森田療法の普及の可能性
私はこのたび、「心の健康セミナー」の主催者として、新聞社、市役所、県の精神衛生センター、市の精神福祉施設などに直接出向いて広報をしました。区民文化センター、市立図書館、公民館などで森田療法のことはまともに取り扱ってもらえませんでした。それは仕方がない面もありますが、心の問題を扱う健康福祉局、精神衛生センター、保健所などでも、「森田療法ってなに」 「新興宗教とは関係ないですよね」「講演の題名に森田療法と入れたものにご協力はできない」などと言われて、受付ですぐに追い返される場合が多々ありました。特に期待をかけていた県の精神衛生センター、市の精神福祉センターでまともに対応してもらえなかった事はとてもショックでした。話を聞いてもらえない。入り口でチラシを渡すのが精一杯でした。すぐに捨てられているのでしょう。というのは、申し込み者の中で、そういうところでチラシを見た人は一人もいなかったのです。ポスターなどは掲示はできませんと断られる始末です。他のポスターはいろいろと掲示しているのにとても残念な思いでした。曲がりなりにも心の問題を扱う部署で、森田療法が眼中にないということがよくわかりました。あっても、近づいてはならない、効果は期待できないので無視するという態度が露骨なのです。全国的に見ると私の住んでいる県や市が特殊なケースなのかもしれません。地元新聞社は後援してくれました。 後援にあたっては生活の発見会の定款や役員の名簿の提出を求められました。当然、新聞紙上でも取り上げてくれるものと思っておりましたが、他のセミナーの掲載を優先するということで断られました。他のセミナーの内容と私たちのセミナーの内容を比較しているのです。特に「森田」というネーミングに敏感なのです。そして私たちのセミナーは取り上げてもらえなかったのです。食い下がると、森田療法は、特定の療法に偏っており、普遍性が少ないなどと説明されるのです。途中からは、森田療法のことは前面に出さずに、森田療法理論を応用して開発された「生きがい療法」の言葉を前面に出すように変更しました。この言葉は、森田療法を1とすれば、 3倍ぐらいは世間に知れ渡っています。以前に新聞で取り上げられた記事などをファイルして見せれば、非常にインパクトが強いのです。これは過去に掲載された記事が数多くあります。これを前面に出すことで、多くの参加者を勧誘することができました。 80人定員のところ95人も集めることが出来たのです。今回の「心の健康セミナー」では、一般市民の方が数多く参加されます。多分森田療法そのものよりは、「ガンと生きがい療法」の話を聞きたいのだろうと思っています。私はこの機会をとらえて、森田療法の言葉を広く知ってもらうことに力を入れたいと思います。理想としては、心の問題を抱えた人に、その解決策の1つとして、森田療法のことがすぐに頭に浮かぶような状況を作り上げたいと思っております。まずは一般市民の人に森田療法というすぐれた精神療法があるという事を広めることが、今、 1番に取り組むべき課題だと考えています。2月号の生活の発見誌にYouTube (無料の動画共有サイト)で発見会のチャンネルを作り、そこで定期的に短い動画を配信して森田療法の普及活動を行うという提案がありました。これは会を上げて取り組めば効果があると思います。どなたか取り組む人はいないでしょうか。私は文章を書くのが好きなので、このブログで森田療法の普及に努めております。毎日600人から1,000人ぐらいの人がアクセスしてこられます。こういう活動を地道に続けていれば、いつの日か、森田療法に関心を持つ人が出てくるのではないかと思っております。最初のうちは一日20人ぐらいのアクセス数しかありませんでした。それがいつの間にか、30倍から50倍に拡大したのです。粘り強く継続していって、いつか世の中を変えていきたいと思っているところです。メンタルヘルス記念財団を作られた岡本常男さんは、「森田療法という日本で生まれた優れた精神療法は、海外で評価されて、逆輸入される形で日本で普及するのではないか」といわれていました。岡本さんは何回も中国に足を運んで森田療法の普及に努められました。中国では大学病院をはじめとして、日本を凌駕する勢いで森田療法が拡大しています。その他、オーストラリア、カナダ、アメリカ、ドイツなどにも拡大して、国際森田療法学会も開かれるようになりました。その日は着実に近づいているのだと思っております。