ヅラハンターの嘆き
最近いいヅラに巡り会わない原因は、私が家にいることが多いからだろう勤めていた頃は通勤に使う電車がヅラネタの宝庫だった今は外出といえば、娘と散歩に出かけたり買い物に行く程度であるヅラをかぶってる方になど、滅多にお目にかかれないそれと、最近のヅラが実に巧妙にできていることも原因のひとつのように思うプロピアやヘアフォーライフなんて、ちょっとすれ違ったぐらいでは、まず気づかれないだろう匠の技とでも言うのだろうか敵ながら天晴れであるそして、もっとも根本的な原因を浮かび上がらせる名句に出会い、私は衝撃を受けたヅラハンターのバイブル『毛髪川柳』のなかの一句である「すれ違う カツラはカツラが すぐわかる」ヅラの人は、同じ境遇のヅラの人がわかるのだおそらく私たちには感じ取ることのできない、ヅラ同士のシンパシーみたいなものがあるのだろうつまり、ヅラの人こそが、真のヅラハンターだと言えるそして私がヅラをかぶらない限り、同じ土俵には上がれないのだ毛髪川柳というわけで、ヅラハンターとしての限界を思い知らされた不朽の名著を紹介しておこうヅラハンター志願者でなくても、思わず頷かずにはいられない名句と名画が詰まった一冊である一見の価値あり