カテゴリ:森田療法と他の療法について
8月号の生活の発見誌に脊髄性筋萎縮症の人の話がありました。
体の自由が効かなくなり、とても辛そうでした。 この方が精神科医のヴィクトール・フランクルの創造価値、体験価値、態度価値の話をされていました。 この方は創造価値、体験価値の実現は難しくなったが、態度価値だけは残されているので、態度価値に焦点をあてて、ラストステージではなくアナザー(もう一つの)ステージの道を追求していきたいと言われていました。 これに刺激を受けてフランクルのいう態度価値について考えてみました。 フランクルは、人間は困難な状況に陥った時生きる意味を求める存在であると言っています。 分かりやすくいうと、困難に陥った時、意気消沈して自己否定して打ちのめされるのではなく、それを受け入れてどう乗り越えていくのかを考える生き物だと言っているのです。 そのことを、「人間は人生から生き方を問われている存在である」と言っています。フランクルのこの考え方は「ロゴセラピー」として知られています。 難しい言葉ですが、フランクルは死と隣り合わせの極限状態で、肉体的にも精神的にも生き延びるためのコツをつかみました。 それをまとめて仲間たちに紹介しています。 ・どんな絶望的な状態に置かれても、小さくてもよいので将来に希望や夢を持って生きていくことが大切になる。 ・困難を神様から課題や宿題を出されたと受け取り、自暴自棄にならずに前向きに生きていく。 ・苦難を乗り越えることで、新たな能力を獲得し、人間として一回り大きくなれる。 ・困難な時は自分一人で孤立しないで、お互いに助け合い、励まし合って生きていく。 この記事を書いた方は、想像を絶する大病に襲われたとき、今までの生き方の問題点や認識の間違い、これからの生き方を見直すきっかけとなったようです。 元気で仕事や生活をしていた時は、自分の人生をしみじみと振り返ってみる機会はなかったということかも知れません。 大病になって初めてそのチャンスが巡ってきた。 大病になったことは辛いことですが、そういう機会を与えられたということはとても幸せなことです。 それを文章や映像として残せば、後世の人に貴重な財産を残すことができます。 人様の役に立つことを残すことができれば、立派な人生を全うしたということになります。 森田では「清水の舞台から飛び降りるような気持になれれば神経症は治る」「俎板の鯉のような気持で不安と付き合えば神経症は治る」などと言われます。 逃げ道が一つでも残されていると、それが障害となってなかなか覚悟を決めることができません。 これから先過酷な災難がやってきたとき、この記事を参考にして、これまでの人生を振り返るチャンスがやってきたととらえるようにしたいものです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.09.27 06:27:19
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