りました。おすすめする方　：「バッテリー」を読んだ方おすすめしない方：「バッテリー」を読んでいない　もしくは読む気が無い方５段階評価：★★★

  2007/09/21

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  「最終退行」池井戸 潤

  銀行の副支店長である主人公が本部方針と取引先の現状の板挟みとなった事をきっかけに、大きな背信行為の実情を探る物語。銀行におけるリストラ・不良債権処理・中小企業の締め付け・背信・マネーロンダリング・人事など現実的な話の中に、沈没船の引きあげや大規模な詐欺などスリリングなやりとりが絡みあう。実際にどれだけの悲劇があったかは不明だが、真面目な企業や人ほどかなりの被害を蒙ったその時期の事も改めて思い出される。また銀行員の悲哀も見事に描かれている。ラストは少し出来すぎな気がしないでもない。おすすめする方　：銀行員でない方おすすめしない方：銀行が大嫌いな方５段階評価：★★★★

  2007/09/19

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  「みぶろ」奈良谷 隆

  ひょんなことで新選組に入隊してしまった漫才コンビが、新撰組から夏目漱石まで出会った珍道中を描く。パロディ作品ですが新撰組だけを題材にしているわけではないです。新撰組ネタだけなら面白く読めたかもしれません。おすすめする方　：パロディの好きな方おすすめしない方：新撰組ネタが好きな方５段階評価：★★

  2007/09/13

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  「神の子(イエス・キリスト)の密室」 小森 健太朗

  エジプトの行商が町の人たちの証言を元に、イエスがどうやって＜復活＞をとげたのかを推理する歴史とミステリーの融合。残された史実を元にきちんとミステリーの形式となっている秀逸な作品。トリックの前振りもあからさまにされているが、単なる読み物としても面白い。おすすめする方　：歴史ミステリーの好きな方おすすめしない方：たとえフィクションでも神が冒涜されるのが許せない方５段階評価：★★★★

  2007/09/07

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  「ニライカナイの空で」 上野 哲也

  東京オリンピックが開催される前年　１９６３年。父の事業失敗によって東京に住んでいた少年がさびれた九州の炭坑の知人に預けられ、そこでヨットを作ったり、炭鉱の事故を目撃したり様々な体験を得る。登場人物が皆　暖かく、前を向いて生きている。必死で生きなければならなかった　あの当時の人はそうだったのだろうか。おすすめする方　：少年（少女）の心が残っている方おすすめしない方：炭鉱に悪い思い出がある方５段階評価：★★★

  2007/09/05

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  「日本人の死に時」 久坂部 羊

  医師である作者が老人医療に携わって　改めて「死に方」というものを考えた作品。作者自身が５２歳で、今まで老人医療に関わってきて色々と考える事があり、自分なりに出した結論を纏めた内容。例えば高齢になるとたがいの無事を逆に残念がったり、安楽死できる薬を欲しがったりして、長生きが本当に幸せなのか　わからなくなる。また安楽死問題や末期癌老人の看取り方など考えさせる事が多い。自分自身　寝たきりになった祖母から「もう死なせてぇな」と言う言葉を聞いた事があったり、グループホームの事もよく知っているので納得できる内容が多かった。自分の死に時をいかに決めるか・・・大切な事だと思います。おすすめする方　：老人に少しでも関わりのある方おすすめしない方：何がなんでも長生きしたい方５段階評価：★★★★

  2007/09/03

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  「柳生但馬守」 柴田 錬三郎

  真田幸村を中心にして、それを取り巻く柳生但馬守、竹中半兵衛や佐々木小次郎等の短編集。有名人（？）を主に真田幸村と猿飛佐助が暗躍している感じの短編集です。おすすめする方　：時代小説好きな方おすすめしない方：徳川家に恨みを持つ方５段階評価：★★★★

  2007/09/01

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  「天国は待ってくれる」 岡田 惠和

  小学校からの友人である男二人女一人の三人が大人になっていく恋愛物語。半分くらい読めばラストがわかります。「いま　会いに行きます」とか「天国の本屋」とか「黄泉がえり」などの心霊系恋愛物語がまだそれほど多く出ていなかった頃ならよかったかもしれません。個人的には「もう　この手の話はお腹いっぱい」って感じです。また、映画化もされているようです。おすすめする方　：聖三角形、真友って言葉が気になる方おすすめしない方：最近　三角関係で敗れた方５段階評価：★★★

