狂ったダイ英モンド Part 1
先週金曜日、帰宅が遅くなり、すでに行きつけのガソリンスタンドが閉まっていた。Motorwayで立ち往生しないよう安全をみてShellで給油する事にした。支払いを済ませ何気なく歩いていった雑誌コーナーでふと目に留まった、馴染みの顔が載った黒い表紙。一冊だけ陳列されていたそれは、(後で判ったが)昨日発売されたばかりの、Q-Magazine発行のPinkFloyd特集号だった。Pink Floydは日本では欧米以上に神格化されていると認識している。翻訳本を出すとなると日本の出版社はOriginalに無理やり格調高い解説を加えたサブカルチャーArt本(=これが文化だ、凄いだろう)といった装丁にしてしまうのではないかと邪推してしまうが、このQ-magazine Special Editionは逆の立場で編集されている。誕生からDavid Gilmour参加とSyd Barrett脱退、Roger Waters脱退+分裂、といった歴史の節目の肌触りを、彼らに関った様々な人々のコメントと写真を用いて表現し、彼らを変に神格化せず、栄光のBritish Rockを支えたバンドの一つとして素直に取り扱っている。しかし、ビギナーのための入門雑誌というような、軽くfashionableなタッチで頁数を稼ぐような趣向では決してない。良心的な価格に反し、十分な発見を与えてくれる内容である。[ざっと見て印象に残った項目(個人的発見が大半)]+何といっても写真群 -- 今まで見た事ないものが大半。特に Nick Masonが撮ったとされるモノクロ写真のRoger Watersの笑顔!+ベストだったLiveと Run Like HellしてしまいたいLiveの紹介。(こういうwittyな表現はUK雑誌の魅力の一つで楽しい。)+ファンによるBest20曲ランキング。世間と自分とでどう段差があるか?確認できる。+Wish You Were Hereのジャケット写真の意図と撮影裏話+The Wallのクレジット記載を巡るRick WrightとRogerWのコメント+デスマスクの謎(何年か前に発売されたTheWallLiveのカバーにある4人のデスマスクが何時作られたのか解った気がする。)+RogerWのツアーにNickMがドラマーとして参加していたとは、、、!+記事から伺えるPinkFloydに絡むUKの場所の数々(Tottenham Court Road, Earls Courtなど身近な所が含まれているので、興味のないLondon各所を足跡巡礼として散歩する事にやや関心が出てきた。。。)などなど、興味は尽きない。各メンバのコメントをつぶさに見ていくと時間が。。。本当にこれで5.99ポンドでいいのだろうか。この巨人達に初めて遭遇したのはもう四半世紀位前になる。少年の自分には想像し得なかった事だが、黎明期の彼らより少し歳上になった目でもう一度そのtextとそのメロディーが醸成されていった背景を眺めると、神同然だった彼らを少し人間側に引き寄せて理解できる。久しぶりに得した気分で、UKの遺産に敬意を払う。*** PINK FLOYD: THE WHOLE CRAZY TRIP ***"Q"のサイトのここを御参照ください。日本からも注文できるようですね。