大勢の人の前で講演をする。自己紹介をする。自分の見解を述べる。
スポーツで勝ち負けをかけて勝負をする。人前でカラオケを歌う。
観客の前で楽器演奏をする。模範演技をする。
あがり症の人は、過緊張して頭が真っ白になってしまいます。
ミスや失敗をして人前で恥をかくことになります。
過去の失敗がトラウマになると、予期不安で次からは手も足も出せなくなります。
これは脳がノルアドレナリン主導の防衛系神経回路で支配されている状態です。
でもすべての人がそうなるわけではありません。
大勢の人が見ているときでも練習以上の成果をあげる人もいます。
脳内をドパミン主導の報酬系神経回路が駆け巡っているのです。
そういう人は子ども頃に小さなミスや失敗を数多く経験してきた人です。
そして失敗を失敗のままに終わらせないで何とか乗り越えてきている。
たとえ失敗しても、最終的には成功体験につながっている。
過去の失敗の積み重ねが大人になって活きているのです。
過去の失敗経験を成功のための糧として役立てている。
やっとリベンジの機会がやってきた。
この前の借りを返すぞ。今度は対策を立てたので絶対うまくやれる。
などとまるで反対の気持ちが湧き上がってくるのです。
小さい頃にミスや失敗から逃げ回ってきた人は、大人になってからすぐに悲観的になり、逃げだすことばかり考えるようになります。
さらに神経質性格の人は、完全欲が強くて、ミスや失敗を許すことができない。
「かくあるべし」で現実を否定することが多くなります。
さらにかけがいのない自分自身を否定してしまう。
このパターンにはまっていることが自分ではよく分からなくなっている。
なすすべがないのでしょうか。
そういう人は以上のことを自覚することが肝心です。
そして対策を立てればある程度立て直すことができます。
今日はその一つをご紹介します。
杉山崇氏は、眼は脳の一部で、眼を意識的に動かすと、脳に刺激を与えて脳の状態を切り替えることができます。
不快な感情、怒りの感情、本能的な欲望が暴走している時、眼は「遠くの一点を見つめて、ほとんどまばたきをしない」など特有な動きをします。
これはネガティブな感情や欲望に心を奪われて、脳が意識を切り替えられなくなっている状態を示しています。
逆に考えられれば、感情に心を奪われそうなときは、眼の動きを変えて脳に刺激を与えることで感情をクールダウンさせることができます。
そこで次のようなエクササイズをすると効果があります。
①顔の向きを固定したまま、眼だけを左右に動かす。
②見えているものが変わるので、その変化に注目する。
③眼を2~3往復させたら一息つく。たったこれだけです。
たったこれだけなのですが、やる前とは気分や意識が変わっているのを実感できないでしょうか。
眼は脳の一部であるため、これだけのことで脳に「気持ちを切り替えろ」という合図を出すことができるのです。
ただし、このエクササイズを行うのは、ネガティブな気持ちにとらわれているときだけにしておきましょう。
あまりやりすぎると、脳が疲れてしまうこともあるからです。
マイナス感情、ネガティブ感情に振り回されそうになった時に、検証してみてください。
(なんだかうまくいきそうに変わる本 杉山崇 永岡書店 160ページ参照)
私は老人ホームの慰問や地域のイベントでアルトサックスを演奏しています。
そのときに頭が真っ白にならない方法を考え出して実行しています。
これは明日の投稿でご紹介します。