  2007/08/29

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  「サブウェイ」 山田 正紀

  「地下鉄に乗っている人間やホームにいる人間の何人かは、必ず死んだ人」という都市伝説を元に、現実と地獄の境目である「永田町駅」で地下鉄職員や女子高生が心霊現象に巻き込まれる。地下鉄と駅を題材にしたホラー小説。夜に地下鉄に乗る事が無いのでいいですが　あれば少し怖いかもしれません。個人的にはちょっと苦手なタイプの作品でした。おすすめする方　：証明写真を撮らないといけない方おすすめしない方：地下鉄関係者な方５段階評価：★★

  2007/08/28

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  「日本沈没」 樋口 真嗣監督

  タイトルがストーリーの全てを語る作品。オリジナル版と比較してリメイク版は主要人物二人のキャストが若く、ラストも含めてオリジナル版と異なっている部分も多いです。後でキャストを見直して福井晴敏氏の名前があるのにびっくりでした。監督と「ローレライ」繋がりなんでしょうか。余談ですが草なぎ君と柴咲さんの二人が危ない場面になるとどうしても「大丈夫　黄泉がえればいいんだから」と頭の隅をよぎります。（笑）沈没後なら海の中で黄泉がえるのでしょうか。おすすめする方　：「日本なんて消えさればいい！」と思ってる某国首脳な方おすすめしない方：オリジナル版が好きな方５段階評価：★★

  2007/08/25

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  「フィッシュストーリー」 伊坂 幸太郎

  動物園を辞めた人と行方不明となった狼の話「動物園のエンジン」、ある村の風習が実はビジネスとなっているのではないかと疑う「サクリファイス」、長い年月の小さな事象が世界を動かす「フィッシュストーリー」、ある空き巣と野球選手の繋がりを描く「ポテチ」の４編からなる作品。伊坂ワールドを圧縮したような作品です。デビュー作「オーデュポンの祈り」や「砂漠」・「チルドレン」・「グラスホッパー」など様々な伊坂作品の空気感がありますし、随所に名言をちりばめているのはいつもの通り。特に表題作は自分が生きている意味を探し続けている人には必読の１作。（ちょっとオーバーか）世界はちっぽけな事象の積み重ねで動いている。伊坂作品にしては評価が低いようですが、ファンにはたまらない一冊。おすすめする方　：自分自身を小さく感じている方おすすめしない方：これ以前の伊坂作品を殆ど読んでいない方５段階評価：★★★★★

  2007/08/24

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  「アフターダーク」 村上 春樹

  深夜のファミレスで本を読む妹と部屋の中で眠り続ける姉。その二人をつなぐ友人などをとりまく物語。一夜を少しずつ区切って色々な場所で起こった事を描いていく・・・いつかは面白くなるのだろうと思っているうちに読了しました。「記憶を燃料にして生きる」という言葉は好きです。おすすめする方　：センスの良さを自覚している方おすすめしない方：センスが悪く正直な方５段階評価：★★

  2007/08/23

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  「剣客商売二 辻斬り」 池波 正太郎

  剣術に生きる主人公とその息子が江戸を舞台にして様々な出来事で活躍する短編集。「剣客商売」シリーズ第二弾。実は一作目は未読だが楽しめた。若い妻をもつ高齢の主人公など登場人物の設定がユニークで面白い。おすすめする方　：鬼平犯科帳好きな方おすすめしない方：若い妻のもてない高齢な方５段階評価：★★★

  2007/08/18

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  「トキオ」 東野 圭吾

  難病で意識不明に近い状態となった息子を前にして、若かった頃に息子と会った話を語りだす父の物語。東野版「地下鉄に乗って」といった感じの作品。どんなに捩れても、母子や父子の繋がりは断ち切る事ができない・・・自分が死んでいくときでも、大切な人が無事である限り　人は未来を感じる事ができる・・・といった事がテーマだが、物語が拡散して無駄なストーリーが多く感じる。また息子が難病であるといった設定もあまり必要だったとは思えない。おすすめする方　：リンドプルバンを知っている方おすすめしない方：企業の不正を手伝っている方５段階評価：★★★

  2007/08/16

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