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ELFIN'S NOTE

[調布市の生物] カテゴリの記事

全56件 (56件中 1-50件目)

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ナガサキアゲハ

漢字では「長崎揚羽」と書きます。1820年代に日本へ来たシーボルトが、長崎で初めてこのチョウを発見した、というのが名前の由来と言われています。日本で見られるアゲハチョウの仲間の中でも大型の種類で、基本的に尾状突起がないのが特徴です。基本的にという前置きは、ごくまれに有尾型が記録されることによりますが、それでもわかりやすい蝶の一つです。本種は南方系の種で、江戸時代の分布域は九州以南に限られていましたが、近年は、関東地方や東北南部まで確認されるようになっており、その分布の拡大から温暖化の指標とされることがあります。また、本種の幼虫は、柑橘類の葉を餌にしており、その葉上で新鮮な鳥の糞に擬態していると言われていますが、若齢幼虫でもあまり黒っぽくなく緑色が強いのが特徴です。ナガサキアゲハ　Papilio memnon　鱗翅目アゲハチョウ科　2015年8月1日　東京都調布市深大寺元町５丁目都立神代植物公園

Dec 30, 2022

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クロカナブン

その名の通り、黒いカナブンです。普通のカナブンに混じって樹液を舐めに来ていることがありますが、シロテンハナムグリなどより、個体数はずっと少ないです。このほかに、人気のある種としてアオカナブンが知られており、割と人気を二分していたような記憶があります。独特のエナメル質感の黒い光沢が魅力的なコガネムシですが、地方によってはレッドデータブックに掲載されるくらい数が限られてます。クロカナブン　Rhomborrhina polita　鞘翅目コガネムシ科　2015年8月1日　東京都調布市深大寺元町５丁目都立神代植物公園

Dec 29, 2022

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カンバーランドキミミガメ

今日は、調布市にある多摩川自然情報館の水質調査イベントに参加。参加していただいたご家族と一緒に、多摩川の河川敷を歩いていると、見慣れないカメが散乱しそうな感じで留まっている姿を見かけました。これまでに、調布市内ではニホンイシガメ、クサガメ、ウンキュウ（ニホンイシガメとクサガメの雑種）、ニホンスッポン、ミシシッピアカミミガメ、ミシシッピニオイガメ、カブトニオイガメの７種類のカメが記録されていましたが、この「カンバーランドキミミガメ」で８種類目となりました。ニホンイシガメとニホンスッポン以外は、すべて外来種であり、とても複雑な心境です。本種は、アカミミガメの亜種で、アメリカ合衆国（アラバマ州北部、ケンタッキー州、テネシー州のカンバーランド川およびテネシー川上流域）に固有の種類です。日本各地で猛威を振るっているミシシッピアカミミガメと近縁で、ミシシッピアカミミガメでは眼後部から鼓膜上部にかけて赤や赤橙色のやや太い筋模様が入るのが特徴ですが、本亜種では眼後部から鼓膜上部にかけて黄色や黄橙色の筋模様があるのが特徴であり、名前の由来ともなっています。また、甲羅の皺から判断するに少なくとも10数年はきちんと冬眠をさせてもらっていたと思われます。カンバーランドキミミガメ　Trachemys scripta troostii　カメ目ヌマガメ科　2022年6月18日　東京都調布市上布田町多摩川河川敷

Jun 18, 2022

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オニグルミノキモンカミキリ

漢字では、「鬼胡桃の黄紋天牛」と書きます。名前の通り、オニグルミを食害するほか、サワグルミやキブシも餌にします。背面の鮮やかな黄色が目立つ、きれいなカミキリムシですが、体長が6～10mm程度ととても小さいため、なかなか見つけることができない種類です。また、東京都のレッドリストにも記載されており、食草のオニグルミと併せて保全が重要な種です。オニグルミノキモンカミキリ　Menesia flavotecta　鞘翅目カミキリムシ科　2022年5月15日　東京都調布市多摩川河川敷

May 15, 2022

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チャバネフユエダシャク

まだ、時々冷え込むことはありますが、次第に暖かい日が増えてきました。そうすると、目につき始めるものの一つが、芋虫・毛虫。ここに紹介する芋虫も、気が付くとあちこちの葉にくっついていました。漢字で書くと「茶翅冬枝尺」。その名の通り、翅が茶色の冬に成虫が出るエダシャクの一種で、日本各地に分布しています。冬の寒い時期しか成虫が出現しないシャクガを総じて「冬尺（蛾）」と呼んでいますが、本種はそのフユシャクの中でもエダシャク亜科に含まれます。本種の幼虫は、広食性で、ブナ科やニレ科、バラ科、ツツジ科など様々な落葉広葉樹の葉を餌にしています。そのため、これらの植物がある雑木林や公園などでよく見られます。赤褐色をした頭部と、茶褐色～黒褐色の網目状の模様の背中、黄色い腹面と黒く縁どられた気門などが特徴的です。また、なぜかは分かりませんが、写真のように葉の上で胸脚を前に上げて「前へならえ」をするようなポーズで静止している姿をよく見かけます。なお、冬に出現する本種の成虫ですが、オスは普通の蛾と同じく翅があって飛翔して移動しますが、メスは翅が退化しているため、移動は歩いて行います。チャバネフユエダシャク　Erannis golda　鱗翅目シャクガ科　2022年4月24日　東京都調布市深大寺北町１丁目神代植物公園植物多様性センター

