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じゅびあの徒然日記

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2007年04月14日
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カテゴリ:気ままな話
医者の筆記用具、というとまず一般的なのは製薬会社名や商品名入りのボールペン。
MR(医薬情報担当者)さんたちが無料で配ったものである。
確かに病棟で、診察室で、使ってそのまま忘れてしまうことも多いが、紛失しても探す必要が無い。
研修医時代は、そういった筆記用具を使い続けていた。

その後、大学合格時にもらって引き出しにしまいっぱなしになっていたボールペン達の出番となった。
軸の細いモンブランにパーカー、ミキモトの真珠入り...。

今は、といえば筆記用具には結構こだわっている。
精神科医は、とにかくカルテ記載量が多い。
肩も腕も手も痛くなるくらいだから、書きやすいもの、疲れにくいものを選びたい。
さらに、「筆記すること」そのものに楽しみを覚えるような道具であればなおよい。
筆記用具の軸の太さ、グリップの良さ、重心、筆圧と全体の重さのバランス、デザイン、インクそのものの粘り。

現在カルテ書きに使用しているのが、モンブランのスターウォーカー、100周年記念モデル。
ボールペンでなく、万年筆だ。
インクはレーシンググリーンにしたかったのだが、某空港免税店でインクカートリッジの買い貯めをしようとしたら、黒しか取り扱いがなく、普通にブラックを使っている。
モンブランのブルーブラックは公文書に使えるほど水に強いが、粘りが強く特殊でお手入れに注意が要るそうなので、未体験。
連休で使わずに数日置いて、ペン先が詰まったりしたら大変だし(ペン先交換には日数とお金がかかる)。
キャップの頭、透明樹脂の中に封じ込められているのは、ダイヤモンドのホワイトスター。
無料サービスだった時にネーム入れをしてもらった。
表面にモンブランの山の絵が刻まれた限定ペン先は18金で、ほどよい柔らかさ。
白衣の胸ポケットに小さいダイヤモンドがひとつ、というのも宝飾品をあまり身に着けられない医師としては、アクセ代わりの感覚で楽しい。
使わない時は必ず立てて休ませ、月に1回くらいは、キャップの中で結露したインクを綿棒で拭き取り、カートリッジ交換時にペン先を洗浄、乾燥する。
いかにも「道具」という感じ。
難点は、カートリッジのインクが1週間(勤務日数からすれば5日)もたないこと。
ちょっと沢山話す患者さんの記事を記載すると、3日で「もう無いの!?」ということも。
マイスターシリーズなら、コンバーター吸引式なのでボトルインクが使え、もう少し経済的だった。

万年筆にする前は、ボールペンのほうのマイスターシュテュック、「ショパン」のプラチナラインを使っていた。
今こちらのペンは、診断書などの書類用。
愛用していたのだが、マイスターの万年筆を使っているドクターに「モンブランはボールペンもいいけれど、やっぱり万年筆のメーカー、使ってみないと良さがわからないよ」と勧められ、前述の100周年記念モデルを買ったのだ。
こちらのボールペンもやはり優れもの。
軸の太さ、グリップ、重さバランスは言うこと無し。
何が違うって、ボールペンのペン先、つまりボールそのものが違う。
非常にインクの出が滑らかで、ボールペン特有の「カリカリ感」がない。
普通のボールペンは紙質によってボールが引っかかることがあるが、それがない。
自然にスーッとインクが紙に乗ってくる。
ひとつ難点は、インクの出が滑らかすぎて、カーボン複写の書類では下に全く写っていなかった、ということが時々あること。
元々筆圧が高い私だったが、ショパンはペンの自重だけでボールが滑らかに回転するので、力が要らなくなってしまったのだ。
このペンは軸の上半分を回してペン先を繰り出す構造だが、繰り出す瞬間に音もなくクリックされる感触を密かに手で味わうのが好き。

私に万年筆を勧めてくれたドクターは、コンバーター式の万年筆を愛用中だが、ボールペンはマイスターシリーズでは物足らないそうで、スターウォーカーのメタルラバーを使っている。
メタルラバーの金属のラインが、デザインとしてだけでなく、自然に手の滑りを防ぐと言う。
一度借りて書かせてもらったが、メタルラバーは手の小さい私にはやはり軸が太くて、重い。

物書きでもないのに確かに高価だけれど、筆記業務の多い人は道具を選ぶと疲れが違う。
書くという動作そのものも楽しくなるので、試してみて。





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最終更新日  2007年04月14日 23時23分51秒
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