ニッポンとアメリカの｢隙間｣で、もがく。

数ヶ月前に地下鉄の中で冬休み中にDisney on Iceというディズニーのアイススケートショーが来るという広告を見たのだが、その時は子供2人を連れて行くのは無理だろうと思ってそのままになってすっかり忘れていた。

それが、お友達数人が観に行ったということをFacebookやミクシィで知り、しかも当日券もどうもありそうだということを知って、アレックスがデイケアに行く日にルナを連れて行ってみようかという気になった。

実際に行くかどうかの判断は当日の朝、アレックスが元気でデイケアに行けそうだという確信が持ててから、オンラインでチケットを購入。東京でDINKSやってた頃は半年前に1万円以上もする公演のチケットを当たり前のように買っていたものだけれど、幼い子供を抱えて予定の立たない今の生活ではこういうギリギリの判断が精一杯。

バルコニーの一番安い席だったが、ちょうどステージの真正面で、難点は天井からぶら下がっている？照明が邪魔して奥にある山のセットの上の部分が見えないことだったが、最初としては十ニ分。ただ、ルナは幕間にディズニーグッズを売りに来てくれなかったのが不満だったらしい。そりゃビンボ席にはわざわざ売りに来ませんわな（笑）。

ルナには会場に入る直前まで何を見に来るかは知らせなかったので、最初は映画だと思ったり、次はお芝居だと思ったりしていたようだが、最初から最後までずっと夢中になって観ていた。内容はプリンセスが出てくる７つのストーリーのハイライトをそれぞれスケートショーに見立てたもので、特に意識してディズニーの映画を見せているつもりはなかったのだが、ルナは私よりずっと内容やキャラクターを把握していて、私がアレは何？と聞くと、眠れる森の美女の魔物だとかすぐ教えてくれるのにはビックリ。

ルナは小さい頃は本当にこれが女の子かと思うぐらいじっと座っていることができず、こうやってショーやコンサートに連れていくことはおろか、カフェでお茶とケーキなんてことさえ不可能だったので、実はこれが初めて。ショーの世界にすっかり入り込んで時折音楽に合わせて身体を揺すらせたりしている様子を見て、ああ、大きくなったもんだなあ、あの頃はいったいどうなることやらずいぶん悩んでいたけど、時が来ればちゃんと何とかなるものだとしみじみと思った。

ハイライトだけあって、白雪姫・オーロラ姫・シンデレラの御三家はもちろんのこと、ジャスミン、ムーラン、アリエル、ベルとおなじみのプリンセス達がそれぞれのプリンス達とうっとり踊る様子に、もう少女なんてとっくのとうに終わった私もうっとり（笑）。ああ、何と言ってもこれは女の子の夢なんだよなあ。まあ、この年齢になったからこそ現実逃避度も大きいんだけどね。と、子供のためにと思って行った親も一緒に入り込んじゃうディズニーの世界である。

ショーは休憩を入れてたっぷり２時間、十分楽しんだ後はプリンセスグッズを売る売店が子供たちを足止め。1つだけよと言って、3つ欲しいと言ったルナと小競り合いの後、あいだの2つでお互い妥協し、それでもどうせ2日ぐらいで忘れ去られるだろうに20ドルもするスターウォーズの光る刀みたいなのなんて言うんだっけ、それの柄にアリエルがついているモノと、サービスでカキ氷を入れてくれるこれもまたアリエルのカップを買わされる。帰り道、この刀をアレックスが見たらボクも欲しいと言って大喧嘩になることが大いに予想されたので、駅の屋台みたいな店で売ってる半額以下の、ほんとにスターウォーズの光る刀みたいなのを購入。やれやれ。

その後には（私の希望で）ベルトゥッチというチェーン系のイタリアンレストランでランチ。本当はSel de la terreに行きたかったけど、いくら楽になったとはいえ7歳相手じゃコストパフォーマンス悪すぎとセコい判断で。

それからフロッグポンドにスケートに行きたいと言い張るルナを、来年のホリデー用のドレスを買ってあげるからとなだめすかしてショッピングへ。本当は赤系のタータンチェックの、いかにもクリスマスっぽいドレスを買ってやるつもりが、本人の希望で、これになった。私の趣味ではないのでついつい敬遠してしまうのだけど、ルナはこういうチャラチャラしたのが結構似合う。色もこんがり小麦色の肌に映えたりして。すでにセールになっていたのがプラス40％オフプラス会員カード10％で定価の半額以下でゲットでラッキー。

さらにmacy'sというデパートに行って、私が買いたいと思っていた食品保存用の容器セットも10ドル引きで買って満足したところに、デイケアから電話がかかってきて、アレックスが発熱してるから迎えに来てとのこと。

ショーの時間、朝の時間的余裕を見て、最初は10時じゃなくて2時のにしようと思っていたのだが、もし2時にしていたら途中で電話がかかって来るところだった。ひゃー。セーフ。

それで慌てて電車に飛び乗って帰り、家に荷物を置いてバスに飛び乗りアレックスを迎えに。電話がかかってきた頃よりは元気な様子になったとかで、私にはいつもと特に変わりなく見えてひと安心。まあ、前の日に雪で遊びすぎて疲れたんだろう。

家に帰ってからはスターウォーズの刀もケンカすることなく、ここでもハハの咄嗟の判断が功を奏した。

こうやって、母親はその時その時でリスク回避および交渉能力を発揮して危機を乗り越えるものなのである。しかし、その時その時の判断が全て裏目に出て惨憺たる結果につながってしまうこともあるのだが。。。

ルナ、来年はいよいよ、クリスマスシーズンのくるみ割人形にもデビューできるかもしれない。そんな希望も感じることができて、今日は良い一日だった。