次のような相談がありました。仕事に意欲的に取り組めない。
上司や同僚からやる気を出して真面目に仕事に取り組んでくれと言われる。
最低限の責任を果たしてもらわないと、仕事が回っていかない。
何とかなりませんか。
自分でも何とかしたいと思うのだが、エネルギーが枯渇したような状態で、体が全く言うことを効かない。
このままではいずれ退職するようなことになるかもしれない。
こういう場合は、どうすればよいのでしょうか。
この問題を考える前に、まず確認しておきたいことがあります。
やる気になれないと言われていますが、それは今現在の状態であって、うつ病でもない限り、根っから無気力だというのは違うと思いますが如何でしょうか。
その証拠に火事になれば誰でも一目散に逃げだします。
やり方を変えればやる気のある人間に変身できるはずです。
意欲的になれない原因は、「動機付け」の有無だと思います。
「動機付け」というのは、「外発的動機付け」「内発的動機付け」の二種類があります。
「外発的動機付け」というのは、上司や他人からの指示・命令などです。
「外発的動機付け」は初期段階ではかまいませんが、そのうち「内発的動機付け」に転換することが大事になります。
いつまでも「お使い根性」の仕事ぶりではいただけません。
「内発的動機付け」とは、課題や仕事に取り組んでいる中で、問題点、課題、改善点、改良点、面白み、楽しみに気付いたときに出てくるものです。
行動への意欲が自然に高まってきます。
イヤイヤ始めた事でも、そういう意識を持って取り組んでいると、見つけられるようになるのです。見つかったら忘れないようにメモしておくことが肝心です。
課題や目標を持てた時、誰でも意欲的になります。
その他、好奇心を活かして好きなものを見つけたとき、ライバルを意識したとき、規則正しい生活習慣を作りあげたときも意欲的な人間に変身できます。
これについてはいずれまた投稿します。
さて、次にもう一つ気をつけたいことがあります。
せっかく意欲的になっても、障害物に遭遇するとすぐに意欲が失われてしまう場合です。例えば毎日ランニングをしようと決めても3日坊主で終わってしまう。
森田全集第5巻を読破しようと決めても、すぐに頓挫してしまう。
こんなとき自分は意志が弱いと自己否定する場合があります。
これはやり方に問題があるのであって、あなたの意志が弱いからではありません。
こういう場合は、一人で取り組むよりも仲間を誘って取り組むようにした方がよいのです。
私は訪問営業をしていたときに、同行営業でうまくいったことがありました。
単独営業で辛いことがあると、ついサボってしまうのです。
同行営業では相手の存在が制御力として機能してくれるのです。
気分本位に流されることを防止できます。
ランニングでいえば、友達、配偶者、子供、「○○町の走ろう会」のメンバーといっしょに走る。
森田全集第5巻の読破でいえば、全国に「森田全集第5巻を読む会」があります。
それらの会に入ってみんなで学習することです。無理なく継続できます。
ちなみに私が40年近く森田理論を学ぶ集談会に留まることができた理由は、世話活動を続けてきたからです。
今考えるとしんどいと思っていた世話活動が、私を森田につなぎとめる役割を果していたのです。
それがなければ、森田の金鉱にたどり着くこともなく、無念の人生に甘んじていたことでしょう。
継続力はなかなか手ごわい相手ですから、他人の力を借りることを提案したいと思います。