Araujo
ナパ・カベルネの至宝と呼ばれる"Araujo(アロウホ)"。ハーラン、スクリーミング・イーグルなどと共にウルトラ・プレミアムの一角を担うワインです。ナパ最北部「カリストガ地区」にあるアイズリー・ヴィンヤードという畑で作られます。この畑は歴代リッジ、ジョセフ・フェルプスなどの名だたるワインを生み出してきた場所として名高く、1990年にバート&ダフニのアロウホ夫妻によって購入されました。その年より栽培家デヴィッド・エイブリュー氏、醸造家トニー・ソータ氏という当時の最強コンビによってアロウホブランドが世に出ることになったのです。その後もオー・ブリオンやスタッグス・リープに関わった醸造家フランソワズ・ペション氏、かのミシェル・ローラン氏をコンサルタントに招聘するなどし、カリフォルニア屈指のカルトワインの地位を築上。そのように著名なアロウホ夫妻と、今回ご一緒させていただく機会に恵まれました。Michaelのはからいで実現したこのワイン会、アロウホの凄さをよくよく理解する場となりました。アレンジがまた面白く、なんと最初から最後まで和食。締めに蕎麦をいただきながらアロウホのカベルネを飲むという貴重な体験でした。2012 Sauvignon Blanc Eisele Vineyard Napa Valley75%ソーヴィニョン・ムスク、25%ソーヴィニョン・ブラン、生産量960ケース。この不思議な感覚はなんと表現したらよいのかと相原さんに尋ねたら、「オイリー、そして程良い酸、最後に口中を包むミネラル感」と教えていただき、まさにそのとおり(笑)と実感。柔らかく、しかし印象的な白。2010 Altagracia Napa Valley Red Wine81%カべルネ・ソーヴィニョン、9%メルロー、4%プティ・ヴェルド、3%カべルネ・フラン、3%マルベック。フレンチオーク樽で20か月熟成。もう香りを嗅いだだけで、そのスケールの大きさがわかるような赤。ところが飲むと単なるビッグ・ワインでなく、きめの細かな味わい。このヴィンテージで飲むにはまだ若い、年月を置いてみたくなる一本。2007 Cabernet Sauvignon Eisele Vineyard Napa Valley91%カべルネ・ソーヴィニョン、5%メルロー、4%プティ・ヴェルド。フレンチオーク新樽100%で27か月熟成。生産量1,710ケース。さっき2010年のAltagraciaで驚いたはずなのに、それがかすむほどさらに深みと複雑さを感じさせる深紅のカベルネ。2009 Cabernet Sauvignon Eisele Vineyard Napa Valley 99%カべルネ・ソーヴィニョン、0.6%プティ・ヴェルド、0.4%カべルネ・フラン。フレンチオーク新樽100%で23か月熟成。生産量1,600ケース。説明によると、「2009年のヴィンテージは、乾燥した1月から始まり、2月と5月に多少の雨が降ったことで結実が良好。6月の熱波到来があったものの、その後夏の気温が低め。朝の霧が多く葡萄の生育はゆっくりと進み、8月の熱波が葡萄の完熟を後押し。高い酸味を保ちつつ完璧な状態で完熟を迎えることができた。」ということで、見事な作品でした。2007年に比べると、よりスモーキーさが漂う味わい。
会の終わりに皆で一枚。二度目の日本だというアロウホ夫妻、明日は京都を訪れるそうです。良い旅を!KOICHI NAKAMURA