【書籍感想】上流階級 富久丸百貨店外商部II
書籍の感想です。今回は「上流階級 富久丸百貨店外商部II」です。【中古】 上流階級 富久丸百貨店外商部 II /高殿円(著者) 【中古】afb上流階級 富久丸百貨店外商部の続編ですね。外商部に滅多にいない女性外商部員鮫島静緒さんのお話です。前回、なんとなく外商の仕事のことが分かってきて、外商部に残ることができた静緒ですが、ノルマをだんだん上がってくるし、苦戦を強いられます。そもそもは百貨店という業態が苦しいわけです。同じ商品がネットで格安で売られているなどということはよくあることです。その状況でも安売りしないで、売る。そして、定期的に開催する催事に足を運んでもらい、飼ってもらうことは並大抵のことではありません。催事での商品も毎年同じでは飽きられてしまうので、そもそも催事で買わないどころか参加されるかたも先細りの傾向であることは間違いないようです。「何か良い企画はないか」「なにが目玉になる商品はないか」企画書の提出を促されながらも静緒はなかなか良い提案を出せません。しかし、ある時、静緒は「物そのものを売るのではなく」別のものが売れれば結果として物が売れていくのではないかと考えたのです。それは「恩」や「縁(コネクション)」といったものです。確かに親切にしてくれたお店って贔屓にしますもんね。多少高くても、「親切にしてほしいし、今後も頑張って欲しい」と思ってそのお店を利用しようと思うことも十分考えられます。ましてや「縁やコネクション」を非常に大切に思っている上流階級の方からしてみれば・・・ここから静緒の破天荒な提案が生まれ、当初は否定的な意見も多かったのですが、うねりとなって、大きなイベントとなっていくのです。静緒さんの活躍面白いですね。途中、同僚の桝家との関係だったり、彼の家に話だったり、プライベートな話、プライベートな問題なども絡み合って、話が進んでいって読んでいてとても面白いです。おススメです。