落語家の立川談四楼氏のお話です。
古典落語は200も300もあるそうですが、昭和の名人に先代桂文楽がいました。
普通の落語家は古典落語を次々に覚えて芸の幅を広げます。
桂文楽は100くらいの噺を覚えた後は、その数を増やさなかった。
その代わり自分の覚えた噺を磨くことに心血を注いでいた。
ネタはすべて18番だった。うなるほどうまかった。
しかも20分の噺を演じると、20分きっかりで下りてきました。
精密機械と噂されていました。
談四楼氏の師匠は立川談志師匠ですが、その談志がこう言ったことがあります。
「恐ろしいのはコツコツやるやつだ。一つのことを30年やったやつにはかなわねえ」
先代桂文楽師匠のような人を見ていて、つい本音を吐露したのでしょう。
(落語家のもの覚え 立川談四楼 ちくま文庫)
この話は神経質性格者にとってとても役に立つ話です。
我々は細かいことによく気が付きます。生の欲望も強い。
失敗の原因をするどく分析する能力も持っている。
また強い執着性を持っています。
それらの性格をプラスに活かすようにするとよいと学びました。
仕事でも趣味でも何でもいいのですが、これはおもしろいというものを一つだけ見つける。
私の場合でいえば、日記を書くこと、集談会に参加すること、そしてこのブログの投稿です。
毎日投稿してもう12年目に入っています。
目標はこの先18年間継続することです。
毎朝6時20分には起床してブログを作ることが習慣になりました。
規則正しい生活習慣が確立して、朝頭のさえた時間帯を有効活用できるようになりました。読書量が増え、文章作成能力も高まりました。
さらに森田理論をより深く深耕することができるようになりました。
自分のために始めたことが、人の役に立つ活動に変わってきました。
森田理論を仕事や生活面に活用・応用することもできるようになりました。
皆さんもそれぞれ課題や目標を持って生活されていることと思います。
まだの方は今からでも遅くはありません。思い立ったが吉日。
これはというものを探してみませんか。
水谷啓二先生は、「我々神経質者は風雲に乗じて成功を収めるタイプではない。平凡を20年、30年と積み重ねると極めて稀な非凡な人となれる」と言われています。
高良武久先生は10年一つのことに取り組むと誰でもその道の専門家になれる。
それが自信になって神経症の克服に向かうと言われています。
よい習慣は3ヶ月で身につくと言われています。
規則正しい生活習慣から取り組むことをお勧めしたいと思います。