Apr 24, 2022

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オンラインイベント直前告知

直前告知。本日19時から、調布市多摩川自然情報館のオンラインイベントとして「おうちで夜の生き物の世界をのぞいてみよう！」開催します。これは、7月24日に実施した「オンラインによる夜の生き物観察会おうちで夜の生き物の世界をのぞいてみよう！」配信中に紹介した昆虫類について解説したり、調布市内に生息する生き物について語ったりするものです。1時間ほどですが、私がホストを務めさせていただきます。よろしければ、ぜひご参加ください。

Aug 14, 2021

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ミシシッピニオイガメ

本来は、アメリカからカナダにかけて分布する淡水カメ。ミシシッピアカミミガメと名前が似ていますが、種としては別種なので注意してください。最大甲長13.6cmの小さなカメです。背甲はややドーム状に盛りあがり、上から見ると細長い楕円形をしています。原産地では、主に底質が泥や砂の流れの緩やかな河川や湖、池沼、湿地などに生息しています。ニオイガメの名の通り、危険を感じると後肢基部にある臭腺から臭いのある分泌液を出します。ちなみに本種の種小名は、「odoratus」といいますが、これは「芳香のある」という意味で、この臭いを出すという習性を表したものです。日本国内では、ペットとして飼育するために持ち込まれた個体が、逃げたり捨てられたりして広がりました。ミシシッピニオイガメ　Sternotherus odoratus　カメ目ドロガメ科　2018年3月31日　東京都調布市深大寺元町　深大寺弁天池

Feb 27, 2020

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セキセイインコ

昨日2月1日に、調布市多摩川自然情報館のイベントとして、叶内拓哉先生による多摩川の鳥類観察及び撮影方法についての話がありました。場所は、東京都調布市の多摩川原橋の下流から二ヶ領上河原堰にかけての多摩川左岸（東京都側）で、快晴で暖かく、風もほとんどない絶好の鳥見日和でした。カモ類などを観察していると、川への落下防止柵に止まる見慣れない小さな白い鳥。これが、セキセイインコの部分白化個体でした。ちなみに、完全白化（アルビノ）では、眼が赤くなり、くちばしもピンク色を帯びるのですが、本個体は体は白いものの、眼が黒く、くちばしも黄色をしていたため、部分白化個体としました。ワカケホンセイインコほど多くはいませんが、以前、調布市内に住んでいた頃、駅前の交差点を横断中に空から降りてきて肩に止まったセキセイインコを保護したことがあり、そこそこ籠抜けしているものと思われます。本種は、オーストラリアの内陸部原産の小型のインコの仲間で、漢字では「背黄青鸚哥」と書かれます。これは、日本に最初に来た個体の背中が黄色や青色の配色になっていたからで、実際はこの２色以外に緑や紫など、様々な色の個体がいます。ただ、色がついているセキセイインコを野外で見かけることはあっても、今回のような全身白色の白化個体をペットショップ以外で見るのは初めてだったので、外来種と言いつつ、それなりの感動はありました。成鳥は、体長18～23cmで、野生個体の成鳥は頭部が黄色で、頭上から後頭部にかけて細かい黒の横縞模様が入るのが一般的です。原産地では、木がまばらに生えた乾燥地帯の原野に生息し、主に地上で植物の種子を餌にしています。また、群れを作る性質が強く、大小さまざまな群れで行動します。なお、丈夫で飼育もしやすいためペットとしてかなり流通しており、以前、自分自身も飼育していた時期があります。そんな本種の特徴として、小型インコの中では最もしゃべるのを得意とする鳥であることが挙げられます。自分につけられた名前をはじめ、その気になれば住所を覚えさせることもできるようで、籠抜けで行方不明になってしまう恐れがある方は、住所を教え込んでしゃべられるようにしておくと、万が一の時に戻ってくる確率がアップするのではないでしょうか？、セキセイインコ　Melopsittacus undulatus　オウム目インコ科　2020年2月1日　東京都調布市二ヶ領上河原堰付近

Feb 2, 2020

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ワカケホンセイインコ

今日から２月。あっという間に１月が終わり、1年の12分の1が過ぎてしまいました。というわけで、今月は、「調布市の生物（外来種編）」でいってみたいと思います。まずは、ワカケホンセイインコ。漢字では「輪掛本青鸚哥」と書かれるインコの仲間です。ホンセイインコの亜種で、雄は首周りにワカケの由来となった黒帯が走るのが特徴です。全長約40cmと比較的大きなインコです。体は全身緑色で、雄の成鳥には喉から首にかけて広い黒帯が走り、首の後ろは細い桃色の帯となります。本種は、ペットとして飼われていた個体が逃げ出し野生化するいわゆる「籠抜け」と呼ばれる行為に起因する外来種に該当します。日本国内への侵入は1969年といわれており、来日してからちょうど半世紀が経過したところです。羽を広げて飛ぶ姿は、十字型のシルエットを呈し、わかる人にしかわからない「艦これの龍驤の式神型の艦載機」を彷彿させます。本来の分布は、インド，パキスタン，スリランカですが、日本だけでなく世界各地でペットとして飼育されていたものが逃げ出し、分布を広げています。公園の樹木や人家の庭木，大木が残る神社や寺の樹林地に生息し、高さ20m以上のケヤキの樹洞等に営巣します。なお、本種は、在来の樹洞性鳥類と営巣場所を巡る競合の可能性がある他、電柱への営巣による漏電事故、原産地では農作物への被害が報告されているため、国内でも農作物を荒らすのではないかといった影響が懸念されています。ワカケホンセイインコ　Psittacula krameri manillensis　オウム目インコ科　2017年2月18日　東京都調布市入間町

