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カテゴリ:統合失調症
患者さんが医者に恋愛感情、いや恋愛妄想を抱くことは頻繁にある。
親切にした主治医に対し、というのはもちろん、時として1回も口を利いたことのない、他の先生の担当する患者さんが恋愛妄想を持ったりするから困ってしまう。 私の患者さんでも、病院長に恋愛妄想を持っている女性がいる。 患者さんにはもちろん主治医を選ぶ権利があるのだが、彼女の場合、「院長への想いが伝わらない」ということで、調子が悪くなると「私は男の先生がいいと思うんです」「先生のことは第一印象から合わないと思っていました」と、主治医交代を迫ってくる。 院長先生の担当する他の患者さんとのいざこざも多い。 「●●さんは、院長先生の患者だと思って、好き勝手なことをしている。院長先生の患者だからこそ、あんなことをしてはいけないのに。すぐに閉鎖病棟へ行くべき」という調子だ。 院長先生が診察室で他の患者さんを診察していると、詰所にやってきて「今診察をしているのはどの先生ですか?」と隙あれば入りこもうとする。 ...要するに、妄想対象である院長先生に診てもらいたいのである。 こういう要求はのむわけにいかないから、「あなたは主治医が女性である方が、距離が保ててよいと思う」と話して、なんとか診察を続けているのだが...。 診察のたびに毎回「院長先生、うっふん♪私の方を見てほしい♪あなたってシャイな人ね♪手に手をとって♪私あなたと生きていくのね(作詞らしい)」などとよれよれの字で書かれたメモ書きを読まされて、院長先生に渡すよう預けられ、じゅびあ先生まいっちんぐなのである。 「喫煙室の自販機前で、○月×日△時に待ってます。必ずいらしてくださいね」っていうお手紙もあったな。 一応ちゃんと毎回院長先生にお届けしていますよ、Rさん。 院長は「止めてよー」とごみ箱直行させてるみたいだけど。 私もしっかり恋愛妄想の対象になったことが何回かある。 1人は一度も喋ったことのない患者さんで、こっちは主治医でないから顔も知らない。 本人が大喜びで妄想と結びつけるので、顔を確認しにも行けなかった。 カルテ記載とデイケアからの報告からでだけ、自分が妄想対象なのを知っているのだ。 「じゅびあ先生は3×歳でしょう。僕と結婚するのにちょうど釣り合うと思います。」 「バツイチなんでしょう。僕は電話番号も住所も知っているんです(電話帳にも医局名簿にも掲載されていない)。そういうのって、調べる方法があるんですよ(住民票でも閲覧したのか)。」 「じゅびあ先生にお中元を贈りたいんです。暑中見舞いを100枚送るのはどうでしょう。」 ...これ、かなり怖かった。 しかもこの人は自宅が近くてね。 デイケアはレクなどのルートでうちの近所を通るのを避けてくれていたし、主治医も「そんなことをしたらじゅびあ先生が気味悪がると思います」と押し留めてくれていた。 カルテ記事によれば、執拗に私への主治医交代を要求した痕跡もあった。 わざわざ主治医を外して予約外で私の一般再来を選んで来院することもあって、他の先生に肩代わりしてもらったこともある。 カルテに主治医の字で「現実検討力の低下」と書いてあったのがちょっと笑えた。 一応不釣り合いだと思ってくれたのねって(爆)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年06月17日 22時30分14秒
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