宇宙機用OS
本日、JAXAと名古屋大学が共同研究で衛星機器等に搭載するOSを開発すると発表された。ベースになるOSは、豊橋技術科学大学がつくり現在NPOで活動しているToppersというOSだ。Toppersは、uITRONの成果を組み入れて作られているらしい。uITRONは、組み込み型OSとして日本メーカではずいぶんと多くの情報機器に使われているが、Toppersプロジェクトは、それを一段とセキュアに、そして高信頼に仕立て上げ、オープンソースとして公開していくことを目的としている。windows mobile等、携帯電話やPDAの領域にも進出してきたマイクロソフトに、携帯電話OSのsymbianや、Linuxががんばっているが、日本勢としてもぜひTRONというすばらしい資産を武器に、こうした技術開発をがんばってほしい。ITRONにも、当然通信機能として通常のTCP/IP(v4)プロトコルスタックは実装されている。現在のTCP/IPでは、ネットワーク遅延はせいぜい数秒程度を想定して設計されている。月へ飛んだ宇宙船にpingをうった場合、そのレスポンスは最低2.5秒もかかる。月との距離38万Kmが、光の速度=電波の速度で片道1.27秒のネットワーク遅延を生むからである。これが、火星探査機へのpingであれば片道6分、太陽となると片道8分だ。地球上では、ありえない大きさである。宇宙機用のToppersでは、是非NASAが研究しているという惑星間インターネットの技術を組み入れてくれると、おもしろいなぁ、と無責任に思う。惑星間インターネットの仕組みは、「ネットワークマガジン」(アスキー)2005/11号に特集が組まれているので、将来のネットワークエンジニアの方は、勉強していただきたい・・・?