Feb 1, 2020

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キマダラコヤガ

黄色と黒の虎じま模様が特徴的なコヤガの一種。小夜蛾というだけあって小さいですが、独特な翅の模様のため、目立つことは目立ちます。ただ、この縞々、自然界だと、結構見た目を分断する役目を果たし、見つけにくくなっているようです。キマダラコヤガ（チョウ目ヤガ科）東京都調布市国領町多摩川河川敷/2017年7月1日

Jul 2, 2017

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ブドウトリバ

漢字で書くと「葡萄鳥羽」。ブドウ名前にある通り、幼虫が、ブドウやエビヅル、ノブドウ、ヤブガラシ等の葉や花を餌にします。開張15mm程度の小さな蛾で、色も地味なため、気が付く人は少ないと思いますが、止まった姿は飛行機みたいで、結構かっこいいです（あくまで個人的見解ですが・・）。また、脚に棘があるのも特徴です。ブドウトリバ（チョウ目トリバガ科）東京都調布市若葉町　滝坂皇大神宮/2016年11月23日

Jul 1, 2017

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ヒナノハイゴケ

高さ0.5～1cm程度の小さなコケ。調布市では、街路樹や公園に植栽されている樹木の樹皮に着生しているのをよく見かけます。特にケヤキの木では、これが付いていない個体の方が少ないのではないでしょうか?蒴帽が取れると、蒴の口環が赤色～赤褐色であり、目につきやすくなります。ヒナノハイゴケ（ギボウシゴケ目ヒナノハイゴケ科）東京都調布市深大寺自然広場/2016年4月24日

Jun 27, 2017

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アイヌテントウ

いるとわかっていて、その目で見ないと見つからない生き物。そんなものの一つが、このアイヌテントウ。パッと見、小さいナナホシテントウという印象ですが、じっくり見ると、星が４個ほど多くついています。この仲間にはあと一種、ココノホシテントウという星が９個の種類がいて、いずれもよく似ています。しかし、このいるはずなんだけど・・・という作業は、やってみるとわかりますが、実際、正直言って、飽きる。アイヌまでは何とか見つけたものの、ココノホシテントウまでたどり着ける自信がない・・・・。というわけで、どなたか、調布市内で正式な記録をお持ちの方、情報提供をよろしくお願いいたします。ついでに写真とか標本があると、とてもうれしいです。と、すでに他力本願ですが、暫定版作製まであと１年半。もう少し頑張ってみることにします。アイヌテントウ（コウチュウ目テントウムシ科　東京都調布市多摩川河川敷/2016年7月2日）

Jul 2, 2016

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コカブトムシ

おかげさまで、カニ山の調査初回が終了。風が強く、空が明るいという、ライトには向かないコンディションの中、強行した結果、一応何種類かは飛来してくれました。最初、コクワカタのメスでも来たかと思いましたが、なんか厚ぼったく、これはと思うとやはりコカブトの方でした。それにしても、普段意識していないと、見つからないようなコエンマムシとか、ミクロ系の昆虫が割と見られてそこそこ満足。チョウバエは複数種が飛来しましたが、いずれも１～２mmの種類で、これから同定するのが泣きそうです。でも、拡大するととてもきれいなので、楽しみは楽しみですが・・・・。調布には日本産チョウバエの何割がいるのか？それはそれでマニアックな課題となってしまいました。なお、当日採れたヤマトカブトムシのメスは、多摩川自然情報館で生体展示されていますので、興味ある方はのぞいてみてください。来月は７月２２日から２３日にかけて行います。７月２３日は昆虫教室も行いますので、暇な方はお寄りください。コカブトムシ（コウチュウ目コガネムシ科　東京都調布市深大寺自然広場/2016年6月24日）

Jun 27, 2016

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マルカメムシ

その名のとおり、丸くて小さなカメムシ。干した布団や洗濯物に飛来し、気づかないでつぶすとえらい目にあいます。大きさの割ににおいが強く、強烈で、害虫扱いされることもしばしば。クズについているため、近くにクズが生えていると、遭遇率はさらにアップ。拡大すると眼が赤くて結構きれい。でも、においが付くとなかなか取れない・・・。マルカメムシ（カメムシ目マルカメムシ科　東京都調布市多摩川河川敷/2016年4月23日）

