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テーマ:洋楽(3367)
カテゴリ:書評\/歌詞
昔、兄と不毛な争いをしていた頃「ボランは字が書けないからTANXなんて作ったんだね。」と言われました。当たらずといえども遠からず。とりあえずTanxは口語で存在してますが、ボラン語ではCadillacじゃなくてCadilacだし、ChildじゃなくてChildeだし、Steve 「Peregrine」 TookじゃなくてPeregrinになってます。ボラン的は「Bolanic」じゃなくて「Bolonic」らしい。こんな風に読み書きがおぼつかない人がジョンズ・チルドレン時代には「ブリキの太鼓」を読んでいたり、9歳ぐらいから難解な単語を駆使して詩作をしていたり、というのはなかなかミステリーです。
中川五郎氏のマーク・ボラン詩集が全然ぴんと来ません。あれは中川五郎詩集では?子供の頃初めて目にしたせいか、山本安見氏の訳がいちばんしっくりきます。直訳だし、結構間違ってたりもするんですが。(あの頃の東芝の日本盤はポスターありぃの訳詩付きの巨大ブックレットありぃのですごく豪華でしたね。)3D Visionが「3つのD幻影」とかCorkscrew hairがコルク栓抜きの髪になってるのは、72年ごろはまだそういう単語が輸入されていなかったんでしょうね。後者はマークの造語でしょうけれど。詩が云云というほど普段詩に親しんでいるわけではないのでなんですが、意味に気をとられて意訳するよりは、直訳のほうが私は好ましいです。特にティラノの訳詩とか意訳に心を砕いている感じがします。T.レックス以上にティラノの詩は日本語に置き換えるのが大変な気がいたします。 上田敏先生だったらどう訳したかしら。日本人はやっぱり七五調よね。ブラウニングもヴェルレーヌも名訳だと思います。意味は大分違っちゃっても。 プロの仕事には敬意を払いたいけれど、Total T.Rexのブックレットで、Life's a gasを「人生は屁だ」と訳してあったのにはのけぞりました。でも、シーラ・ブラックとデュエットで見つめあって「♪人生は屁♪」と歌ってる図はなかなか楽しいものがあるかも。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/03/28 03:44:05 PM
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