心を清める(3)~心のレベル
昨日の続き。迷いと苦しみのもとである煩悩のきずなから逃れる5つの方法「その第四には、何ごとも耐え忍ぶことである。 暑さ・寒さ・飢え・渇きを耐え忍び、 ののしりや謗りを受けても耐え忍ぶことによって、 自分の身を焼き滅ぼす煩悩の火は燃え立たなくなる。 第五には、危険から遠ざかることである。 賢い人が、荒馬や狂犬の危険に近づかないように、 行ってはならない所、交わってはならない友は遠ざける。 このようにすれば煩悩の炎は消え去るのである。」(『仏教聖典 パーリ中部二、一切漏経』117ページ、仏教伝道協会刊)暑さ・寒さ・飢え・渇き、ののしりや謗り、人は自分のおかれた環境や状況に一喜一憂して苦悩します。そうした状況に対立するのではなく、あるがままに受け流して行けば煩悩は生じないのです。危険には近付かなければ、苦悩もなく煩悩も生じることはないのです。しかし気をつけなければならないことがあります。類は友を呼び、自ら墓穴を掘るのです。何故かといえば、悪しき行いをしている人には、同じ心のレベル(波長)を持った人が集まり、悪しき所は、そういう悪しき人々を吸い寄せる力を持っているからですね。そういう悪しき人や所に近付かないためには、自らの心を善き方向に向けることです。自らの心のレベル(波長)を高めることで、あなたに近づく人が違ってきます。高まった分だけ、高いレベルの心を持った人に出逢うことができます。そういう人々が集う所に、自然といることができるようになるのです。悪しき人は、あなたの心を試す心の中の悪魔の化身のようなものです。心の中の悪魔を育て、のさばらせてはいけません。岩波文庫に『ブッダ悪魔との対話~サンユッタ・ニカーヤII』(中村元訳)という原始仏典があります。私が以前に時々引用した『ブッダ神々との対話~サンユッタ・ニカーヤI』の姉妹本です。お釈迦様と対話する悪魔は恐ろしい礼儀知らずな存在ではありません。やさしく思いやりを持った言葉で近付き、その実お釈迦様の心のレベルを下げて行こうという意志を持って、甘い言葉をかけたり、質問を投げかけて来るのですが、お釈迦様は、対話によって悪魔や魔女たちを退散させたり、改心させて行きます。ブッダ悪魔との対話ブッダ神々との対話拙僧の場合は、まだまだブッダの域には遠く及ばないので心の中では悪魔や魔女の甘言に乗っかり、日々傷だらけの戦いを繰り返しています。今回の雪中遍路旅では、清浄な雪の白さに死に装束の白を染めて、少しでも心の穢れを落として来ようと思います。あなたの心のレベルが高まりますように!合掌 観学院称徳