Jun 21, 2016

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ヤブガラシ

蔓性で、藪でも広く覆ってしまい、枯らしてしまうといったことから名づけられました。典型的なマント群落構成種の一つで、日当たりのよい草地から林縁にかけて、割とどこでも見られます。ほおっておいても育つ在来種であるため、グリーンカーテンにすれば結構エコ。ただし、適当にトリミングしないと、周辺から苦情が来る恐れあり。また、本種の特徴として、花の蜜が豊富なことが挙げられます。訪花性の昆虫にとっては天国みたいな植物で、コバエからスズメバチまで様々な虫がやってきます。そんなヤブガラシの花ですが、実はブドウの仲間で、開花当初は花弁が付いています。しかし、とても取れやすく、時間がたつとほとんど脱落してしまい、普通は坊主状態の花しか見られません。花弁付きの花をたまたま見かけたのでとりあえず撮影。ヤブガラシ（ブドウ目ブドウ科　東京都調布市入間町/2016年6月12日）

Jun 15, 2016

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ニイジマチビカミキリ

本日は、布田駅前で調布青年会議所主催の「ちょうふしぜんフェスタ」。朝６時過ぎから気合を入れて、展示用生物の捕獲。50cmクラスのオオミスジコウガイビルをはじめ、ミスジマイマイやウスバカゲロウ（幼虫）、コクワガタ（メス）などをとりあえず確保。さらに、ルーペで観察用のミクロもビーティングで採集。その中の一種が、ヤマグワのビーティングで落ちてきたこのニイジマチビカミキリ。チビカミキリの名のとおり、体長４mm前後の小型種。隣のブラケースで展示されていたゴマダラカミキリが巨大に見えるほどの違い。おかげで、子供たちを驚かせることに成功。全体的には、キモいもの見たさでコウガイビルが一番人気という、わけわからない状態でしたが、イベント全体で、延べ１００００人近い動員があったらしいというのは快挙。スタッフの皆さま、本当にお疲れ様でした。次も期待してますので、よろしく。ニイジマチビカミキリ（コウチュウ目カミキリムシ科　東京都調布市通称カニ山/2016年6月11日）

Jun 11, 2016

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ダイズコンリュウバエ

漢字で書くと「大豆根瘤蠅」。幼虫が、土中でダイズの根瘤を餌にしていることから名づけられました。名前の由来がわかると生き物の名前は覚えやすいものが多いですが、由来がわからないと、そもそもどこで切っていいのやらということになり、結果として念仏を唱える感じになってしまいます。それにしても、ある意味安易につけた名前のような気もしますが・・・。ダイズコンリュウバエ（ハエ目ヒロクチバエ科　東京都調布市多摩川河川敷/2015年6月13日）

Jun 9, 2016

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シロテンクロマイコガ

翅を開いても15mm程度の小さな蛾。触角の下に見える左右に広がっているものは、翅ではなく後脚。毛の束がいかにも翅のように見えるだけ。そもそも、なんで後脚を前に持ってくるのかとか、突っ込みどころ満載。本当に、何を意図してこのような姿かたち＋行動形態が形成されたのか・・・。奥が深すぎてよくわかりませんが、見ていて飽きないことだけは確か。ちなみに、それほどレアという印象はありませんが、蛾類大図鑑には載っていないため、同定するのに慣れないと探すのは大変かも・・・。シロテンクロマイコガ（チョウ目ニセマイコガ科　東京都調布市深大寺南町"カニ山"/2008年7月12日）

Jun 6, 2016

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ムネグロメバエ

ハエの仲間には、割とハチに擬態する種類が多い。以前紹介したフトハチモドキバエもそうだが、パッと見ハチにしか見えないと、不意打ちを食らうと結構焦る。このムネグロメバエも、最初遠目にはアシナガバチっぽかったが、近付いてよく見るとハエ目。本種はハラナガツチバチ等のハチに寄生するといわれており、花に飛来する寄主のハチが来るのをまっている姿をたまに見かけます。たまにというのは、このような行動がたまにあるというよりも、単に個体数がそれほど多くないか、いても気づかず目撃頻度が必然的に下がっているだけのような気がしますが・・・。ムネグロメバエ（ハエ目メバエ科　東京都調布市入間町糟嶺神社/2016年6月4日）

Jun 4, 2016

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レポキンクリス

ニセウチワヒゲムシともいう広い意味でのミドリムシの一種。ミドリムシの親戚だけあって、腐植質の多い池沼等に生息しています。緑の細胞に赤い眼点が目立ちます。Lepocinclis salina（ミドリムシ目ミドリムシ科　東京都調布市多摩川自然情報館/2016年5月28日）

Jun 2, 2016

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クモガタテントウ

北米原産のとても小さなテントウムシ。ウドンコ病の菌を餌にするため、外来種といえど、益虫といえば益虫。日本国内に、似た斑紋のテントウムシはいないため、割と同定するのは簡単。問題は、知っていれば簡単に同定できる種でも、知るための書籍が少ないということ。一般に市販されている昆虫図鑑には載ってないし、そもそも何を見ればいいかも普通の人にはわからないと思われる代物。帰化植物図鑑は比較的多く出ているのに、帰化昆虫図鑑はなかなか出ない。なぜなのだろう？クモガタテントウ（コウチュウ目テントウムシ科　東京都調布市染地/2016年5月28日）

