【書籍感想】物語 北欧神話 下
書籍の感想です。今回は「物語北欧神話下」です。物語 北欧神話 下 / ニール・ゲイマン 【本】北欧神話のラストと言えばラグナロクなわけで、何かきっかけがあるかと思ったのですが明確なきっかけがあるわけではないのですね。この本では「大いなる冬」が訪れ、いろいろなものが縛めから開放されるとあります。ロキもフェンリルもきつく拘束されていたのにこの大いなる冬により開放されてしまいます。そして、巨人やヨルムンガンドなども集まってラグナロクが始まります。さて下巻はラグナロクの前にいくつかのお話を載せていますが、トールの破天荒ぶりが目立ちますね。大釜を借りにいったはずなのに、相手の飼っている牛を殺してしまったり、散々なことをやります。なまじ強いだけに手に終えません・・・後はロキの目的も良くわかりません。オーディンと義兄弟の契りを交わしていたわけですが、本当は神々を憎んていたのでしょうか?だからバルドルを死に追いやったんですかねえ。バルドルの死はロキが内面に隠していた計画を実行にうつしただけなのかもしれませんが、ラグナロク発動の条件だったのかなぁ?ただ、ラストを読むと、ラグナロクは単なる最後の戦いではないことがわかります。新しい世界の始まりでもあるのです。古いルールの打破と新しい世界の創設を目指したのがロキだったのかもしれません。