カテゴリ:不安の特徴と役割、欲望と不安の関係
まず「現在になりきる」という面があります。
目の前のことや他人から依頼されたことに対して、一心不乱に取り組むということです。そうすればあっという間に時間が経ちます。 森田先生はお使い根性の取り組み方は厳しく指摘されています。 「ものそのものになってみよ。天地万物全て我が物」と言われています。 指示されたからイヤイヤ仕方なくするというのは、最初の段階では仕方ない面があります。 でもいつまでもそのような気持ちで取り組んでいると、いつまで経っても意欲的になれません。 依頼された人から感謝されるようなことにはならないと思います。 「現在になりきる」ための取り組み方あります。 何か問題点や課題はないか、改善点や改良するところはないかという視点を持って取り組むようにすることです。どんな小さなことでも構わない。 気づきや発見が見つかったら多少面倒でもすぐにメモしましょう。 そうしないとせっかくの宝物が忘却の彼方へと飛んで行ってしまうからです。 「現在になりきる」というのは、森田が目指していることです。 もうひとつの側面は、「苦痛になりきる・弱くなりきる」ということです。 苦痛や恐怖になりきるとは、その苦痛をそのまま忍受することです。 取り除いたり、逃げたりしないで、苦痛や恐怖と一体になるということです。 反抗しないで受け入れると、不安や恐怖は張り合いをなくして急速に遠ざかっていきます。 苦痛や恐怖は台風と同じような自然現象なので手出し無用です。 しかし、不安や恐怖を受け入れられないから、神経症になったのに、それを受け入れなさいというのは無茶なことだと反発したくなります。 この点について森田理論は、神経症的な不安や恐怖の裏側には、欲望が隠れていますよ教えてくれています。 「苦痛になりきる・弱くなりきる」ためには、自分の「生の欲望」を見極めて、そちらの方に注力するようにすればよいのです。 神経症の人は、どうすることもできないことに時間と精力をつぎ込み、手掛けなければいけないことを軽視、無視する傾向があります。 これを逆転させれば万事うまく収まります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.06.19 06:49:27
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