May 29, 2016

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アメーバ

先日の続きもの。せっかくなので、いわゆるアメーバらしいアメーバ。まあ、普通、アメーバといえば、こんな感じで広がっていく姿を思い浮かべるもの。由緒正しいオオアメーバAmoeba proteus。注意してみると、普通に見つかるということがわかった。ちなみに、世の中には有殻アメーバというのもいて、ブログの初期の頃にも一度紹介したものの、ついでに改めてご紹介。このトゲフセツボカムリも立派な棘付きの殻があるが、この中にアメーバ本体が入っている。それにしても歴史ある深大寺の池の前にできた水溜りの泥水5mLで、結構楽しめるものです。オオアメーバ（ユーアメーバ目アメーバ科　東京都調布市深大寺/2016年5月21日）トゲフセツボカムリ（ナベカムリ目トゲフセツボカムリ科　東京都調布市深大寺/2016年5月21日）

May 24, 2016

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トリカメーバ

誰もが一度くらいは聞いたことのある名前。そんなものの一つがアメーバ。ゾウリムシと双璧を成す水生微生物の代表種でしょう。しかし、一口にアメーバといってもただ一種というわけではなく、アメーボゾアまたはアメーバ動物門を構成する原生生物の総称です。通常、ただ、「アメーバ」といえば、概ねAmoeba proteusのことを指していると思われますが、世の中にはその他の様々なアメーバがいます。例えばここで紹介するトリカメーバ（Trichamoeba）。本属の特徴は、移動するときに脇からほとんど仮足が出ないということです。そのため、移動中の個体を見ると、細長い棒状のものが移動しているとしか見えません。一般的なアメーバが仮足を四方に広げながら移動するのとは異なっており、原形質流動がなければアメーバっぽくはないかもしれません。ただし、障害物にぶつかると、左右に広がったりして、一応、アメーバの仲間というのを主張しているしぐさを見ることができます。なお、写真のTrichamoeba miyakkaは、細胞長が200～400μmと結構大きく、その気になると肉眼でも存在がわかります（もちろん種同定などは不可能ですが・・・）。Trichamoeba miyakka（ユーアメーバ目アメーバ科　東京都調布市深大寺/2016年5月21日）

May 22, 2016

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ヒルガタワムシ

淡水中の水草の間などで見られるワムシの一種。といっても、体長0.3～0.5mm程度と小さいため、顕微鏡などでのぞかないとわかりません。ヒルのような動きをするのでこの名が付きました。頭部をひっこめると全く違う形状になり、違う種に間違えてしまいそう。ヒルガタワムシ（ヒルガタワムシ目ヒルガタワムシ科　東京都調布市多摩川/2016年5月14日）

May 20, 2016

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ミスジマイマイ

雨が降ると、たいていの動物は観察しにくくなりますが、陸産貝類は別。ここぞとばかり活発に動き回ります。いわゆるカタツムリの一種であるミスジマイマイも例外ではありません。ミスジの名に反し、模様のパターンはいろいろで、３本入っているのを見つける方が少ないこともあります。なお、本種の他にもヒダリマキマイマイやナメクジ、ナミコギセルなど、多くの陸産貝類が確認でき、割と効率が良いフィールドでした。ミスジマイマイ（有肺目オナジマイマイ科　東京都調布市深大寺自然広場/2016年4月24日）

May 5, 2016

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モンクチビルテントウ

体長約3mmの小さなテントウムシ。1998年に沖縄で確認され、以後着実に北上を続ける南方系の昆虫です。最初はヨツボシテントウかと思いましたが、よく見るとヨツボシよりも黒紋が大きく横長のため、モンクチビルとしました。外来種なのか、もともといたのか、どちらなのでしょうか？モンクチビルテントウ（コウチュウ目テントウムシ科　東京都調布市若葉町/2016年5月3日）

May 4, 2016

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シロスジベニマルハキバガ

前翅長5～7mmの小さな蛾。体こそ小さいですが、鮮やかなオレンジ色の地に入る3本の白い筋がポイントです。また、脚や触角は白黒の縞々で、とてもきれいです。なお、幼虫は、ブナ科植物の枯れ木につくといわれています。シロスジベニマルハキバガ（チョウ目マルハキバガ科　東京都調布市佐須町/2016年5月3日）

May 3, 2016

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コアオマルガタゴミムシ

マルガタゴミムシの定番といっていいほど、よく見かける種です。青緑色の金属光沢のある小さな丸い体か特徴です。また、触角、口ひげ、肢は黄褐色です。石の下にいることも多いですが、結構で歩いていることも多く、天気のいい日は割と目につきます。この仲間は、体形が似ているため、属までは簡単にたどり着きますが、似た種も多く、その先で苦労することも多いです。コアオマルガタゴミムシ（コウチュウ目オサムシ科　東京都調布市多摩川河川敷/2011年7月2日）

May 2, 2016

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ソーンダースチビタマムシ

体長4mm程度の小さな甲虫です。ヤマトタマムシのような派手さはありませんが、拡大すると、頭部の金色の毛と、上翅の銀色の毛がとても美しく感じられ、やはりタマムシなんだと実感させられます。ウツギなどで多く見られますが、ウツギ周辺の他の植物上で見られることも多いです。ソーンダースチビタマムシ（コウチュウ目タマムシ科　東京都神代植物公園水生植物園/2016年5月1日）

May 1, 2016

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オオチョウバエ

体長3～5mmの小さな昆虫ですが、この仲間の中では最大級。お風呂場の周辺など、湿った場所に多く出現する衛生害虫（不快害虫）の一つ。全体が灰色で、体表および翅全体に長毛を密生し、翅端に8個の白斑があるのが特徴。幼虫は水生で、本当の意味で汚れた水域に生息します。オオチョウバエ（ハエ目チョウバエ科　東京都調布市第七中学校/2015年7月25日）

