【不安とうまくつき合おう】
【不安とうまくつき合おう】 脳科学者・中野信子氏の言葉から。《人の心をいっぱいにしがちなのが「不安」です。 受験はうまくいくだろうか、仕事はうまくいくだろうか、パートナーは自分 を裏切らないだろうか、お金は足りるだろうか、ずっと健康でいられるだろ うかなど、人は数々の不安を抱えて生きています。 不安を抱え込みすぎていると、他人を正しく素直にほめられないばかりか、 自分の不安に気づいてくれない周囲の人間や、不安を何とかしてくれない パートナーなどに不満をぶつけるなどしてしまいます。 そこで、まずはこの不安を何とかしましょう。 不安を感じたら、心に余裕がなくなっていると思って、次の対処法をためし てみてください。◎セロトニンの分泌量が増えるような生活習慣にする セロトニンの分泌量を増やすには、早寝早起きの規則正しい生活、適度な運 動、リラックスしたお風呂タイムをもつのがコツです。◎不安は「生理現象」と割り切る 女性の場合、とくに生理前にはセロトニンの分泌量が減る、といわれていま す。そんなこともありますから「不安も生理現象のひとつ」として割り切る のも手です。 「どうして不安になるのだろう?」「心配でしかたがない」などとあれこれ と考え、不安を真っ正面からじかに受け止めてしまうのではなく、これは おなかがすいたり、生理前になると腹痛や腰痛が起きるのと同じ生理現象な のだ、セロトニンの分泌量が減っているにすぎないのだ、と考えるのです。 そう考えれば、不安がさらに不安を呼び、ますます不安になっていってしま う、という悪循環を避け、自分の状態をコントロールしながら、しんどい 時期をうまく乗り切ることができるでしょう。◎不安のとらえ方を変えてみる たいていの人は「できれば不安はなくしたい」と考えるかもしれませんが、 不安は人が生きていくうえで必要な機能、ともいえます。 不安があるからこそ、人は備え、工夫し、努力できる一面があります。 病気になったらどうしよう、そうならないために生活習慣を見直す、会社の リストラ候補になったらどうしよう、そうならないために精いっぱい努力す る、などというように。 セロトニンの分泌量が抑えられているのは、人をあまりに能天気にさせない ための脳の働きかもしれません。◎不安を箱にしまってしまう といっても不安のなかには、漠然とした不安というものもあります。 こんなときには、不安を感じている自分を客観視するという方法も有効です。 不安を感じたら、「ああ、私はいま、不安を感じているな」と自覚してみるの です。 そして不安をひとつのモノとして、自分から切り離して考えてみます。 いま、私は「不安」というモノを抱えているな、いろいろ考えるべきことは あるかもしれないけど、とりあえずはいまこの「不安」というモノを箱の中 にしまって、今日は寝てしまおう、不安になるのは後回しにしよう、などと 考える。 しっかり眠って翌朝その箱を開けると、不安がなくなっている場合も少なく ありません。》 (出典元:中野信子著「科学がつきとめた運のいい人」サンマーク文庫) * * * 不安とは、けっして悪いことではないと、もう一度認識しましょう。 不安があることで、私たちは生きる目的を見つけることもできます。 もちろん、不安だらけで夢も希望もないのが人生だと決めつけるのはダメだ と思います。 不安に負けてはいけませんし、不安から逃げることもよくないことですが、 不安になることを恐れる必要はないのです。 不安なこともあるのが人生で、その不安とうまくつき合いながら、一日一日 を大切にして生きていく。 その一日の中には、楽しいこともいいこともあるはずです。 自分のまわりに、不安を抱えている人がいたら声をかけてあげましょう。 ちょっとしたひと言や励ましが、元気を与えることにもなるのです。 (by ハートリンクス)