【書籍感想】ヘブンメイカー スタープレイヤーII
書籍の感想です。今回は「ヘブンメイカー スタープレイヤーII」です。ヘブンメイカー スタープレイヤーII(2) [ 恒川 光太郎 ]一応、前作の「スタープレイヤー」の名を冠しており、その続きということになるんでしょうが、内容的には関連性はありません。スタープレイヤー【電子書籍】[ 恒川 光太郎 ]あくまでも同じ世界観の話、ということですね。別の世界に転生させられて、10個の願いを叶えらえる「スタープレイヤー」という存在になってしまった人の話です。前作では女性が主人公でしたが、今回は佐伯逸輝(さえきいつき)という男性が主人公、つまりスタープレイヤーです。彼は中学の時好きだった女性に偶然再会します。交際を申し込んだところ、「実は付き合っている男性がいる。しかし、最近嫌な面が見えてきたので、別れようと思っている。別れるまでは不義になるのでまだ付き合えない。話をつけるので、少し待って欲しい」と言われます。しかし・・・その2日後、彼女は殺されてしまいます。その交際相手という男性が別れを切り出されたことで彼女を殺してしまったのです。彼女が死んでしまったのは自分のせいではないか?そんな思いに悩んでいたところで、彼はスタープレイヤーとして異世界に転生させられてしまいます。そして10個の願いを叶えることができる、というのです。当然ですが、彼は「殺された華屋律子を生き返らせること」という願いを持ちます。スタープレイヤーはねがうとき、スターボードというものに願いを書き込みます。すると、「審査OK」か「審査NG」か判定されます。願いを100個に増やすとかはNGですが、善悪とかの概念も規模も関係なく、可能なことは可能です。例えば自分が住んでいた町そのものを再現する、とか、死んだ人間を死んだときの記憶がない上で生き返らせる、とか。ある意味、神の所業ですね。準備を重ねたうえで、いよいよ律子を生き返らせ、律子との二人だけの生活を始めることができた逸輝ですが、おとぎ話ではないので、「いつまでも幸せに暮らしました」とはなりません。この世界に二人以外に人間がいることがわかり、さらにほかにもスタープレイヤーがいることがわかり、彼らと関係を持つうちに、律子に「この世界に律子を呼んだ」のが誰か、ということがばれてしまいます。律子は「この世界に強制的に連れてこられた。その上、嘘もつかれていた」と怒りますが、逸輝からしてみれば、「地球では律子は死んでしまっており、この世界で再生させた。」ということなのですが、不信感しかない律子にはそんな言葉は信じられません。そして、二人は別れを迎えるのでした。そして・・・彼は残りの願いを自分のため、世界のために使っていくのでした。願いは、例えば、この世界で虐げられてる人種を含めた人々が階級などに縛られずに生きていけるような堅固で安定的な塔を建造すること。例えば、地球で犯罪を犯した人を強制的に召喚し、亀のような姿にして、罪を償わせる。例えば、地球で不慮の事態で死んでしまった善良な人々を召喚し、一つの街を作り、新しい人生を歩ませること。などなど。思ったようにいかず、余計混乱する事態になったものもあれば、それはそれで幸せになった人もいました。私はなかなか良い10個の願いだったのではないかな、と思いました。さて、皆さんはもしスタープレイヤーになっちゃったらどんな願いを願いますか?