森田先生曰く。
富士山で強力のような仕事をしている人は、仕事を始めたときは1週間くらい足が痛くて便所でかがむこともできないくらいの痛みが出てくる。
そこであきらめてしまっては仕事にならない。
その痛みに耐えて仕事を続けていると、痛みがなくなりシーズンを通して仕事ができるようになる。
この話は耐えがたい痛みがあっても、そのまま我慢して仕事をしていると、痛みがいつの間にか消えていく。
足が痛くてつらいので回復に専念するという態度になると仕事にはならない。
目の前にやらなければいけないことがあっても、自分の都合を優先するというのは気分本位の態度である。
しんどい、辛い、やる気にならないということは仕事や生活の中でいくらでもあります。
しかしこれらの感情や気分に振り回されてしまうと、生活が後退し、怠惰な生活となる。安易に人に依存するようになる。
観念的になり、内向きで思考が空回りするようになる。
人間関係も希薄になり、次第に孤立してくる。
坂道を転がる雪だるまのように、観念と生活の悪循環がどんどんと拡大していく。
どんなに気分が行動することを拒否しても、必要なときに、必要に応じて、必要なだけの行動をこなしていくことが肝心です。
気分本位を吹き飛ばすためのとっておきの方法があります。
たとえば月曜日の朝は誰でも会社に行くというのは気が重いものです。
喜んで会社に行くという人もいるでしょうが数としては少数派でしょう。
ではどうすればよいのか。まずA4用紙を用意しましょう。
その左右の真ん中に線を引きます。上下のまん中にも線を引きます。
4等分するのです。
次に左側の上に「行動した場合」のメリットを書きます。
その下にデメリットを書きます。
次に右側の上に「行動しなかった場合」のメリットを書きます。
その下にデメリットを書きます。
これを分析するのです。
(例)月曜日の朝、どうも気が重いので仮病を使って仕事を休むことにしたい。
1、 その気持ちを行動に移した場合のメリット
重苦しい気持ちが無くなる。一瞬気が楽になる。
2、 休んだ場合のデメリット
仕事が2倍にたまって明日がしんどくなることが予想される。
当面の自分の仕事を他の者が手分けをしてやることになる。
他人に迷惑がかかる。次の日不平や不満が出ることが予想される。
パジャマのまま寝ていたら退屈になってくる。
みんなが仕事をしているのになんと自分は情けない人間なのだろうと自己嫌悪に陥るかもしれない。
家族の生活をどうして支えていくというのか。
3、 気は重かったが休まないで出社した場合のメリット
気は重かったがとりあえず身支度をして会社に向かった。
会社に着いて仕事を始めたがなんか体が重い。
昼過ぎまではボツボツならし運転程度の仕事ぶりだった。
昼ご飯を食べた後少し眠くなった。それを過ぎると少しずつ仕事モードに切り替わっていった。
帰る頃には普段の仕事のリズムがなんとか取り戻せた。
休んでしまうと火曜日がそんな状態になり1日分無駄になる。
4、 休まなかった場合のデメリット
気が重いという気持ちを持ちながらしかたなく準備を始める。
イヤイヤ足を引きずるようにして会社に向かうという選択。
こちらの選択が好ましいと感じた。
休まずに出社したことの大きなデメリットは思い浮かばない。
この4つを書き終えたらよく比べてみる。
1は瞬間的には気が楽になる。でもあとで気が重くなり後悔するようになる。
2の選択は悪いことばかりになってしまう。
3は最初注射針を差し込まれたような痛さはあるが、総合的に判断してみるとこれでよい。
4は一時の気分に振り回されて安易な方向に向かわないほうがよいと改めて感じる。