人の道=仏の道
「何びとも他人を欺いてはならない。 たといどこにあっても他人を軽んじてはならない。 悩まそうとして怒りの想いをいだいて 互いに他人に苦痛を与えることを望んではならない。 あたかも、母が己が独り子を命を賭けても護るように、 そのように一切の生きとし生けるものどもに対しても、 無量の慈しみの心を起こすべし。 また全世界に対しても無量の慈しみ意(こころ)を起こすべし。 上に、下に、また横に、障害なく怨みなく敵意なき慈しみを行うべし。 立ちつつも、歩みつつも、坐しつつも、臥しつつも、 眠らないでいる限りは、この慈しみの心づかいをしっかりとたもて。 この世では、この状態を崇高な境地と呼ぶ。」 (『ブッダのことば スッタニパータ』第148,149,150,151偈 中村元訳 岩波文庫)人の道、倫理を尽くすと、それは聖者の道、仏の道となります。けっして他人や他の生きものを害することなく、怨むことなく、敵意も抱かず、際限のないほどの慈しみの心を起こしなさいと言われても、実践することはたいへん難しい。だからこそ、これを崇高な境地と呼ぶのですが、この境地を目指すことができるのは、人間だけしかないのです。生きとし生けるものが幸せでありますように!合掌 観学院称徳