Apr 28, 2016

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クロシギアブ

名前のとおり、全身が黒色をしたシギアブ。詳しい生態はほとんどわかっておらず、春から初夏にかけて成虫が出現するといった程度。外部形態的には、雄の成虫の複眼が、離れているといった程度。それだけ、人とのかかわりがない生き物とも言えます。クロシギアブ（ハエ目シギアブ科　東京都調布市染地/2016年4月23日）

Apr 24, 2016

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ハマベハサミムシ

川岸や海岸の砂地の石の下に隠れているハサミムシ。一般的にハサミムシといえば、本種を指すことが多い。尾部のハサミは結構硬くて鋭く、はさまれるとそこそこ痛い。この仲間は、産卵後、雌が守る習性があり、卵と幼虫と成虫を同時に見ることもしばしば。ちなみに不完全変態であるため、蛹は無く、孵化した幼虫は、色が白いだけで親と大きく変わらない。また、本種は飛べないが、一部には飛べる種もあり、そのような種は、ライトトラップで捕獲されたりすることもある。ハマベハサミムシ（ハサミムシ目ハサミムシ科　東京都調布市多摩川河川敷/2016年4月23日）

Apr 23, 2016

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ネコハグモ

葉っぱに巣をつくり、密生する白い毛がネコのように見えることから「猫葉蜘蛛」。実際には葉の上だけでなく、建物のサッシの角などにもボロ網を作っていることがあります。こんな網で餌採れるのかと思いますが、飢え死にしていないところを見ると、問題はなさそうです。とても小さなクモで体調も5mm前後。でも、拡大すると腹背の模様のコントラストがきれいです。ネコハグモ（クモ目ハグモ科　東京都調布市佐須町/2007年11月3日）

Apr 22, 2016

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コクサグモ

人家周辺や道端の低木に棚網を作ります。近縁のクサグモとよく似ていますが、本種の方が全体に毛が少なく、体長も1cm程度と小型で、背甲の縦斑が明るい放射状斑で区切られる点などでクサグモと区別できます。生け垣などに作られた巣は、朝露などが付くと白く輝き、さらに集団で営巣しているととてもきれいです。コクサグモ（クモ目タナグモ科　東京都調布市佐須町/2007年11月3日）

Apr 21, 2016

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ケラ

歌にも出てくるケラ。コオロギに近い仲間ですが、とても不思議な生き物です。昔、学研の科学と学習の中で、空も飛べるし、泳げるし、土を掘ってトンネル作るし、と、昆虫界のスーパーマン的な表現がなされていたのを今でも覚えています。実際、ライトトラップにもやってくるし、マルチな存在であるのは確か。なお、地中生活に適応しただけあって、前脚は完全にモグラと一緒。ケラ（バッタ目ケラ科　東京都調布市佐須町/2010年7月18日）

Apr 19, 2016

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ハシボソガラス

東京都内で主に目にするカラスの一つがこのハシボソガラスです。「ハシ」とはくちばしのことで、これが細いためハシボソと名付けられました。本種に対して、くちばしの太い種類がハシブトガラスですが、こちらは、主に市街地でゴミや残飯を荒らしている姿を目にします。一方、本種は、どちらかというと、郊外や耕作地、河川など、都市の周辺部などで見られることが多く、場所によっては非常に多く見られます。両者の違いはくちばしの太さ以外に、鳴き声にも表れています。一般論ですが、ハシブトガラスは「カァーカァー」と濁らず、ハシボソガラスは「ガーガー」とやや濁った鳴き声を出します。あくまで一般論なので、どっちつかずの個体もいますし、それほど厳密なものではないかもしれませんが、一つの目安にはなります。ハシボソガラス（スズメ目カラス科　東京都調布市多摩川/2016年1月16日）

Jan 16, 2016

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コゴメバオトギリ

葉が小さいため「小米葉」の名が付きました。ヨーロッパ原産の帰化植物で、花期は初夏。多年生草本です。東京都調布市では、多摩川のワンド近くの河川敷で見られますが、生育場所は現在のところ、まだ限られています。小さな葉っぱと、黄色い花を多数つけるのが特徴です。コゴメバオトギリ（キントラノオ目オトギリソウ科　東京都調布市多摩川河川敷/2011年7月2日）コゴメバオトギリ（キントラノオ目オトギリソウ科　東京都調布市多摩川河川敷/2011年7月2日）

Dec 21, 2015

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オナガグモ

クモの巣に引っかかった一本の松の葉。そうとしか思えませんが、実はオナガグモというクモです。名前は尾部が長い由来しており、何のひねりもありません。すごいのは、この松の葉に擬態しているところ。外敵から身を守っているだけでなく、糸を伝って歩いてきた他のクモを捕まえて食べることにも役立っています。大体、糸に粘着性がなく、他のクモが歩きやすくしているあたりも、自然のすごさを感じます。つくづく、誰がどうやって造り上げてきたのか・・・。生き物はその形態、生態ともに奥が深く、本当に興味が尽きません。オナガグモ（クモ目ヒメグモ科　東京都調布市かに山/2015年9月19日）

