カテゴリ:行動のポイント
集談会で自己中心性を打破するために「人の為に尽くす」を実践すればよいと聞いたことがあります。
ここでいう自己中心という言葉は、一般的には自分勝手な人のことを指します。 森田では、注意や意識が外向きにならずにどんどん内向化してくるということだと言われています。 その2つの自己中心性を打破するために、「人の為に尽くす」という手法を利用しているように思われます。 「森田理論学習の実際」には次のように説明されています。 人のためにつくす(自己中心性の打破) 「人のためにつくす」というと、非常に大げさに考えて、「何か人のために役に立つことをしないといけない」と考えがちですが、このように大きく構えると、それがまたとらわれともなります。従って大げさに考えず、人の立場、気持ちを考えながら行動する、つまり人に迷惑をかけないように行動する、というように考えればよいと思います。 ・・・このようなことを心がけて行動すれば、自分にばかり向いていた注意が次第に外へ向かうようになります。 また主観的なものの考え方、見かたから、客観的な見かた考えかたができるようになります。 ここでは人に迷惑をかけないように行動を制御することが「人のためにつくす」ことであると説明されています。 集談会で改めて議論してみました。様々な意見が出ました。 ・「人」と「為」をくっつけると「偽」(にせもの)という字になる。 ・「人の為に尽くす」という言葉は、裏になにか魂胆があるような雰囲気がある。 ・「小さな親切、大きなお世話」という言葉に近い。相手の求めているものでないものを押し付けるようなことになりやすい。 ・王貞治氏は「チーム為に仕事をしているのではない。自分のために仕事をしているのだ」と言われている。 ・「人の為に尽くす」は自己犠牲の上に成り立っているのではないか。 ・「自分のために尽くす」が先で、その結果として「人の為になっている」という順序が逆になるとまずいのではないか。 ・「人の為に尽くす」を「自分の為に尽くす」ことの延長線上で考えられないか。 ・森田先生は「人のために尽くせ」とは言われていないと思う。他人からどんなに少々悪く思われ、間抜けと見下げられても、人を気軽く便利に、幸せにするように心がけた方がよいと言われている。つまり人の役に立つ人間になれと言われていると思う。 ・「人の為に尽くす」という言葉は本音からでた言葉ではないので、真剣になれないし長続きがしない。 以上の点を踏まえて、料理を提供する仕事で「人の為に尽くす」ということはどういうことかを考えてみました。 ・値段以下のまずい料理を提供しているとリピート客はまず来ないでしょう。 ・値段に見合った料理だけでは、また来店してくれるかどうか心もとない。 仕事は生活費を獲得するために避けて通れないものという考え方に固執していると、仕事は大変つらいものになります。それどころか客足が遠のいてきます。 ・おいしい、安い、早い、店内の掃除が行き届いている、接客態度がよかった、交通の便がよい場合は、また来店してくれる可能性があります。 ・こんなおいしい料理を食べたのは初めてだという場合は、ぜひまた来店したいと思うでしょう。そのお店のことは友達に知らせたくなります。口コミで評判になります。家族も連れて行きたくなります。店は繁盛店になります。 お客様を感動させてみたいという目標を持って仕事をすれば、仕事はとても楽しいものやりがいのあるものに変わっていきます。 これは「人の為に尽くす」という行動ではなく、自分の目標や目的を貪欲に追い求めています。その気持ちが相手に伝わり、相手を感動させ、相手から感謝されている。 人の為に尽くすという言葉をこのように考えてはいかがでしょうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.07.02 06:37:13
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