カテゴリ:英国
英国に来て初めてのクリスマス・お正月を迎えた。
こちらに何年もいる日本人の友人たちはみな、エジプト・ナイル川クルーズだの本場アルプスでのスキーツアーだのと、実にうらやましい限りの贅沢な休暇をとっている。 私たちも「フィンランドのサンタ村とオーロラ観測ツアー」というフレーズにだいぶ食指は動いたが、1泊で50万円(家族4人で)という法外な金額に断念。 初めてすごす英国でのクリスマスをとにかく満喫することに・・・。 とはいえ、欧米ではクリスマスは何といっても家族で過ごすもの。英国人は皆、自分たちだけで家に引きこもってしまうのである。 さらにイブの夕方あたりからお店というお店はレストランも含めどこも閉まってしまう。 交通機関まで止まってしまうのだから驚きである(地下鉄をはじめ長距離列車ですら止まる!) たまにあいていると思えば観光客向けのばか高いところばかり。 というわけでクリスマスは外国人にはかなりキツイ時期なのである。 そういうこともあって、みんなエジプトだのスキーリゾートだのに逃げてしまうんだろうな。 さて、私たちはクリスマスのロンドンを見てみたい、ということもあって、上記のことは十分承知しつつも1週間ほどロンドンへ出かけた。 こちらに来て以来、子供たちにロンドンをきちんと見せていなかったし、この時期、各シアターでは子供向けの魅力的なプログラムがたくさん上演されているので、それも目的のひとつだった。 ロンドンでシアターといえばミュージカルが人気だが、ワタクシ的には有名なミュージカルならどこでも見れるし むしろ劇場の設備的なことを考えると、東京の四季劇場などのほうが優れているのではないかと思う。 むしろ私のお勧めはPantoと呼ばれるパントマイムである。しかしいわゆる日本語のパントマイム(無声の)とはかなり違って、歌ありギャグありのドタバタ喜劇のようなものである。 日本でいえば年末年始のお笑い番組に近いノリで、子供も大人も楽しめる。 テーマは「アラジン」、「眠りの森の美女」、「ピーターパン」、「白雪姫」など、おなじみの童話から とっているものが多いが、勿論、すべて一ひねりも二ひねりもしてある完全なパロディである。 英語が完全にわからないことも多かったが、それでも笑えてしまうような、単純なストーリー展開 が多いし、英語のできない人にもお勧めだ。 Panto人気は高く、残念ながらロンドンではチケットが入手できなかったが、エジンバラでは「アラジン」を見た。 アラジンが中国人という設定に驚いたが、これには歴史的な背景があって、なんとアラジンは英国では18世紀ごろから 繰り返しいろいろな形で上演されていて、しかも中国が舞台という設定が定着したのは100年以上前のことということ を聞いてさらに驚いた。 英国というのは実に不可思議な国である。 ミュージカルでチケットが手に入ったのは「チキチキバンバン」(古っ!)だけだったのでそれを見たが子供向けとしては十分楽しめる内容だった。 それに上に述べたようなことを考えれば、これを古いって思うのは間違いなんだろうな。むしろ「古典的名作」と呼ぶべきなのだろう。 「ジーザス・クライスト・スーパースター」だって堂々と上演していて、結構、人が入っているのだから。 さて、クリスマスイブにはマチネーのバレエ「くるみ割り人形」のチケットを何とかゲット。 オンラインでは売り切れだったが、それでもレスタースクエアなどのチケット屋さんや劇場のボックス・オフィスに行くと意外と手に入るものである。 「くるみ割り人形」はクリスマスのお話ということもあって、この時期の出し物としてはとても人気がある。何より正統派でなくコミカルでとても奇抜な演出なのでとても楽しかった。 ちなみにバレエはもう一つ見た。男性だけで踊るマシュー・バーンズの「白鳥の湖」である。これも演出が奇抜で 面白かったが、オカマさんの白鳥の湖という感じで、ちょっと男性同士の絡みなど、子供に見せるのはどうかと思った。 でもこういうの、好きな人は好きだろうな・・・ そうそう、クリスマスイブには今、ロンドンで人気だという究極のエスニック、レバノン料理にチャレンジしてみた。 日本にいると「えぇ~?レバノォン?」って感じで、まだまだ遠い国だが、ロンドンのハイドパークの北側の高級住宅街はすっかりレバノン人街になっていて、彼らは驚くほど金持ちだしまじめで礼儀正しい働き者が多い。 レストランにしてもデリの店にしても、そのクオリティの高さに、はっきり言ってびっくりした。 私たちが1週間宿泊したマーブルアーチのアパートメントホテル(2Hyde Park Square)もレバノン人経営のホテルらしいが、大変設備が行き届いていて、管理もしっかりしているし その割にリーズナブルで、大変良かった。 しかも近隣にレバノン人の店がたくさんあり、勤勉な彼らはクリスマスの日も休まず営業していて、まったく困ることは なかったし、お勧めである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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