Dec 17, 2015

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マツバゼリ

漢字では「松葉芹」と書きます。名前のとおり、松の葉のように細い葉を持つセリ科の植物です。熱帯アメリカ原産の帰化植物で、日本国内では明治26年に長崎県で見つかり、牧野富太郎によって和名がつけられました。高さ15～70cmになる一年生草本で、春から夏にかけて白い花をつけます。調布市では、多摩川河川敷など日当たりのよい草地で見られます。なお、野菜として栽培されるセロリと同属であり、本種にもセロリと似た香りがあります。マツバゼリ（セリ目セリ科　東京都調布市多摩川河川敷/2011年7月2日）マツバゼリ（セリ目セリ科　東京都調布市多摩川河川敷/2011年7月2日）

Dec 16, 2015

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親子

昆虫の中には、成虫が卵や幼虫を保護する習性を持つものがいます。この「エサキモンキツノカメムシ」も、その一つです。体長10～14mmのカメムシの一種で、小楯板のハート形の黄紋がポイントです。エサ植物であるミズキやハゼノキなどの樹上で見られます。葉の裏に卵を産んだ後、雌はその卵塊上に静止して、孵化した後もしばらく保護します。最近、子育てを放棄する親のニュースを目にすることが増えましたが、そんな親と比べものにもならないほど愛情にあふれている昆虫です。たとえそれが、本能によるものの錯覚であったとしても・・・。エサキモンキツノカメムシ（カメムシ目ツノカメムシ科　東京都調布市かに山/2008年7月12日）幼虫を守る成虫エサキモンキツノカメムシ（カメムシ目ツノカメムシ科　東京都調布市かに山/2008年7月12日）交尾する個体

Dec 14, 2015

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ハナオチバタケ

傘は薄い紙質で、径0.8～1.5cm、表面は淡紅色～紫紅色または褐色で、放射状の溝が特徴です。夏から秋にかけて、広葉樹林内の落ち葉上に発生します。ひだは数が少なく、16～19。柄は針金状で、長さ3～6cm。「オチバタケ」の名前にもある通り落ち葉に深く関係しており、落ち葉や落ち枝などを分解して循環させる「分解者」の役目を担っています。ハナオチバタケ（ハラタケ目キシメジ科　東京都調布市佐須町４丁目神明宮/2015年9月19日）ハナオチバタケ（ハラタケ目キシメジ科　東京都調布市佐須町４丁目神明宮/2015年9月19日）傘には放射状の溝がある

Dec 13, 2015

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オオイヌノフグリ

漢字では「大犬の陰嚢」と書きます。花が終わった後にできる果実の形状が「犬の金玉」に似ている同属の「イヌノフグリ」よりも、花や葉が大きいことに由来します。学名はVeronica persicaといい、その種小名が表すようにペルシャ（現在のイラン）を含むヨーロッパ原産の帰化植物で、日本国内では明治初期に東京で見つかったのが、最初の記録とされています。日当たりのよい草地や路傍に生育し、鮮やかな空色のきれいな花が特徴です。なお、以前はゴマノハグサ科に所属していましたが、遺伝子解析による近年の知見により所属がオオバコ科に移されました。オオイヌノフグリ（シソ目オオバコ科　東京都調布市野川公園/2007年4月22日）オオイヌノフグリの花（シソ目オオバコ科　東京都調布市野川公園/2007年4月22日）

Dec 12, 2015

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ネジバナ

花序がねじれて花をつけるためネジバナと呼ばれます。属学名のSpiranthes（スピランテス）も、ギリシャ語で「螺旋の花」という意味です。日当たりのよい草地に生える植物で、中央分離帯や屋根の上などでも見かけることがあります。比較的多く見かける雑草的な草本ですが、実はラン科の植物です。ラン科の植物は、花が美しいものや、特異な形状、生態を持つ種が多く、貴重種とされるものも多いのですが、そんな中でも、本種はもっとも普通に見ることができる種類だと思われます。花を拡大すると、しっかりとラン科特有のいかにもという形状を呈しており、色もピンクでとてもきれいです。実際、鑑賞用として、野草園などで売られていることもありますが、わざわざ買わなくても、その辺に生えてるよと言いたくなるような花です。調布市内でも、いたるところで見られ、特に多摩川の河川敷や土手ののり面、中央分離帯や街路の植栽ますなどで多く見られます。また、ネジバナの根は菌根となって菌類と共生している点は、他のラン科植物と同様です。なお、花の時期は夏なので、実物を見るにはあと半年ほどかかります。ネジバナ（クサスギカズラ目ラン科　東京都調布市多摩川河川敷/2015年6月13日）ネジバナ（クサスギカズラ目ラン科　東京都調布市多摩川河川敷/2015年6月13日）

Dec 11, 2015

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セイボウ

「青蜂」と書きます。ハチの中でもメタリックの光沢が美しい一群です。青色を基調とした体色を持ち、種によって緑や赤が混じるハチで、結構キラキラして目立ちます。写真の種は、ツマムラサキセイボウといい、名前のとおりしっぽの先が紫色をした青蜂で、腹部は赤く、とてもきれいです。大きさは小さく６～９mmくらいです。また、この仲間は、チビドロバチ類やトックリバチ類の巣に寄生することが知られています。ツマムラサキセイボウ（ハチ目セイボウ科　東京都調布市都立神代植物公園/2015年6月13日）

Dec 8, 2015

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ゴマフリドクガ

ドクガ科の一種であるゴマフリドクガ。幼虫はヒサカキやサクラ、バラ、ニセアカシアなどの葉についている姿をよく見かけます。この仲間、その名のとおり、毒を持つ毛を持っています。その毛は、産卵時には腹部から卵塊に移り、卵の状態から毒を持っていることになります。孵化した幼虫は、すでに毒毛を持っており、蛹を含む全ステージで毒毛によって守られています。とにかく刺されたら、こすってはダメ。粘着テープを患部に付けてから毛をとるようにしてください。そのあとは抗ヒスタミン軟膏などを塗ってみてください。とにかく体についた毒毛をこすらないで取り去ること。これが一番大事な注意点です。ゴマフリドクガ（チョウ目ドクガ科　東京都調布市都立神代植物公園/2006年4月9日）

Dec 7, 2015

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ホソカ

漢字では「細蚊」。これは幼虫で、体長７～８mm、体をＵ字形に曲げて石にくっつき、頭としっぽを交互に動かしながら移動するという不思議な生き物です。ちなみに、この写真では左が頭、右がしっぽです。成虫は蚊に似ていますが、触角が長く、吸血性はありません。東京都調布市では、主に野川や佐須用水といった、小河川で見られます。この仲間、世界で130種ほどが知られており、日本国内でも10数種が記録されています。しかし、幼虫の記載はほとんどなく、ホソカ科の一種でとどめざるを得ないのが残念です。ホソカ科の一種（ハエ目ホソカ科　東京都調布市佐須用水/2010年4月19日）

Dec 1, 2015

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カワウ

主に河川で見られるため「カワウ」。海岸に多く生息する「ウミウ」とは、クチバシの付け根の黄色い部分の形で区別し、カワウでは黄色の部分が丸みを帯びていますが、ウミウでは後ろに尖っていることで見分けられます。調布市を流れる多摩川でも、多くの個体が群れを成しており、送電線に等間隔で並んでいる姿を割とよく見かけます。魚食性で、遡上してくるアユを狙うことも多いです。ちなみに「鵜飼い」に使われているウはほとんど「ウミウ」ですが、浅い川などでは一部本種が用いられることもあるそうです。カワウ（カツオドリ目ウ科/東京都調布市国領町多摩川/2014年1月18日）送電線に止まるカワウカワウ（カツオドリ目ウ科/東京都調布市国領町多摩川/2014年1月18日）

Nov 30, 2015

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Rosette（ロゼット）

植物の世界でロゼットというと、「根出葉が円盤状に並んだような植物体」を表しています。英語の前半にRose（バラ）が使われているように、元々は八重咲きのバラの花に由来しています。一般的によく知られているロゼットの例としては、タンポポやオオバコなどが挙げられます。ロゼットを形成する植物は、タンポポの仲間のように根出葉しかない種から、メマツヨイグサなどのように、多年草や越年草が冬越しするための状態の２つがあります。東京都調布市を流れる多摩川の河川敷でも、多くのロゼットを見ることができます。ここでは、定期的に草刈りが行われるため、ロゼットを作りやすいということも理由の一つとなっています。バラの花のようなメマツヨイグサ（フトモモ目アカバナ科）のロゼット（東京都調布市国領町多摩川河川敷/2015年11月28日）セイヨウタンポポ（キク目キク科）のロゼット（東京都調布市国領町多摩川河川敷/2015年11月28日）ヘラオオバコ（オオバコ目オオバコ科）のロゼット（東京都調布市国領町多摩川河川敷/2015年11月28日）

Nov 28, 2015

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キバナヤセウツボ

東京都調布市を流れる多摩川。その河川敷には、多くの植物が生育していますが、残念ながら外来種が大半を占めるようになってしまいました。クローバーの名で知られているシロツメクサやムラサキツメクサもこうした外来種の一種ですが、これらに寄生する植物も寄種に併せて侵入しています。その一つが地中海周辺を原産地とするヤセウツボ。日本在来のハマウツボの仲間ですが、体が細長く、頼りなさそうであるためこの名がつけられました。春先になると、クローバーに交じって、にょきにょきと伸びてきて、薄紫色の花をつけます。完全寄生であるため葉緑素を持たず、葉っぱらしい葉っぱも見当たりません。この「ヤセウツボ」自体は、特に珍しいというわけでもなく、河川敷や草地、中央分離帯など、クローバーの生えるところであれば、比較的目につきます。そんな中で、ひときわ目につく鮮やかな黄色の個体。その名も「キバナヤセウツボ」。言ってみれば、ヤセウツボのアルビノ的な変種にすぎないのですが、独断と偏見を持ってすると美しいと言わざるを得ない。おまけに、ただのヤセウツボに比べて、個体数が少ないとなると、さらにレア度がアップ。毎年出るというわけでもないようで、見られる年とそうでない年があります。というわけで、調布近辺の皆さんも、春になると探してみてはいかがでしょうか？キバナヤセウツボ（シソ目ハマウツボ科）東京都調布市多摩川河川敷花序いわゆるただの「ヤセウツボ（シソ目ハマウツボ科）」東京都調布市多摩川河川敷

Nov 26, 2015

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